コサメット2

エアコンをガンガン効かせて、「あ~、寒い」とブランケットにくるまり、深く気持ち良く眠った翌朝。20年以上前のコサメットで、暑さにうなされて、朝起きると疲労感があったのとは違う次元の大変気持ちの良い目覚めだ。

外に出てみると、近所の店では洋風の朝食しか出していない。ご飯党の私たちは、セブンイレブンでコンビニ弁当を買った。これが案外旨い。ちょうど食堂や屋台で出るようなご飯がプラスチックケースに入っている。一食40バーツ程度なので、愛用している安旅行者は少なくないのではないかと思う。とりわけタイではコンビニは多いので、利用する機会は多いだろう。

コンビニ弁当

そんな具合で食事を済ませて、外に出ようとしていたら激しい豪雨となった。雷が鳴り響き、足元から先が霞んで見えないような勢いで降り注いでいる。一時間ほどで止んだのだが、それからしばらくの間は空模様が不安定であった。雨季なので仕方ない。宿の前のマーケットから国立公園入口ゲート手前まで、道路がすっかり冠水してしまっている。

ふと思い出したことがある。昔、コサメットに来たとき、知り合った私と同年代の若いドイツ人女性(当時は私も若かった)が「5日に一度は親に電話しなくてはならないので、辺鄙なところには行けないし、トレッキングとかは絶対ムリなのがツライ」と言っていた。

欧州人で、そんな過保護な家庭は珍しいな、とやったが、彼女の兄がインド旅行中、夜間に鉄道車内から転落して亡くなり、それ以降はアジア方面に一人旅することに猛烈に反対され、妥協案として、そういう約束になったのだとか。

でも、そんな頻繁に国際電話していては、電話代だけで大変だろうと思いきや、「私はコレクトコールを申し込んで、親はそれを断る。そうすれば、私が無事でいることが判るでしょ?」とのこと。

のっぴきならぬ大変なことが起きて電話するような事態が起きた場合には、緊急事態用の名前を用意しており、その場合には親はコレクトコールを承諾して通話する約束になっているということで、さすがドイツ人はしっかりしているなぁ、国際電話をタダで利用して安否確認をするなんて!と感心したものだ。電話局からではなく、民間の電話屋からだと、コレクトコール申し込むと、幾らかの手数料を取るところは少なくないのだが。

彼女と一緒に食事に出かける前に、コレクトコールの申し込みに付き合ったが、かなり高いことを店の人に言われて(前述のコレクトコールの手数料)、「明日、バンコクに行ってからかけることにする。でも親が心配するなぁ・・・」とかなんとかボヤいていた。

インターネットの時代到来後、とりわけスマホが普及してからは、若い旅行者たちは、通話アプリを利用して、自国の家族や友人たちと簡単に連絡を取ることが出来るので、もうこんな方法で身内に無事を知らせる人はいないだろう。それに、昔は旅先で知り合った人たちと住所を交換しても、少数の例外を除き、多くは二度と会う機会は無かったりしたのだが、今はFBやLINE等で、そのまま繋がっていたりすることができる。

今どき、Poste Restante(局留め郵便)などというものを手紙の受け取りに利用する人はいないだろうし、旅行中の「通信環境」は、昔とはまったく別次元になっている。

ビーチで、娘とフリスビーで遊びながら、長らくすっかり忘れていたことを思いだしたが、通信環境でさえも、こんなに大きく変化しているので、島の様子がすっかり一変しているのも当たり前だな、と思った。10年ひと昔と言うが、ふた昔以上の時間が経過しているのである。

雨季なので空も海の眺めもいまひとつ

小腹が空いて、浜辺のカフェに入ると、娘は私のスマホを手にして、ポケモンGOで遊んでいる。インターネット出現前の時代は、もはや遠い過去の話となっている。

フリスビーで汗をかいた後、ビールが旨い。

〈完〉

This entry was posted in column, greater india, life, society, travel. Bookmark the permalink.

2 Responses to コサメット2

  1. 楽しい旅模様、すてきです。

    私ごとですが、今、家の中で探し物していまして断捨離にも繋がっています。
    そんなおり、むか~~しのエアーメイル from Indiaなんてのが出てきて・・・・ね。
    懐かしく読み耽ったりし、いっこうに探し物はでてきません(涙)

    楽しい旅を・・・

  2. ogata says:

    これまで旅行先で気に入って買ったものはなかなか断捨離できなくて困っています。
    そんなわけで、最近はあまりモノを買わないようにしているのですが、不思議と何かしら増えてしまうので、これまた困ったものです。

Comments are closed.