大統領宮殿での記者会見

一昨日のタリバーンによる大統領宮殿への入場と記者会見の動画。アルジャズィーラが放映したもの。田舎侍みたいな男たちがきらびやかな宮殿内で、少しオドオドしながら記念写真を撮っていたり、物珍しそうに眺めていたりもするように見えるが、彼らを率いている立派な身なりをした3名(4名?)の偉そうな人物たちはタリバーン幹部なのだろう。彼に随行している兵士たちも組織内ではかなり上の存在のはず。市内ではこれまで警官がやっていた交通整理や検問の実施などもタリバーン兵がやっているという。そんな場ではなく、こんな「勝利宣言」の席の幹部の護衛で来ているのだから、「エリート」兵士たちのはずだ。

この大統領宮殿。これまでは権力の中枢であった場所で、タリバーンにとって平和裏に実権が移行したことを内外にアピールするにはもってこいの場所だ。そこに「PRESS」と背中に書かれたクルーとインタビュアーを伴ってやってきているわけだ。

こうした形でメディアとその先にいる世界中の視聴者たちを明らかに意識した姿勢は、かつて政権にあったときのタリバーンとはちょっと違うような気がする。「怒れる若者たち」だった幹部上層部も中高年になって成熟したのか、世の中の変化とともに彼らも多くを学んできたのか。

これからタリバーンが何をしようとしているのか、どんな統治をしようとしているのかは、まだしばらくわからないかもしれないが、まずはメディアに対してどのように振舞おうとしているのかについても注目していきたいと思う。タリバーンが目指しているのは首長国なので「情報公開」のような意識のかけらすらないかもしれないが、少なくとも国外とどのように付き合っていこうとしているのか、そういうつもりはあるのかについては見えてくるかもしれない。

Taliban enters presidential palace in Kabul (Al Jazeera)

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