書籍「Musoorie And Landour」

ヒルステーションのマスーリーとランドールについて書かれた本。成り立ちから独立時に至るまでの歴史、ここを舞台に起きた出来事、ここに出入りした人々などについてもいろいろ綴られている。
このヒルステーションを拓いたとされる英国出身の軍人と彼自身が彼が初代会長を務めたクラブ、故国を追われたアフガンの王族、英国に滅ぼされたスィク王国最後の王(5歳で即位し、11歳で廃位させられたドゥリープ・スィン)の幽閉先、果てまた平地の暑季を逃れて避暑のために逗留した英国人のご婦人と植民地軍の将兵の色恋沙汰、世界大戦期に欧州へ渡るリスクを避けてマスーリーに集った様々な藩王国の王族たちの憂鬱(英国により定められた各藩王国の「号砲数」により、格付けが歴然としているので、イーブンな関係ではない)、マスーリーで勢力的にビジネスを展開した英国出身の商売人たち等々。
植民地期のヒルステーション社会の日常を考えるうえで、非常に示唆に富む一冊であった。

書名:MUSSOORIE AND LANDOUR
著者:VIRGIL MIEDEMA & STEPHANIE SPAID MIEDEMA
出版社:Rupa Publications India Pvt. Ltd.
ISBN 978-81-291-2434-0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください