インド政府観光局の北京事務所が開設されたのだそうだ。インド国外にて第14番目の拠点で、アジア地域では東京、シンガポール、ドバイに加えて四つ目のオフィスとなる。
まだオープンしたばかりということもあってか、在北京のインド大使館を通じて、現地職員の求人活動がなされている。中国の首都において、インドの観光発展のために働くというのは、なんだか意外性があって面白いかもしれない。
それはさておき、これは近年の大きなふたつのトレンドを象徴しているといえる。中国においても、いわゆる中間層が拡大し、彼らの経済力も高まったことによる海外旅行ブームの進展、そしてこのところ好転している印中関係のさらなる深化である。このふたつがあいまって、中国人観光客たちにとって、インドはひとつの人気国となり、インドの観光市場にとっても、将来を見据えた得意客となりつつある。数年前までは、隣接する両国間には直行する定期フライトさえなかったのがまるでウソのようだ。
そんなわけで、インドの空港では台湾ではなく大陸からやってきたお客の姿は多く、観光・商用ともに相当数の人々が行き来している様子がうかがえる。また観光地にあっても、『中国語を話しているが、お行儀の良い台湾人たちとはちょっと違う』と書いては失礼かもしれないが、従来よく見かけた彼らとかけ離れた雰囲気を持つ人々を見かけることがしばしばある。ちょっと声をかけてみると、やっぱり上海の人であったり、北京の人であったりする。
21世紀は、インドの時代、中国の時代とはよく言われるが、インド国内における『中国の時代』が始まるとは言わないまでも、とかく商業活動に長けて開拓新旺盛な漢民族たちの空白地帯ともいえたインドにおいて、彼らが急速に存在感を増そうという時代がすぐそこまで迫っているような気がするのは私だけではないだろう。インドまで物見遊山でやってくる中国人があれば、この国にさまざまな商機を見出す中国人たちも決して少なくないはずだ。
カテゴリー: column
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India Tourism in Beijing
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ダストフリーでスッキリ
近年急速に普及したデジタル一眼レフカメラ。APS-Cサイズのセンサー搭載の入門機から中級機にかけてのモデルは、高性能化と多機能化が進むとともに、価格の低廉化と操作性も同時に進行した。その結果として購入しやすく、手に入れてからも活用しやすくなってきたため、昔からのカメラ好きの人たちのみならず、初めてそれを手にする人たちにとっても親しみやすい道具になってきている。
操作性の向上といえば、たとえば現行のいくつかの機種ではライヴヴュー機能が付いて、花などのマクロ撮影をしたりするときには役立ちそうなこと、設定メニューのレイアウトなども、おそらくユーザーその他の意見を取り入れた結果であろう、よくこなれて扱いやすくなっていることなどは言うまでもない。
だがそれ以上に、センサーの前に貼り付いているローパスフィルターにゴミが付着することを防止したり、すでに付着したものを振るい落としたりする機能が普及してきていることを挙げる向きもあるだろう。最近発売された機種には、たいていこの機能が搭載されている。
かといってこれによりゴミの付着をすべて防ぐことができるわけではなく、一度しっかりと付着してしまったものは、特に清掃しないかぎりずっとこびりついたままなので、次から次へとゴミが付着していくことになる。これはデジタル一眼レフの構造上の欠陥とは言わないまでも、今の仕組みである以上は宿命的な問題である。
従前は洗浄用液剤と綿棒やハケなどで清掃するやりかたくらいしか知られていなかった。カメラメーカーのサービスセンターで行なわれているやりかたで、一番効果的で確実な方法である。しかしかなり手間ではあること、それなりの熟練も必要そうで、二の足を踏んでいた人も少なくないだろう。デジタル一眼レフのユーザーが増えるとともに、手軽な清掃用具に対する需要も高まってきた。
そこで、今では手軽な掃除キットもいろいろ出てきている。パッションという会社から静電気を用いてゴミを吸い取る道具、DD Proの出現は画期的であった。手軽に扱えて良さそうだが、けっこう大ぶりなので荷物にはなる。
近ごろ特に人気を集めているのは『ペタペタした感触のシリコン樹脂のヘッドで清掃する用具。湿式と乾式の中間といった感じで、シリコン(材質確認)を用いた粘着性のヘッドでペタンペタンとゴミを取る用具だ。ペンタックスの『イメージセンサークリーニングキット O-ICK1』とエツミの『ローパスフィルター クリーニングW』とどちらも似たような用具だが、これらはごく小さく扱いも簡単でしかも安価。旅行先に携帯するには最適だ。最近は、あまりゴミを気にせずにレンズをどんどん交換しながら撮ることができる環境になってきていてありがたい。
これでどうしてもキレイにならなければ、自宅で湿式による掃除にじっくり取り組むか、サービスセンターに持ち込む(これが自宅近くにない場合は大変だが)ことにはなるものの、たいていはこうした道具でチリやホコリを除去できることだろう。それでもローパスフィルターに付着するゴミとの戦いはまだまだ続く。とくに埃っぽい環境下ではなおさらのことだ。近い将来、もっと根本的なゴミ・埃対策が出てくればいいのだが。インドの往来の埃っぽささえモノともしない強力なアンチ・ダスト機構は可能だろうか?? -
BBC の存在感
BBC Hindi.comのサイト内で、穀物、果物その他に関連する語彙をワンポイントで教えるLearning English Idiomsというプログラムがある。これまでBean, Bananaなどが出てきていたが、本日現在取り上げられているのは『Fish』だ。
いつも“Hello ! I’m a very interesting and an intelligent man….”で語り始めるややエキセントリックな表情のアナウンサーが、魚に関するイディオムをユーモアたっぷりに視聴者に教えている。ごく数分程度のプログラムだが、ネットに接続するついでに覗いてみるとなかなか楽しい。なお、BBC World Serviceのサイト上にはLearning Englishというページも設けられており、ここには豊かなコンテンツが用意されている。
それにしてもウェブ版のBBC、世界中で33ケ語によるニュースを提供しており、うちアラビア語は北アフリカと中東、ポルトガル語もアフリカと南米といった具合に別々のニュースサイトが用意されている。どの言語においても文字、画像、音声等による最新ニュースや旬なトピックが満載だ。南アジアのみ挙げてみても、ウルドゥー、ヒンディー、ベンガーリー、ネーパーリー、タミル、シンハーリー、と6ケ語で、それぞれの言葉が使用される地域の関心ごとを中心に、ニュースが構成されている。またこれらに加えて、英語によるアフリカ、南北アメリカ、アジア・パシフィック、ヨーロッパ、中東、南アジア、そしてイギリスといった各地域ごとのニュースサイトもあり、どれも豊かな情報量を誇る。
近年、イギリス政府の対イラク政策について批判的な報道から、自国政府と対立するスタンスも話題になったことからもわかるとおり、BBCの報道の中立性、コンテンツそのものの信頼性について評価が高いことは言うまでもない。中国やミャンマーをはじめ、自国の報道が政府の厳しい管理下にあり、非常に偏重したニュースしか流れないような国において、外国発の自国語によるニュースに触れる手段さえ持っていれば、『ホントはどうなっているのか』を知る大きな助けとなることだろう。質・量ともに、BBC World Serviceの圧倒的な存在感には脱帽である。 -
『民資主義』は善なのか?
インドのパスポート発行事務について、申請受付と引き渡しの部分が民営化されるのだとか。これについては数年前から旅券事務に関わる現場で働く公務員たちの組合による抗議活動などが報じられていたが、ついに民営化の大枠の部分は決まったようである。
ちょっと前のことになるが、インディア・トゥデイ3月5日号にこの関係の記事が出ていた。これにより、パスポートの発給が迅速化され、わずか3日間で可能となる見込みとのこと。だが現在までのところ、世界的にも旅券事務の民営化の例は稀で、同誌は機密保持の観点から生じる懸念に焦点を当てていた。 -
ナマステ・ボリウッド♯11

ナマステ・ボリウッド♯11号が発行された。今回はホーリー特別号とのことで、巻頭特集は『ホーリーの春、スポーツの春』と題して、最近の映画の中でスポーツ物の作品、『Chak De ! India !』『Dhan Dhana Dhan Goal』『Apne』その他いろいろ取り上げられている。
時節柄、Film Fare Awardsの話題にはじまり、近日封切の期待作の紹介、そして『Dhoom 3』や『Don 2』製作のウワサ、おなじみ『Bollywood Filmy Pedigree』で今回取り上げられているのはヤシュ・チョープラー。今回は演技者ではなく、監督・製作者一族を取り上げた、ちょっと通好みの記事かもしれない。
今号を読んでみて、『そうそう!』と思わずポンと膝を叩いたのは、小さな囲み記事内にある『インド映画は長いというのは、まったくの都市伝説である』というくだり。たしかに近ごろの都市型の映画は、『2時間+αというがほとんど』とここに書かれているとおり。私は特に上映時間をあまり気にすることがないのだが、心なしか最近の作品はちょっと早く終わるように気がしていた。映画の内容はもちろん、時間的な部分もグローバル化されてきているのかもしれない。でも元来せっかちな私にはこのくらいがありがたい。
意外に短い上映時間・・・はさておき、いまだ根強いインド映画に対する先入観や偏見を払いのけ、娯楽の王道ボリウッドの豊かな魅力を日本の隅々にまで存分に伝えるべく、ナマステ・ボリウッドの今後ますますのご発展をお祈りいたしたい。 -
牛のげっぷ問題
地球温暖化の懸念が高まる中、それを生じさせる原因を少しでも削減しようという試みがなされており、それ自体がビジネスにもなっている昨今。『悪役』をあぶり出す動きもまた盛んである。
温暖化の元凶とは、おおまかにいえば工業化と都市化に集約されるものとばかり思っていた私だが、生き物の活動による影響もかなりあるらしいことを知ったのは、次の記事を目にした本日のことだ。
牛のげっぷを9割削減 出光と北大、天然素材発見(asahi.com)
なんでも、げっぷに含まれるメタンの温室効果は二酸化炭素の21倍もあるのだという。大型動物がゆえに1頭あたりが発生させるメタンの量も多いために問題視されるのだろう。記事によれば、日本国内の牛440万頭から年間32万3000トンのメタンが発生しており、これは二酸化炭素換算で678万トンに相当するという。これは日本国内の温室効果ガス年間排出量の0.5%に相当するというからバカにならない。
牛1頭あたりの排出量1.54トンを、1億8千万頭いるとされるインドの牛たちに、体格は違えどもそのまま当てはめてみれば、2億8千万トン近い数字が出てくる。つまり先述の日本における温室効果ガス排出量二酸化炭素換算の値のおよそ2割!にまでなってしまう。インドの温室効果ガス排出量は日本よりも少なく11億トン弱程度のはずなので、この中に占める割合は25%にも及ぶことになる。でもよくよく考えてみるまでもなく、インドの温室効果ガス排出量の四分の一が牛のげっぷだなんて、これはきっと何かの間違いだと思うのだが・・・。
記事中にある『牛のゲップを9割抑える天然素材』として、カシューナッツの殻に含まれる成分と、ある酵母菌に含まれる界面活性剤が用いられるといい、2011年度には商品化することを目指しているとのことだ。
温暖化対策に有効とされるバイオ燃料の需要により、穀物をはじめとして様々な農産物とその加工品の値段がグンと上がったように、世界の『牛げっぷ対策』でインド特産のカシューナッツの価格が高騰することもあるかもしれない。すると、これを原料とする(ココナツから醸造するものもあるが)フェニーの小売価格が暴騰し、ゴアの庶民の手に届かなくなった・・・なんていう話も後日出てくるのだろうか。 -
ブータン総選挙
本日3月24日、ブータンで初の総選挙が実施される。世界史の中でも珍しい絶対君主自身の提唱による『上からの民主化』で、同国が立憲君主制に移行するプロセスの中での仕上げ段階となり、全国の47の選挙区からそれぞれ1人ずつの議員を選出する。
ヒマラヤの南斜面に位置する山岳地であるがゆえにアクセスの良くない地域が多いが、インド空軍が選挙に関するガイドラインの空輸に協力するなど、テクニカルな部分における隣の大国インドによる支援は少なくないものと思われる。全国に865の投票所が設けられるとのことだが、遠隔地の有権者対象に全国で180台の電子投票器が利用されるということだが、おそらくこれらもインドの力添えあってのことではないだろうか。
選挙は極めて平和裏に行なわれる見込みとのことで、思想的に右寄りの人民民主党、左寄りのブータン調和党のふたつの政党が覇を競うことになる。だが『政党』といってみたところで、2007年4月に入るまではそうした団体の存在自体が禁じられていたため、同年7月に政党登録された両党は、ブータン共産党、ブータン人民党といった非合法団体を除き、ブータンで『現存する最古の政党』ということになる。
両者ともにウェブサイト上で候補者たちの略歴などを読むことができるが、前者については各候補者のメールアドレスも掲載されているのは面白い。こういうところに掲示していると、すぐにメールボックスがジャンクメールで一杯になってしまうのではないかと思うが、それでも有権者たちの声に耳を傾けようという姿勢が感じられてなかなか好印象だ。
地域、民族そして宗教を利用したり、これらを標榜したりするキャンペーンは禁止されているとのことで、南アジアにあって近隣国で行なわれている選挙とはずいぶん趣が異なるものとなるようだ。
さて、この選挙によってどんな政府が組織され、どういう国づくりを行なっていくのだろうか。新政府が、この国独自のGNH (Gross National Happiness)をさらに成長させていくことを願うばかりだが、少なくとも民意(・・・の中に往々にして経済界の意思をも含む)を反映する政治システムでの国家運営が進められることになる。すると卑近な事柄かもしれないが、この国の観光政策にも大きな変化が生じる予感がする。おそらく段階的に、しかし着実により多くの観光客を受け入れるようになることだろう。
日本で報道される機会がごく限られているブータンだが、今まさにこれまでなかった大きな変革の時代を迎えていることは間違いないようだ。まさにこの総選挙により、ブータンの新時代の舵取り役を誰に任せるのかという一大事が決定する。新政府には、ぜひともいい国づくりに邁進してもらいたい。個人的には、近い将来この国をごくごく簡単な手続きで訪れることができるようになるといいなあ、と思うのであるが。
97,921 cast vote in first two hours of polling (Kuensel) -
ググッと眺める奇妙な景色?
それにしてもこのグーグルアース、普段目にすることができないものをいろいろ眺めることができるので、遅まきながらハマッているここ数日間である。広いインドでヘンな不思議な人工物を探してみようかと思ったが、これが軍事施設だったりすると愛するインドを裏切るようでどうも気が進まないため、他国を当たってみることにした。もっとも衛星写真解析の素人である私が見つけられるようなものは、とっくの昔にいろんな人が気がついて話題にしていることだろうが・・・。
手始めにモルジブへ。無数の島々や環礁からなる風景は、衛星写真でも充分感動的だ。たとえば周囲を浅瀬とサンゴ礁に囲まれたこんな島でのんびり休暇を過ごせたら、さぞ気持ちいいだろうなあと想像してしまう。

またこういう具合にまだちゃんと陸地が形成されていない、いわば『島の赤ちゃん』を船で訪れて、大海原の中の浅瀬という不思議な体験をしてみたいな、とも思う。干潮時にはそれなりに水面から砂地が顔を出すのだろうか?

リゾート島を除き、いかにも人口密度が低そうな島々ばかりが目につく中で、さすがに首都マーレは建物の集中ぶりが物凄い。

水際までずいぶん建て込んでいる様子が見て取れるが、もともとフラットで土地に高さがないだけに、地球温暖化で海面が上昇したらどうなるのだろうか?

ともあれ何もない大海原に浮かぶ、そう広いともいえない島に高層ビルが林立する様子はなかなかフォトジェニックで眺めているだけでも楽しい。こちらをご覧いただきたい。
視点を一気にアラビア半島へと移してみる。インドを始めとする南アジアからの労働者、技術者、投資家その他が発展に貢献しているUAEのドバイだ。市街地に散らばる青いマークをクリックすると、その地点の風景を収めた写真が表示されるが、やはり中東産油国随一の大都会にして貿易の中心地であることに加えて、おそらく建築に関する規制が緩いのではないだろうか、日本その他では想像できないような斬新なデザインの高層ビルがいくつもあり、近代建築の実験場といった印象を受ける。
中心地から海岸沿いに西郊外へと目を移すと、地上絵(水上絵?)かサカナの骨かと思われるような不思議なカタチが見えてきた。

なんと、これらは人工の島らしい。どういう施設なのかよくわからないが、すぐ近くには同様のものを建設中らしき様子も目に入る。

さてお次はイラク。数年前に米軍と原理主義勢力との間で激しい戦闘が繰り広げられたファルージャ南郊には、電話マークのような形をした施設がいくつも並ぶ地域がある。これは軍事施設なのだろうか?掘ってあるように見える部分は、周囲からの攻撃を防ぐためのバンカーなのかもしれない。

もっと西へと動いてみる。サウジアラビアの大きな港湾都市ジェッダと紅海を挟んで反対に位置するスーダン随一の港町ポートスーダンと見比べてみると、上空からの写真でもずいぶん差があるように思える・・・と言っても、ここに掲載した縮小画像ではそれを見てとることはできないので、クリックするとGoogleマップへ飛ぶことができるようにリンクを貼っておいた。上がジェッダで下がポートスーダンだ。


さらに地方の街になると、同じアラブ連盟に所属する国でありながら、富裕な産油国サウジアラビアと最貧国のひとつでもあるスーダンの格差は歴然だ。人造のナセル湖南に位置しエジプトとの国境の町として知られるワディハルファは今でも舗装道路さえないようだ。実は90年代初めに一度だけここを訪れたことがあるのだが、そのころとほとんど変わらない風景が想像されて気の毒になる。(こちらもクリックすれば大きな画像へと移動できる)

このスーダン、特に近年はダルフール問題等で非常にネガティヴなイメージを抱きがちだが、当時ここを訪問した私は非常に人情深くとても友好的な人々に私はいたく感動したものであった。
また今度適当な機会を見つけて、Google Earthで見かけた気になる風景を紹介したいと思う。インド関係のものであれ、その他の国や地域のものであれ、奇妙なものや面白いものがあれば、ぜひご教示いただけるとありがたく思う。 -
ググッと眺める奇妙な景色?

2年近く前のことだっただろうか。Google Earthで『発見された』中国内の軍事施設のことが話題になっていたことがある。インド・中国の国境地帯、アクサイチンを模した巨大なジオラマが見られるとのことであった。
そんなことをふと思い出し、自宅パソコンで立ち上げたGoogle Earthにその位置(北緯38°15’56.35″の東経105°57’6.12″)を入力して出てきた奇妙な風景。

これをGoogleマップで表示させてみよう。
湖が点在する風景からして、いかにもアクサイチン周辺の模型である。ちなみにこちらがGoogle Earthで表示した本物のアクサイチン周辺の画像だ。

これまたGoogle マップでも位置を示しておこう。
チベットから1962年の中印紛争以来、ここを占領した中国が実効支配している。チベットと新疆を結ぶ重要なルートであったことから戦略的価値の高い地域である。またその交易路の存在ゆえのことだろう、ラダック地方に暮すかなり高齢の人たちの間には、アクサイチンがイギリスの影響下にあった時代に、現在では新疆ウイグル自治区となっている地域のカシュガルその他の町を仕事で訪れたことがある、そこにしばらく暮らしたことがあるという人はけっこういるようだ。
私たちはアクサイチンをこうした衛星写真でしか眺めることができないが、変化に富んだ地形、環境が厳しく植生の少ない高地ながらも川の流れや点在する湖などもあることから、まさに息を呑むような風景があちこちに見られることだろう。この有様を再現した模型が『本物』から2600キロ以上離れ、中国の内蒙古自治区、甘粛省そして陝西省に挟まれた寧夏回族自治区に存在するのである。機密に属するものであるため、実物同様こちらも一般人が訪れることはできない。 -
インドビジネス情報誌創刊1年

昨年、プレ創刊号としての4月号、正式な創刊号となる8月号を発刊し、以来日本における稀有なインドビジネス誌として隔月発行されているIndia Business Today。
インドにおける経済トレンドの大勢、政治トピック、インドでの日系企業の動き、日本におけるインド企業や著名人の動向に加えて、インドの歴史文化にかかわる事柄も取り上げている。誌面40ページ余りとごく限られたスペースではあるものの、日本人ビジネスマンのうちこれまで同国とあまりかかわりを持たなかった人であっても、経済活動という視点を中心にインドを多角的に眺めることができるよう努力がなされているようだ。
なお発行元のコネックス・アジア・ネットワークは、India Business Today以外に月刊誌『Korea Business Today』『Vietnam Business Today』『Dubai Business Today』と隔月刊誌『ASEAN Business Today』『China Business Today』『Macau HongKong Business Today』といったアジア他地域に関する経済誌も出しているが、どれも先述のIndia Business Today創刊と同時期にスタートしたものである。
マーケティングを中核事業とする企業によって設立された子会社による出版事業だが、同社の姉妹誌はもちろんのこと、とりわけIndia Business Todayには、今の『元気なインド』を日本に伝えてもらうべく、今後ますますの活躍と発展を期待したい。 -
ジャーゴー・パーティー 君たちは何者か?

今年1月28日に政党登録された『目覚めよ!』なんていう団体がある。日本のメディアに取り上げられることがあれば『覚醒党』なんていう名前が付けられるのだろう。彼らの雑誌広告には、以下のような主張が示されている。
・留保制度反対
・汚職者と性犯罪者に絞首刑を
・司法判断迅速化 判決を3か月で
・英語教育の普及による完全雇用
・民営化を推進し、すべての街や村に電気を
この『ジャーゴー・パーティー』のウェブサイトにもう少し具体的に書かれているのだが、まずはトップページアクセスしてみよう。最初に表示される大きな画像に絞首刑の縄が揺れ、『汚職者と性犯罪者に死を!』なんていう文字がジワジワと出現してビックリする。やがて画像が入れ替わり『Reservationなんて列車だけで充分だ!』という文字が出てくる。
パッと見た印象では、過激な行動をする団体かと思えるかもしれないが、よく読んでみると彼らが語りかけようとしている対象は、これまでどちらかといえば政治というものに冷淡であったり、無関心であったりした層であるように思われる。だからこそ『あきらめないで、みんなで声を上げよう』『投票に行こう』『輪を広げよう』などといった簡単でわかりやすいメッセージが記されているのだろう。そもそも先に挙げた彼らの主張自体が何ら目新しいものではなく、すでにいろいろなところからこうした意見は出されている。
ただし彼らの注目すべき点は、人々の気楽な『政治参加』を促すための積極的な試みがウェブ上でなされている部分だろう。犯罪・汚職・不正などについての通報窓口が設けられており、ここに記録されている事案を閲覧できるようにもなっているのだ。
地域やコミュニティなどといった縦横のつながりや、職場あるいは労働組合などとのつながりとも関係なく、まずは個々にネット上でつながりを持ったり協力したりできるようになっていることから、都市部でミドルクラス、郊外の新興住宅地の住民、転勤族といった人々の支持はもちろんのこと、いわゆる浮動票を集める勢力となることを狙っているものと思われる。
権利意識の高揚、社会正義、行政への監視といったごくあたりまえのことをわかりやすく、そして政治参加への垣根を低くして人々の自発的な参加を促そうという、ごくまっとうな市民政党としての道を歩もうとしているように見えてくるのだが、果たして彼らは何者なのだろうか?その背景がまだよく見えてこない。ひとつにはその指導者の顔が出ていないという部分も大きい。同サイトに登録すれば、毎週ニュースレターが送られてくるとのことなので、とりあえずレジスターしておいた。
社会のありかた、人々の暮らしぶりや考え方が急速に変貌しつつあるインドの『民意』について、既存の大政党では吸収しきれない領域が増えてきたからこそ、単一の政党がマジョリティを占めることはもはやなく、幾多の政党の寄り合い所帯の連立での政権運営がなされるようになってきたのだといえる。そうした中で、こうした形で広く市民の参加を募る政治活動は、うまくいけば既存政党が無視できない一定の勢力を築く可能性もあるかもしれない。彼らによれば、今後カルナータカのヴィダーン・サバー、そして中央のローク・サバーの選挙に打って出ることが記されている。
これら直近の選挙ですぐにどうのということはないとは思うし、そもそもこのジャーゴー・パーティという試み自体がうまくいくのかどうかは不明だ。しかし既存の政党とは違う市民運動型の政党が他にも次々出てきてそれなりの勢力を確保するようになれば、旧来の政治団体の活動のありかたにも影響を及ぼすことになってくるのではないだろうか。
それにしても、ジャーゴー・パーティー、君たちは何者だ? -
亡命者と母国
チベット亡命政府こと中央チベット行政府(Central Tibetan Administration 略称CTA)は、インドのヒマーチャル・プラデーシュ州のダラムサラを本拠地とする。CTAのウェブサイトは、チベット語、英語のほかに中国語、スペイン語、ドイツ語、アラビア語、ロシア語そして日本語でも読むことができる。
国家元首であるダライラマ14世のもとに、立法機関としての亡命チベット代表者議会、行政府としての内閣、司法機関として最高司法委員会がある。また文部省、財務省、内務省、厚生省、情報・国際関係省、宗教・文化省、公安省といった『省庁』それぞれに担当大臣がいる。またチベットにとって重要ないくつかの国々には、同亡命政府の大使館に相当する海外出先機関として代表部事務所が置かれている。日本もそのなかのひとつで、東京の新宿にダライラマ法王日本代表部事務所がある。
