夏の風物詩 カブトムシにクワガタも外国産がいろいろ

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夏に子供たちが愛でる昆虫といえば、カブトムシにクワガタというのが昔から通り相場だが、近ごろはどちらの人気も輸入モノに押され気味らしい。みんなが飼っている見慣れたカタチの虫よりも、より大型であったり姿が特異であったりして、『友達と差がつく』のがいいという気持ちは、持ち物やクルマなどに対する大人のこだわりと、基本的に変わるところがないのだろう。
都市部の子供たちは、自然豊かな郊外や田舎にでも連れて行ってもらわない限り、こうした大型の甲虫類を普段の生活圏で捕まえることはできないので、自分たちのお小遣いで買ったり、親に買い与えてもらうといった形で入手するため、これらの虫がどこの国のものかということよりも、見た目が立派でカッコいいものが好まれるのはわかる気がする。
1999年の植物防疫法の改正にともない、それまでは有害動物という扱いになっていた外国産のカブトムシやクワガタのほとんどがその指定から外れたことにより、『輸入解禁』となったことが、『ヘラクレスオオカブト』『アトラスオオカブト』といった巨大昆虫が子供たちの話題にのぼるようになったきっかけだそうだ。
カブトムシ以外にも、大型な外国産のクワガタ類も相当日本に入ってきているらしい。腐葉土をエサに、素人にも幼虫の飼育が簡単なカブトムシに比べ、基本的に倒木で幼虫期を過ごすクワガタの場合は、卵から育てるのが困難であるとされたが、今ではそうした木材を由来とするマットを専用のビンの中に詰めた飼育キットが普及するなど、かなり敷居が低くなり、国内での繁殖も容易になったこともその要因のようだ。
それでもこうしたカブトムシ、クワガタ類については、安価な種類もあるものの、とりわけ後者については、一匹あるいはつがいで数千円から数万円、珍種ともなるとペアで10数万円というものもあるようで、もはや子供のペットではなく、虫マニアの大人が大真面目に取り組む相手らしい。
そうした中、かなりお金になる虫ということで、数年前にはネパールから珍種のクワガタ類を多数持ち出そうとした日本人が出国時に密輸の現行犯で捕まったという記事がメディアに出たことがある。
あまりに生育環境が異なる地域のこうした虫は、仮に日本で逃げ出すことがあっても、そのまま定着できる可能性は多くないらしい。それでも中国、台湾、韓国といった周辺国の昆虫の場合、日本の在来種から見た亜種的な存在も少なくないことから、日本固有種と交雑したり、生育環境が似ていることから在来種と競合したりといった、環境に与える影響が特に危惧されるとのことだ。そうした昆虫類を扱う業者もお客がこれらを野山に放すことがないよう注意を呼びかけている。
私自身は虫の類に興味はないのだが、小学生の息子は他の同年代の子供たちがそうであるように、カブトムシやクワガタが大好きである。そんな子供たちがよく親御さんたちと一緒によく出入りする『むし社』というお店が東京にあり、一度息子を連れて訪れてみたことがある。ただの昆虫ショップではなく本格的な出版物も手がけている。
同店のウェブサイト中の生体入荷情報には、様々なクワガタ類の姿がある。価格は途方もないが、熟練した職人が仕立て上げた工芸品のような美しさを持つものもあり、子供たちがこれらを眺めてワクワクするのもわかる気がする。
夏の風物詩、カブトムシやクワガタも近ごろ店頭に並ぶのは、ずいぶんいろいろな種類があるようだ。

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