ハザーリーバーグ周辺の民俗画の村巡り①

朝10時にハザーリーバーグのホテルからクルマで出発。今回の民俗画の見学について、ヴィラーサト・トラストを運営するご夫妻に案内を依頼した。

木立が見えてくるが、これらの木は地域のアーディワースィー(先住民)の人たちにとって大切なもので「サール」あるいは「サクアー」と呼ばれるもの。この木で扉その他の家のパーツを作るとのこと。この木の特徴は伐採しても切り株の脇からまた芽が生えてきて上方に伸びて、幹として再生するのだという。伐採しても自然と回復する木があるとは知らなかった。

同様に村の人々にとって大切な木としてはマフアーがあり、チャッティースガル州のバスタル地方でもそうであるように、同様に干した花で酒を作ったりするが、油を取ったりもするそうだ。

本日訪問するのは「オリヤー」及び「アンゴー」という村。どちらもアーディワースィーのクルミーという少数民族の人たちの村だが、前者はダイナミックな柄の絵を描き、後者は線が主体の絵を描く。ごく近い距離にあるのに、また同じ民族であるにも関わらず、描く手法が異なるのだ。

オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村
オリヤーの村

黒い部分は村で取れる材料を使っているが、黄色と赤については、それぞれ黄鉄鉱と赤鉄鉱が利用されている。こうした家々がまだまとまって残っている一方で、同じ村の中に、いや同じ家でも背後にレンガ積みコンクリートの家が建つようになっているところも少なくない。

村人はやはり近代的なレンガ積みの家を好むとのことだ。泥と牛糞で造られた「カッチャー・マカーン(泥造りの家)」よりもレンガやコンクリートの「パッカー・マカーン(しっかりした家)」のほうが頑丈だし、手入れも少なくて済むからだ。また近代的な生活を享受しやすいという面もあるだろう。

アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村
アンゴーの村

ハザーリーバーグ周辺の村々の民俗画は、「ソーハラーイー・ペインティング」及び「コーワル・ペインティング」として知られる。前者は収穫の終わる時期に家々で壁に描かれるもので、後者は婚礼の時期に婚家の家の壁に描かれるものである。前者については、収穫を祝うという意味合いだけではなく、家の塗装を新たにして補修、補強して、今後さらなる使用に耐えるようにするとい理由もあるとのことだ。毎年塗り替え描き替えるのが壁だが、屋根もなかなか手間がかかるそうだ。このような瓦屋根なのだが、これとて3年ほどの周期で総取り替えしなくてはならないらしい。

3年程度の周期で葺き替えが必要となる瓦

黒土を塗ってから石灰でホワイトウォッシュを施し、その上に絵を描いていく。これがレンガ積みやコンクリートの家になると行われなくなるのは、もともとその必要がないこと、コンクリートの場合は表面の処理が異なるため、同じことはできないことからだ。

泥で出来たカッチャー・マカーンには、かなりサイズが大きなものもある。天井裏は穀物貯蔵スペースとなっている。

内容は新型コロナ感染症が流行する前のものです。

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