
今年1月28日に政党登録された『目覚めよ!』なんていう団体がある。日本のメディアに取り上げられることがあれば『覚醒党』なんていう名前が付けられるのだろう。彼らの雑誌広告には、以下のような主張が示されている。
・留保制度反対
・汚職者と性犯罪者に絞首刑を
・司法判断迅速化 判決を3か月で
・英語教育の普及による完全雇用
・民営化を推進し、すべての街や村に電気を
この『ジャーゴー・パーティー』のウェブサイトにもう少し具体的に書かれているのだが、まずはトップページアクセスしてみよう。最初に表示される大きな画像に絞首刑の縄が揺れ、『汚職者と性犯罪者に死を!』なんていう文字がジワジワと出現してビックリする。やがて画像が入れ替わり『Reservationなんて列車だけで充分だ!』という文字が出てくる。
パッと見た印象では、過激な行動をする団体かと思えるかもしれないが、よく読んでみると彼らが語りかけようとしている対象は、これまでどちらかといえば政治というものに冷淡であったり、無関心であったりした層であるように思われる。だからこそ『あきらめないで、みんなで声を上げよう』『投票に行こう』『輪を広げよう』などといった簡単でわかりやすいメッセージが記されているのだろう。そもそも先に挙げた彼らの主張自体が何ら目新しいものではなく、すでにいろいろなところからこうした意見は出されている。
ただし彼らの注目すべき点は、人々の気楽な『政治参加』を促すための積極的な試みがウェブ上でなされている部分だろう。犯罪・汚職・不正などについての通報窓口が設けられており、ここに記録されている事案を閲覧できるようにもなっているのだ。
地域やコミュニティなどといった縦横のつながりや、職場あるいは労働組合などとのつながりとも関係なく、まずは個々にネット上でつながりを持ったり協力したりできるようになっていることから、都市部でミドルクラス、郊外の新興住宅地の住民、転勤族といった人々の支持はもちろんのこと、いわゆる浮動票を集める勢力となることを狙っているものと思われる。
権利意識の高揚、社会正義、行政への監視といったごくあたりまえのことをわかりやすく、そして政治参加への垣根を低くして人々の自発的な参加を促そうという、ごくまっとうな市民政党としての道を歩もうとしているように見えてくるのだが、果たして彼らは何者なのだろうか?その背景がまだよく見えてこない。ひとつにはその指導者の顔が出ていないという部分も大きい。同サイトに登録すれば、毎週ニュースレターが送られてくるとのことなので、とりあえずレジスターしておいた。
社会のありかた、人々の暮らしぶりや考え方が急速に変貌しつつあるインドの『民意』について、既存の大政党では吸収しきれない領域が増えてきたからこそ、単一の政党がマジョリティを占めることはもはやなく、幾多の政党の寄り合い所帯の連立での政権運営がなされるようになってきたのだといえる。そうした中で、こうした形で広く市民の参加を募る政治活動は、うまくいけば既存政党が無視できない一定の勢力を築く可能性もあるかもしれない。彼らによれば、今後カルナータカのヴィダーン・サバー、そして中央のローク・サバーの選挙に打って出ることが記されている。
これら直近の選挙ですぐにどうのということはないとは思うし、そもそもこのジャーゴー・パーティという試み自体がうまくいくのかどうかは不明だ。しかし既存の政党とは違う市民運動型の政党が他にも次々出てきてそれなりの勢力を確保するようになれば、旧来の政治団体の活動のありかたにも影響を及ぼすことになってくるのではないだろうか。
それにしても、ジャーゴー・パーティー、君たちは何者だ?