ダストフリーでスッキリ

近年急速に普及したデジタル一眼レフカメラ。APS-Cサイズのセンサー搭載の入門機から中級機にかけてのモデルは、高性能化と多機能化が進むとともに、価格の低廉化と操作性も同時に進行した。その結果として購入しやすく、手に入れてからも活用しやすくなってきたため、昔からのカメラ好きの人たちのみならず、初めてそれを手にする人たちにとっても親しみやすい道具になってきている。
操作性の向上といえば、たとえば現行のいくつかの機種ではライヴヴュー機能が付いて、花などのマクロ撮影をしたりするときには役立ちそうなこと、設定メニューのレイアウトなども、おそらくユーザーその他の意見を取り入れた結果であろう、よくこなれて扱いやすくなっていることなどは言うまでもない。
だがそれ以上に、センサーの前に貼り付いているローパスフィルターにゴミが付着することを防止したり、すでに付着したものを振るい落としたりする機能が普及してきていることを挙げる向きもあるだろう。最近発売された機種には、たいていこの機能が搭載されている。
かといってこれによりゴミの付着をすべて防ぐことができるわけではなく、一度しっかりと付着してしまったものは、特に清掃しないかぎりずっとこびりついたままなので、次から次へとゴミが付着していくことになる。これはデジタル一眼レフの構造上の欠陥とは言わないまでも、今の仕組みである以上は宿命的な問題である。
従前は洗浄用液剤と綿棒やハケなどで清掃するやりかたくらいしか知られていなかった。カメラメーカーのサービスセンターで行なわれているやりかたで、一番効果的で確実な方法である。しかしかなり手間ではあること、それなりの熟練も必要そうで、二の足を踏んでいた人も少なくないだろう。デジタル一眼レフのユーザーが増えるとともに、手軽な清掃用具に対する需要も高まってきた。
そこで、今では手軽な掃除キットもいろいろ出てきている。パッションという会社から静電気を用いてゴミを吸い取る道具、DD Proの出現は画期的であった。手軽に扱えて良さそうだが、けっこう大ぶりなので荷物にはなる。
近ごろ特に人気を集めているのは『ペタペタした感触のシリコン樹脂のヘッドで清掃する用具。湿式と乾式の中間といった感じで、シリコン(材質確認)を用いた粘着性のヘッドでペタンペタンとゴミを取る用具だ。ペンタックスの『イメージセンサークリーニングキット O-ICK1』とエツミの『ローパスフィルター クリーニングW』とどちらも似たような用具だが、これらはごく小さく扱いも簡単でしかも安価。旅行先に携帯するには最適だ。最近は、あまりゴミを気にせずにレンズをどんどん交換しながら撮ることができる環境になってきていてありがたい。
これでどうしてもキレイにならなければ、自宅で湿式による掃除にじっくり取り組むか、サービスセンターに持ち込む(これが自宅近くにない場合は大変だが)ことにはなるものの、たいていはこうした道具でチリやホコリを除去できることだろう。それでもローパスフィルターに付着するゴミとの戦いはまだまだ続く。とくに埃っぽい環境下ではなおさらのことだ。近い将来、もっと根本的なゴミ・埃対策が出てくればいいのだが。インドの往来の埃っぽささえモノともしない強力なアンチ・ダスト機構は可能だろうか??

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