ああドリアン

ミャンマー産ドリアン
フルーツというよりも熟練した生菓子の職人が丹精込めて鶏卵に生クリームを加えて、しっとりとした薄い外皮で包んで仕上げたかのよう。ドリアンという果物はなぜこれほどまでに人工的かつ動物性の味わいなのか?
口の中に含むと広がるキャラメルソースのような香り。濃厚でしっとりとした陶酔感のある甘み。これほど上質で高級感のある食感の果物を他に知らない。
だが当たりとハズレで旨さの差異も大きい。充分熟しているかどうかというだけでなく、たとえ完熟であってもちょっと水っぽかったり、逆にコテコテなのに香りも甘みもいまひとつで、レシチンを舐めているような期待外れの個体もある。
それだけにいいモノに当たったときの幸福感といったらない。
マレーシア産ドリアン
ヤンゴンの街角で見かけたドリアン売り。種類の異なる地元ミャンマー産、マレーシア産、タイ産を並べていた。価格はミャンマー産から順に高くなっていくが、その分重量も同様に大きくなっていく。
ちょっと立ち止まって店先で品定めする人たち。持ち帰って家族と楽しむ様子が目に浮かぶようだ。ゴツゴツとした姿のドリアンの数だけ、幸せな団欒のひとときがあるようでちょっと微笑ましい。
南インドにも野生のドリアンが自生しているところはあるようだが、普通食用にはされないようで、人知れず朽ちていくのは残念。何かちょっとしたきっかけがあればブレークするのではないかと想像している。
果肉のちょっとした『ガス臭さ』では、インドの街角で普遍的に見かけるジャックフルーツにも通じるところがあるだけに、彼らもドリアンを愛でる素養は充分持ち合わせていると思うのだが。
タイ産ドリアン

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