パナジーへ1

起床は午前6時。宿の支払いは前夜に済ませておいたので、ササッと身支度をして外に出る。

バススタンドは、赤色のマハーラーシュトラ州営公社のバスで一杯だが、パナジー行きの車両は、ゴア州の公社が運営する白と緑に塗り分けられた車両であるとのこと。パナジーまでは8時間程度とのことだ。

赤いバスは、ご当地マハーラーシュトラ州営公社のバス

7時半になる少し前にそのバスはやってきた。押し合いへし合いしながら乗車して席を確保したと思いきや、スマホ画面を見せて「予約席だ」と言い張る者が何人もいる。州営の簡素なバスだが、スマホのアプリで事前予約出来るらしく、車掌がくるとそれを見せており、座席に陣取っている人を立ち退かせているので、ホントの話らしい。

こちらがゴア州営公社のバス

インドの旅行予約サイトで、バスのブッキングも出来るようになっているが、ネット予約できるのは、エアコン付きでラグジュアリーなプライベートのバスだけと思っていたので、これはちょっと意外だった。そうと知っていれば、今朝出がけにでも予約しておいたものを!

結局、立ち席となる。

コールハープルを出てから3時間少々、幸いなことに近くの席の人が降りるので、そこに座ることが出来て、車窓からの眺めを楽しむ気持ちの余裕が出来た。公営バスだが、シートは2×2で、リクライニングも付いているので、それなりに楽である。

立っていると揺れて疲れる車内も、座席があると別世界。

こんなバスでも2×2でリクライニングがあると、とても楽だ。

「あ~、良かったぁ!」と思ったのだが・・・。

あなたのフライトが10分遅れます

近ごろのインドの航空会社はずいぶん丁寧になったというか、IT化の進展のおかげでうわべだけは、手の込んだサービスをするようになった。
フライトの日が近くなってくると、どこから覚えのない番号から電話がかかってきたりする。取ってみると、スケジュール変更とかいう録音メッセージで、ちょっとドキドキしていると、「予約されているフライトが10分遅れます」とかなんとか。そうでなくてもいろいろ遅れることは多いのだが、こうして何日も前から連絡が来ることは少なくない。自動で乗客たち全員にかけているのだろうから、人の手を煩わせることはあまりないのだろう。

コールカーターのG.P.O

1868年に完成した優美な建築物。現在これが立地する場所のすぐ脇が、1765年に起きた悪名高い「ブラックホール事件」の舞台となった場所だそうだ。

The Black Hole of Calcutta (History Today)

それはともかく、ここは旅行者たちにとって、少し前までのネットカフェ、今のスマホのような役割を果たしていたことがある。インターネットの利用が一般化する前の頃の話である。

Mr. ×××
Poste Restante
General Post Office, Calcutta,
India

・・・というような宛名で書かれたハガキ、封書、場合によっては荷物などが、G.P.O. (General Post Office = 中央郵便局)に局留郵便として届き、受取人は本人の証明としてパスボートを持参して、これらを受け取っていた。

一般的には、局留として到着した郵便がG.P.Oに保管されるのは3カ月とされるが、それよりも多少長い期間が経過しても、届いた郵便を見つけることが出来る場合もあった。

こうしたサービスは、コールカーターの郵便局に限ったことではなく、インドの他の大きな街はもちろんのこと、世界中どこに行っても郵便局はこうした便宜を図ってくれていた。現在もそれは変わらないだろう。だいぶ前に、「POSTE RESTANTE 局留郵便(1)」と題して書いたことがある。

さすがに今の時代には、局留で手紙を送ることはないが、荷物の受け取りなどで利用する人はかなりあることと思う。

そんな時代、G.P.O入口の階段では、家族や友人から受け取った手紙の文面を嬉しそうに見つめている旅行者たちの姿があり、持参した絵葉書を手に、その場で返事をしたためていたり、郵便窓口でエアログラムを購入して返信を書き始めたりする者の姿をよく目にした。

今の旅行者たちの場合は、ポケットの中のスマホに、両親からメールや友達のFBでの動向がリアルタイムに入ったり、自らも彼らに頻繁に発信したりしているのだが、当時のこうしたシーンでは、メッセージの往復に最低で数週間、多くは数カ月くらいかかっていた。

そもそも局留で手紙を受け取るには、「次には××に行くから手紙をくれ」というように、今後確実に向かうであろう都市のG.P.O(自分がそこを立ち去った後に手紙が到着しないよう、多めに時間の余裕を見込んで)を伝えておかなくてはならなかったので、こうした便りを受け取る際の感激はひとしおであった。

コールカーターの大時代的な建物の郵便局は、ふとそんなことを想起させてくれる。これが開業した当時の郵便事情はどんな具合であったのだろうと思いを馳せたりもするが、こうした郵便や通信の変遷の歴史をつぶさに見つめてきたのが、この歴史的な郵便局である。

Paytm

Paytmでの支払いが出来ることを明示した露店

こんな露店でも電子決済(携帯電話による決済)を扱っているのだから恐れ入る。
かなり評判の高かった電子決済サービスだが、昨年11月9日の高額紙幣(旧1,000Rsおよび旧500Rs)廃止にともなう紙幣不足で脚光を浴びるとともに、さらに大勢の新規ユーザーを獲得したようだ。
店頭での支払い以外に、個人間での送金も可能だ。
電子決済の分野では、日本よりもずいぶん先を行く部分も少なくないインドである。