コラバのゴア料理店

New Martin Hotel

ムンバイのコラバ地区の一角。壁に書かれたメニューの品目はあまり数多くはないが、とりあえずポークウィンダールー、ソーセージ・エッグ&チップス、フィッシュカツレツを注文。やはり豚肉の旨味を知るゴア人の料理には格別なものがある。やはり豚肉が私には必要なのだ。ゴアで食べるものに比べて、やや酸味が薄いような気がしたが、これは店の個性かもしれないし、あるいはボンベイでの顧客の好みに合わせたものかもしれない。

ポークヴィンダルー
ソーセージ・エッグ&チップス
フィッシュカツレツ

ついでにビーフステーキとフィッシュカレーも注文してみる。画像のタマネギ炒めとポテトの盛り合わせのように見えるのがステーキ。タマネギの下はすべて牛肉で、かなりのボリュームがある。ゴアでもこういう出しかたをするのか知らないが、もしかしたら、どんな人が入ってくるかわからないため、お店としての配慮なのかもしれない。

ステーキ
ステーキに乗っているタマネギを外すとこのような具合になる。
フィッシュカレー
パン

注文して出てくるのを待っているとき、面白いことがひとつあった。
額にビンディーを付けた、品の良い中年女性が入ってきて、「持ち帰りでステーキを」と注文していた。今はどうか知らないが、昔はヒンドゥーでなくても若い女の子がビンディーを付けて外出するということはあった。
この人は、すっかり落ち着いた中年女性であるため、本当にヒンドゥーであると考えたほうが良いだろう。あくまで個人的なことであり、とやかく言うものではないが、こうして下町の食堂でヒンドゥーの主婦がビーフステーキをテイクアウトで注文するほど、ボンベイはリベラルなのだと感心する。私がゆっくりとステーキ等を食べている間にアルミホイルに包まれたステーキ二人前が主婦に渡されていた。
ぼーっと人々をウォッチングしているのもなかなか楽しいものだ。

もちろんインドでは牛を食べられる機会はあまり多くないのだが、地域によっては毎日食べられる。食肉としてはインドでまったく一般的ではない豚肉も同様だ。

ゴアで豚国が多く使用されるのは、言うまでもなく旧宗主国ポルトガルの影響だ。
地元社会の宗教や社会的慣習にはあまり介入しなかった英国(それでも寡夫のサティーの習慣等、彼らの目に人道的な問題と映る事柄については積極的に介入した)と違い、ポルトガルは自らの支配地域内でのヒンドゥー教の信仰を禁じてカトリックへの改宗を強く推し進めるなど、現地社会のポルトガル化を図った面がずいぶん異なる。

そんなわけで、旧英領地域に比べてライフスタイルや食事の面で、英国よりもずいぶん大きく深い影響を残したのがポルトガルのゴアといえる。

・・・とはいうものの、インド復帰以降はゴアとその他の土地とで移住等は当然自由であるため、現在カトリック人口は半数にも満たず、ゴア州は現在BJP政権下にある。

今後、時代が下るにつれてポルトガル色は薄くなっていき、同時にヒンドゥーやムスリムの人々の人口流入により、ゴアらしい地域色が薄まっていくであろうことは間違いないだろう。

食後はアプリコットカスタード

店名:New Martin Hotel
所在地:21, Glamour House, Strand Road, Near Strand Cinema, Colaba, Mumbai
電話:022 22029606

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