ただいまメンテナンス中です…

カテゴリー: column

  • ダライ・ラマ14世訪日 3

    チベットやウイグルをはじめとする、中国国内の少数民族問題はともかく、総人口の92%を占める漢民族にしてみたところで、マイノリティのそれとは次元が違うものの、思想的に『抑圧されている』ことは同様だ。
    たとえば天安門事件の例などその典型だ。もう20年も前、1989年6月に起きた騒乱だが、政府に対して声高に異議を唱えた市民たちの運動は、権力による巨大な暴力により叩き潰された。通信手段が発達した現在、当時と同じような手法で人々に弾圧を加えることはできないかといえば、そうでもないことは、昨年の春先のチベット自治区、今年の新疆ウイグル自治区での出来事を見ても明らかだ。
    幸い、経済成長著しい中国で、人々はより豊かな暮らしを求めて邁進しており、日々稼ぐことに忙しい。どこの国にあっても、人々の最大の関心ごとは自分たち自身のことだ。それは進学であったり、就職・起業であったり、月々の稼ぎのことであったりするだろう。結婚して子供をもうければ、息子や娘の教育のことであったりもするだろう。
    これもひとえに経済という、世の中の歯車がきちんと回転し、安定した収入で自らの生活を充足することができ、さらに欲を言えば昨日よりも今日、今年よりも来年がさらにその質を高めていくことができるであろうという、明るい展望があればうれしいものだ。
    そうした成長の路線に自分たち自身も加わっているという手ごたえがさえあれば、多少の問題は転がっていても、政府の手腕を評価こそしても、反旗を翻したり、あわよくば転覆を企図しようなどということはないだろう。
    天安門事件からすでに20年経過した。1989年に生まれた赤ん坊が、今年20歳の誕生日を迎える。長い年月である。事件の前後あたりに生まれた子供、当時幼子であった世代が、すでに両親の元を巣立ち、国内での進学・就職、あるいは国外に留学したり、仕事を得るために出国したりするようになった。
    こうした人々の多くは、いやほとんどは、天安門事件についてほとんど何も知らされていない。せいぜい『北京で何か大きな騒ぎがあったとは聞いている』といった程度だ。もちろん学校でそんなことを教えるはずもないが。家庭でも親たちの世代は『あんなことに関心持つとろくなことがない』と身をもって体感しているがために、敢えて自分の子供にそんなことを話したりすることがほとんどないのも無理はない。
    子供たちが、変に政治に関心を持って、せっかくの将来をフイにしてしまうようなことになって欲しくない。ちゃんと勉強に専念して、卒業してからしっかり働けば、それなりにいい暮らしができるようになるのだから・・・。そう期待できる、あるいは確信できる社会がある。いい時代になった、に違いない。
    だが敢えて自分たちの社会の抱える矛盾に人々の関心が及ぶのをことさら避ける体制、そうした事柄に関心を抱かない市民たちが、自分たちの暮らす街や地方から遠く離れた西の果てで何が起きているのか、とりたてて興味を持つこともない。ただ昔々、人民解放軍の手によって、チベットは、チベット人たちは『解放された』のだと信じている。事の本質はここにあると私は思う。
    ダライ・ラマが各国への外遊を続けても、亡命政府が国際社会に対して支持を訴え続けても、その声は中国に暮らす13億の人々の耳には届かない。報道の自由はなく、私たちの感覚で言うところの『世論』が存在しない国である。
    かくして時間の経過とともに、チベット本土が中国の不可分の領土の一部であることの既成事実化がさらに進む。チベット本土と亡命社会との絆も薄れるとともに、チベットへの漢族の入植が進む。やがて『西蔵自治区』人口のマジョリティを占めるのは外来の人々となる。時代が下るとともに、多数派の彼らこそがこの地域の主人公、彼らの文化こそがチベットの文化ということになりかねない。
    もはや押しも押されもせぬ21世紀の大国。右肩上がりの経済力と群を抜く軍事力を背景に、近年ますます発言力を増す磐石の体制の中国を前に、亡命チベット人たちの声は消え入らんばかりに弱々しいことが不憫でならない。

  • ラージダーニー急行 マオイストが占拠

    20091027-apharan.jpg
    今月21日にマトゥラーで起きた列車同士の衝突事故、同じく23日にはムンバイー郊外のターネーで、走行中の列車に送水管が落下したことによる事故と、鉄道関係の惨事がニュース映像となって流れたばかりである。
    今日は、夕方テレビのニュースを眺めていると、『Breaking News』のテロップとともに、今度はマオイストと見られる一団により、ブバーネシュワル発デリー行きのラージダーニー急行が長時間停められているという速報が流れてきた。
    場所は西ベンガル州のミドナプル地区。ジャールカンド州境に近いところである。複数の男たち、一説には100名ほどの群集が、赤い旗を手にして列車を停止させ、乗客の人々を人質にしているとの報せに仰天した。
    その時点では、彼らが本当にマオイストであるかどうかの確認は取れていないようで、この地域のマオイストのリーダーは関与を否定しているという説も流れていた。それでも犯行グループは、現在収監されているマオイスト指導者、チャトラダール・マハトーの釈放を要求しているとのことで、やはりマオイストのある派閥に属する者たちによる実力行使であると見られるとのことだ。
    これを書いている今時点で、事件発生から5時間経過した。すでに車両は警察当局のコントロール下に置かれている。犯人グループたちにより、携帯電話を取り上げられた者は複数あったようだが、幸いにして負傷者等は発生していない模様。テレビカメラに映し出されたラージダーニー急行の車体には、前述のチャトラダール・マハトーの解放を要求するメッセージが赤い文字で大書きされている。
    Maoists stop Bhubaneswar Rajdhani Exp, driver missing (ZEE NEWS)
    Rajdhani blockade over, ‘pro-Naxal’ group takes claim (India Today)
    マオイスト、あるいはインドの武闘派極左勢力発祥の地である西ベンガル北部のナクサルバリにちなんで、ナクサルあるいはナクサライトと呼ばれる赤い地下組織は、西ベンガル以外でも、チャッティースガル、オリッサ、ジャールカンド、ビハール、アーンドラ・プラデーシュ、マハーラーシュトラなどで盛んに活動しており、事実上の『解放区』となっている地域さえある。
    部族や寒村の貧困層といった、開発や近年の経済成長の恩恵とは縁遠い人々を主な基盤としており、そうした地域のアクセスの悪さや行政組織の不備等が、彼らの活動を利している部分もある。
    そうした発展から取り残された地域の警察組織の脆弱さ、個々の警察官たちが治安要員としての資質や経験に乏しく、実戦の中で切磋琢磨してきたマオイストの戦闘員たちとまともに対峙することができないという行政側の当事者能力の欠如も指摘されているところだ。
    近年、とみにマオイストたちの活動の拡大が顕著であることから、国内の治安に対する大きな脅威であるとして、中央政府が対決姿勢を鮮明にしているところだ。しかし中央の政治家たちがいくら声を荒げてみたところで、都市部を離れて人口が希薄、ひいては警備もほとんど存在しない公道や鉄路の上で散発する事件に対して、当局はあまりに無力であるように見える。
    マオイスト、ナクサルと一口でいっても、その中には様々な志向の集団が内在していることだろうが、ネパールで内戦を続けた末に、合法的な政党と化し、一度は政権を担うまで至り、今も同国政治の行方を担う一大勢力である『マオイスト』が、彼ら自身の頭の片隅にはあるだろう。
    果たして中央ならびに各州の政府が、地域社会と力を合わせてこうした暴力組織を駆逐する方向に進むことができるのか、あるいは今後ますます犠牲者を出すとともに自らの勢力を拡大していくのか、気がかりなところである。

  • ダライ・ラマ14世訪日 2

    残念なことではあるが、おそらくチベットはこのままの状態でさらに時代は下り、やがてダライ・ラマがこの世を去るときがやってくる。後継者問題、誰がチベット亡命社会を率いることになるかという問題が生じる。
    亡命市民たちも同様だ。在外チベット人社会、とりわけその大半が集中するインドにおいても、世代交代が進んでいく。やがて亡命者社会の中核を担う人々のほとんどが『祖国チベットでの生活』『逃避行と亡命先での定着過程』を体験していない世代となるどころか、亡命第一世代もごくごく稀な存在となる日がくる。
    日本で鮮明な戦争体験を持つ世代、従軍した経験を持つ世代が次々に鬼籍に入るようになっている。年を追うごとに、戦争を自らの体験として記憶する世代が姿を消している。すると、反戦・平和思想がかけがえのないものである、憲法第九条は、不戦の誓いとして私たちが世界に誇るべきものであるといった『常識』に異を唱える声とともに、先の戦争を再評価しようという動きが次第に広がりつつある。
    チベットにおいては祖国、日本においては太平洋戦争と、前者においては祖国、後者においては戦争に対する、どちらも実体験を持たず、見聞による知識のみの人々が、それらのテーマについて、今後どういう扱いをしていくのだろうか。おそらくこれらを実際に体験した世代とはずいぶん異なる考え方をするのではないかと思われる。
    もちろん時代が下ってからも、チベットからインド方面への亡命者の流れは細々と続いているとはいえ、数十年に渡って定住しているコミュニティのイニシャチブを新参者の少数派が握るということは、よほどのことがない限りあり得ないことだろう。
    かくして刻々と年月は経過していき、中国・台湾がそうであるように、韓国・北朝鮮もまたそうであるように、もともと同国人のはずであっても異なる体制下に暮らすことが長年固定化されると、お互いに『同胞・・・でも限りなく外国人』という存在になってくる。
    仮に、中国政府が奇跡的に態度の軟化を見せて、ダライ・ラマが中国に対して求め続けている『高度な自治』が実現されたとしても、これまで経過して長い長い時間という大きなハードルは越えがたいものがある。
    このままの状態のまま、あと一世代分くらいの時が経てば、在インドのチベット亡命社会は、事実上『例外的に無国籍のインドの少数民族』となってしまうのではないだろうか。いつかは祖国に帰還することを望んでいても、緊急避難的にテント生活でもしているのならともかく、すでに長年に渡って居住国に確固たる生活の基盤を築き、複数世代定着してきた後に、地縁・血縁も希薄になった父祖の故郷に戻ってうまくいくとは思えない。
    仮に思い切って『帰国』してみたところで、これまで生活してきた場所とはまったく勝手の違う環境で苦労するだろうし、『文化の違い』から地元の人々との摩擦も必ず起きるだろう。
    いつか確実に、亡命社会のありかたそのものを考え直すべきときが確実にやってくるはずだ。それはコミュニティ全体のことでもあり、それを構成する個々人の問題でもあるのだが、同時に難民として彼らを受け入れているインドもまた、彼らの立場について真摯に再考しなければならないことになるだろう。
    チベットの立場に関して、ひとつの大きな困難な障害は、広大な国土と膨大な人口を抱える占領国、中国国内に声が届かないことだ。そもそも言論の自由のない国なので、私たちの考えるような世論は存在しえない。報道の自由もなく、厳しい検閲と言論統制がまかりとおっていることだ。
    中国の人々に、チベット問題について認識を深めてもらい、中国内の世論の動きによって、この問題が解決・・・とまではいかなくとも、自らが改善の方向へと動き出すことがあれば良いのだが、残念なことにそういうシステムにはなっていない。

  • ダライ・ラマ14世訪日 1

    来週、ダライ・ラマ14世の来日が予定されている。1990年代おわりから、ほぼ毎年日本に来るようになっているが、今回もまた各地で法話・講演が行なわれる。
    現在来日中の世界ウイグル会議議長のラビヤ・カーディル氏がダライ・ラマとの会談を希望しているとされる。
    日本政府に対する中国側の圧力もあり、ダライ・ラマ14世の訪日は政治目的ではないことになっているものの、チベットとウイグルという長年北京が手を焼いてきた『反体制派の巨頭』が顔を合わせるかもしれないことから、中国はかなり神経を尖らせていることだろう。
    北京の横槍に屈して日本政府がこうした動きに対して干渉したり、あるいは先のオリンピックの聖火リレーのときのように、在日中国大使館が動員した人々が示威活動のようなことを行なったり、モメごとを起こしたりといったことがないよう望みたい。
    ところで、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のサイトを眺めていると、チベット亡命政府によるインターネットTVを視聴できるようになっていることに気がついた。
    おなじく亡命政府により、中国語で書かれたチベット問題啓蒙サイトもあるが、前者と合わせて中国国内からは、まずアクセスできないことだろう。
    1989年にダライ・ラマ14世がノーベル平和賞を受賞してから、それまで比較的静かだった彼の居住地にしてチベット亡命政府が置かれているダラムサラが、それ以前と比べて飛躍的に世界の耳目を集めるようになり、世界中から訪れるメディアや人々の数がケタ違いに増えた。
    同時に、インターネットの普及により、ダラムサラその他のチベット亡命社会から、広く世界に発信できるようになったことで、チベット問題に少しでも関心のある人に対して、たとえどこに住んでいる人であろうとアピールできるようにもなっている。
    各国の人々の間で、チベットに関する知識が広がり、問題に関する認識も深まることは、国際社会から中国当局への外圧につながっていることは疑いの余地はないだろう。しかしながら中国には、それを跳ね返す政治力と国際社会における強い発言力がある。
    そのためダライ・ラマのノーベル平和賞受賞時にまで遡っても、当時に比べて現在のチベット情勢が改善されたという認識はどこにもないだろう。時代が下るとともに、物質的には豊かになり、生活水準は向上しているとしても、チベットの置かれた立場、チベット人たちに対する処遇は変わることがない。

  • ペンタックスK-xでティランガー(三色旗)風カメラを

    もともとカメラといえば、精密かつ質実剛健な印象を与える黒色あるいは銀色が当たり前であった。それが近ごろでは、黒あるいはシルバー以外の色をしたカメラが増えてきた。それはオリンパスのE-P1白ボディであったり、パナソニックのGF1の白や赤のモデルであったりするが、これまでになかったカラフルなものが出てきている。
    コンパクトカメラ市場が飽和状態となり、カメラ販売の主戦場が一眼レフへとシフトするとともに、プロカメラマンを含めた仕事で写真を撮る人、写真を趣味とするアマチュアの愛好家以外で、これまでターゲットになっていなかった若い女性やファミリー・ユースといった層も巻き込んでの商戦となっている。
    そのため低価格化を進めるとともに、『デカいカメラ』『扱いが面倒』といった先入観を取り除き、より親しみやすいものとしたエントリーモデルが次々登場している昨今だ。
    結果として、街中でデジタル一眼レフを手にする人の姿がずいぶん増えた。これまでこの手のカメラを首からかけて歩くことのなかったタイプの人々が、あちこちでシャッターを切っている。
    『今まで使っていたデジカメとは写りがずいぶん違うなあ』『携帯電話の写真とは比べものにならないね』などと感じつつ、撮るということが実の楽しいものであることに少しずつ気がついているのではないだろうか。趣味の写真に対する垣根がかなり低いものとなってきたことは間違いない。
    ただしカメラそのものに対する親しみやすさといった部分では、単に小型軽量であるとか、扱いやすいとかのみではなく、持ち歩くアイテムとしてお洒落で常時携行したくなるような外見、他の人があまり持っていないデザインという希少性などが求められることになるのだろう。その現れのひとつが、冒頭のカラフルなボディということになる。
    キヤノン、ニコンという二大巨頭のマーケットと重なるやりかたをしていては勝ち目がないと、その部分に着目しているのがマイクロフォーサーズ機を販売するオリンパスでありとパナソニックだ。今年夏に相次いで発売された前者のE-P1、後者のGF1などはその典型といえる。特に女性層を取り込もうと狙っているのは、ウェブサイトやパンフレット等の広報マテリアルから見て取れるとおりだ。
    特に一眼レフの分野では、他社製品で既存のレンズ資産を持つ人を新規に囲い込むのはとても困難だ。マイクロフォーサーズ規格を共有しているオリンパスとパナソニックを除き、基本的にどこのカメラのボディも他メーカーのレンズとの互換性はない。
    そのため手持ちのカメラとは異なるメーカーのボディを購入するということは、それに加えて今後必要とするすべてのレンズ群をまるごと買い取ることをも意味する。それがゆえに、他社の既存ユーザーを引き寄せるのは至難の業であり、これまで一眼レフユーザーではなかった層からの需要を掘り起こすという路線を目指すしかない。
    だがここにきて、今月16日に発売されたペンタックスのK-xの圧倒的なカラーバリエーションには脱帽である。店頭販売されるモデルは、ボディの色が白・赤・黒の3通り用意されているが、カタログあるいはウェブサイト上で、ボディが20色、グリップは5色準備されている。つまり100通りパターンの中から好みの組み合わせを選択して注文することができるのだ。ストラップも白・赤・黒と3色ある。
    ボディとグリップの配色は以下のとおり、ストラップは白を選んで、インド国旗を思わせる『ティランガー仕様』にしてみてはどうだろう。
    おぉ、これはカッコいい!!
    ストラップが白ならば、ティランガーなカメラ完成!
    もともとペンタックスのデジタル一眼は、他社製品にくらべてボディ、レンズともにコンパクトに出来ている。他社、たとえばキヤノン、ニコンの両社の類似した機能のモデルと比較しても、かなり小ぶりに仕上がっているようだ。
    K-xもAPS-Cサイズのセンサー搭載で有効1000万画素以上のデジタル一眼レフカメラの現行モデルの中では世界最小であることを謳っている。
    近ごろはエントリー機であっても相当高性能だ。もはやどのクラスでも標準装備となったダスト対策機能、最大4段分の効果があるとされる手ブレ補正機能がボディ内に組み込まれている。またこのクラスで1/6000秒の高速シャッター、連続撮影4.7コマ/秒というスペックになっており、スポーツ等の撮影にも充分対応できる。感度もISO6400相当まで上げることができるのは室内で舞踊等を撮影する際に重宝しそうだ。
    もとよりサイクルの早いデジタルの世界だ。1年経つか経たないうちに次モデルが出てくると、上のクラスの機種のひとつ前の世代同等の性能が備わることは珍しくない。それに比べると、光学性能が主体のレンズのほうは、飛躍的な進化はあり得ない。
    本人の感性と表現力が同程度ならば、作品に差がつくのはレンズの良し悪しだ。もし機材にお金をかけるならば、ボディよりもレンズのほうに投資すべきだと私は考えている。
    このところライブビュー撮影対応、加えてHD動画撮影機能搭載のデジタル一眼が増えているが、このK-xもその両方の機能を搭載している。
    加えてバッテリーは市販の単3型電池が利用できることは、とかく電池の消耗が早く、多くの場合、メーカーごとの独自のものしか利用できないデジタルカメラの中では特筆すべき利点だ。出先や旅行先でバッテリー切れや紛失等の際に、カメラが無用の長物と成り果てることはないだろう。
    用意されているデジタルフィルター機能の中で、あまり使うことはないかもしれないが、トイカメラ風の効果、ミニチュア風の効果を与えて撮影できるのも面白い。
    ペンタックスはレンズ群のバリエーション数はキヤノン、ニコンに匹敵するものの、APS-Cセンサーのカメラ使用で、35mm換算で広角域に相当するレンズがあまりないのは少々気になるものの、シグマ、タムロンといったレンズメーカーからペンタックスマウントのレンズがいくつも出ているので、あまり気にしなくてもいいはず。
    価格はどんなものかといえば、参考までに本日、2009年10月17日現在、kakaku.comに出ている最安値は、ボディと18-55mmレンズのセットで62,690円。通常の量販店でも多くの場合7万円を切っていることと思う。もちろん好きなカラーの組み合わせでオーダーすると費用がもっとかかるが、ひところよりもずいぶん求めやすい価格になったものだ。
    私は普段キヤノンおよびパナソニックの一眼を使っており、他社のカメラを購入するとマウントの異なるレンズをいくつも買い揃えなくてはならない。もとよりそんなお金はないので、間違ってもK-xに手を出すことはないだろう。コンパクトさやカラーバリエーションの豊富さといったオリジナリティ等を客観的な視点から眺めて、また個人的にはティランガー仕様(?)が可能なこともあり、『インドでどうだろう、この一台?』として挙げてみることにする。

  • 一糸まとわぬ姿のセキュリティ・チェック

    『搭乗の際には短パンとTシャツだけ着用ということになるんじゃないのか?』
    知人とのそんな会話をふと思い出した。
    2001年9月の同時多発テロ以降、どこの空港もセキュリティ・チェックが非常に厳格になった。その後も靴の中に隠した爆発物による爆破テロ未遂その他が続いたこともあり、液体物の持ち込みは100ミリリットル以内の容器複数個が、容量1リットル以内のジッパー式のビニール袋の中に納まる範囲のみ可能となった。
    フライトによっては、空港の免税店で購入した酒類も持ち込むことができなかったり、目的地に着くまで乗り換えがある場合、そこから先の便へと持参することができなかったり。
    私が利用したわけではないが、手荷物一切が禁止となり、透明なビニールの中に旅券や図書類のみ放り込んで搭乗するフライトもあった。当時、メディアでも大きく取り上げられていたので記憶している方も多いだろう。
    安全第一とはいえ、セキュリティ関係のこうした事柄があまりに厳しくなってくると、乗客自身困ることだってある。
    さりとて身の安全のための代償なので、粛々と従うしかないが、こんな世情を憂うしかないのか、それともほかに何か良い手立てはないのか?と思ったりもする。もちろん面倒に思うのは乗客だけではなく、空港当局関係者をはじめとするセキュリティ担当者たちも同様だろう。これにかかる手間ヒマ、人件費だって相当なものであるはず。
    そうした中、『確実に安全というならば、手ぶらで裸で搭乗させるしかないんじゃないのか?』などと話しているうち、『まあ、最低限の服装ってとこなのかな。下着姿でというわけにもいかないだろうし』ということで、冒頭の話になったわけである。
    ところが世の中はそんな冗談みたいな方向に進みつつあるようだ。イギリスのマンチェスター空港で、X線を使った装置で乗客を裸体に透視してチェックするというシステムがテスト運用されているとのことだ。
    ‘Naked’ scanner in airport trial 1 (BBC NEWS South Asia)
    ‘Naked’ scanner in airport trial 2 (BBC NEWS South Asia)
    『ついに行き着くところまで来たのか・・・』という思いはするが、安全面という点のみにおいては、なかなかいいアイデアではないかとは思う。ただし倫理的にこうしたことが許されるのかという部分で、大きな疑問符が付く。文化的、宗教的に受容できないとする人も少なくないだろう。
    加えて、当然のことながら、こうした映像がどこかに流出しないのかということを危惧する人も少なくないだろう。厳重に管理されているはずの重要な個人データが漏れるということは、どこの国でも決してあり得ないことではない。
    もちろんこれが各地の空港で本格的に導入されたとしても、テロリストたちにとってはまだまだ攻撃を仕掛けるチャンスはいくらでも転がっているようだ。搭乗する飛行機に危険物が持ち込まれることはなくなっても、セキュリティ・チェックの場所までは誰に咎められることもなく、危険物とされるものを手荷物に隠して運ぼうと思えば容易にできてしまうような空港は少なくない。
    航空機内でのテロが困難になったぶん、空港機能を停止させてやろうと、そうしたエリアが爆破テロという凶行の標的となることはないのだろうか。もちろん、こんなことを疑えばキリがないのではあるが。

  • 遺伝子組み換え食用作物 インドで大量消費の日は近い?

    従来の商業作物に対して、遺伝子操作を施すことにより、病虫害や除草剤への耐性、貯蔵性の向上、栄養価の増大、含まれる有害物質の減少等といった形質を与えた遺伝子組み換え作物と呼ばれる。
    また医療方面での効果を上げることも期待されており、例えばスギ花粉症のアレルゲンのエピトープを含む米を意図的に造り出し、これを食用とすれば経口免疫寛容により、花粉症の時期の症状を軽減できるであろうというものだ。
    将来的には、これまで栽培が難しかった環境での育成を容易にしたり、収穫量を拡大させたりといった効果も期待されている。
    しかしながら、こうした作物を食用とすることにより身体に及ぼす作用はないのか、遺伝子組み換え作物が在来種と交雑することによる環境への影響など、その安全性についてはいろいろ議論されているが、今のところまだ結論は出ておらず、中・長期的な観察も不可欠だ。
    こうした技術や作物についての評価は様々だが、グローバルな観点からは、バイオ燃料需要の増大、従来の農業国の工業化等、産業構造の変化による就農人口の減少、新興国を中心とした食料の需要増等に対応するため、農業における一層の効率化は避けられない。
    また日本のように、現状では食糧自給率が極端に低く、耕作地が限られている国においては、食品としての安全性、環境への影響といった部分への不安が払拭できれば、能率的で、収益率も高く安定したな新しい農業のモデルを創造できるきっかけとなるのかもしれない。今後私たちと遺伝子組み換え作物との関わりは、より深くなっていくものと考えられる。
    もちろんネガティヴな側面もある。遺伝子操作という新しい技術が生み出す作物について、まだ知られていない重大な欠陥や問題点が出てくることもあるかもしれないし、グローバル企業が進めるアグリ・ビジネスによるモノカルチャー化(単一品種の栽培)がこれまで以上に進展するのではないかということも容易に想像できる。
    アグリ・ビジネスの中でも、とりわけバイオテクノロジー・ビジネスの分野をほぼ独占しているアメリカの私企業に、私たちの食卓の大部分を委ねるという事態になってしまうとすれば、大きな不安を抱くのは私だけではないだろう。
    インドでは、2002年に綿花栽培において、遺伝子組み換え種の導入を認可した。その背景には、綿花栽培農家の苦境があった。綿の作付け面積は世界最大だが、収穫量では世界3位に甘んじている現状を踏まえたうえで、収穫量を6割向上させることができると主張するアメリカのモンサント社による熱心な売り込みが、当初はこの新技術に懐疑的であったインド政府に門戸を開かせることになった。
    それから7年ほど経った今、ついに食品の分野でも遺伝子組み換え作物が認可されるに至った。先述のアメリカのモンサント社とともに、インドのアグリビジネス企業Mahycoがかかわっている。
    Biotech regulator approves commercial release of Bt brinjal (Hindustan Times)
    भारत उगाएगा बीटी बैंगन (BBC Hindi)
    こうした動きには、国内事情からくる要因が多分に作用しているものと思われる。総人口の6割以上が29歳以下の若年層、25歳以下で区切れば総人口の半数を占める。
    一般的には、若年層が多いほど、労働力が豊富であり、個々の家計支出も例えば結婚、家財道具の準備、出産、子供の養育・教育費、住居の購入・新築といった大型のものが続くため、内需拡大に結びつきやすく、経済発展に貢献する度合いが高いとされる。
    だが必ずしもこれが有利に働くとは限らず、高い人口増加率が経済の足を引っ張ってしまうというところにインドのジレンマがある。とりわけ出生率の高い社会層において、低所得、失業、貧困、教育等々の問題が深刻なのだ。
    総人口の7割が農村に暮らし、しかもその大半が5,000人以下の村に住んでいるとされる。インドの農業は、灌漑が普及に成功した地域を除き、天候頼みの部分が大きいことから、特にモンスーンが不順な年には大きな影響を受けやすい。そうした折には農村人口が大挙して非熟練労働者予備軍として都市部に流出する。
    今をときめくBRICsの一角を占めるインドだが、同時に世界最大の貧困層を抱える国でもある。農村部で人々に安定した収入をもたらすことが、世界第二の人口大国の食糧問題、労働問題等、諸々の難問を解決するための大きなカギとなることは言うまでもない。
    また経済全体の半分を外需が支える中国とは対照的に、インド経済を引っ張るのは旺盛な内需。総体の三分の二が国内需要によるものだ。
    よって都市部の需要に対する周辺部という位置づけであった圧倒的な人口を抱える農村部が富むことにより、国総体としてのの経済規模が飛躍的に拡大することが期待される。
    そうした社会的な要因を背景に、遺伝子組み換え作物については、今後トマト、オクラ、米の解禁も近いとされており、インドの食卓への浸透は進むだろう。
    数年後、あなたがそうとは知らずにバーザールで手に取っているその野菜も、何気なく口にしている料理の中身も、実は遺伝子操作による産物かもしれない。
    ただし、遺伝子組み換え作物というものが、果たして本当に食用に適しているのか、環境に対する影響はないのか、近い将来遺伝子組み換え技術の欠陥や弊害が浮上することにならないのか、その技術が特定の国の私企業にほぼ独占されていることでどんな問題が生じてくるのか、大いに気になるところでもある。

  • 奇襲!

    これはテロというよりも、まぎれもない戦争である・・・と私は思う。先週土曜日にパーキスターンのイスラマーバード郊外にある同国陸軍本部を武装集団が襲撃し、人質を取って立てこもった事件である。
    Brazen attack hits Pakistan army HQ (DAWN.COM)
    Skilled commandos rescue hostages (DAWN.COM)
    反政府勢力のタリバーンが犯行声明を出しており、軍の側の警備の不手際も指摘されているが、テロリストたちによる軍中枢を狙った奇襲作戦の『華々しい戦果』の裏には、天地驚愕させるような大仕掛けや綿密に練り上げた陰謀があったのではなかろうか。今後次第に明らかにされるであろう、この事件の背景に関わる様々な情報に注目していきたい。
    大規模なテロ事件の続発、著名政治家の暗殺、タリバーン勢力によるスワート地方の実効支配と政府軍による奪還等々に加えて、中央政府の不安定な政権運営など、気がかりなことばかりが常態化しているパーキスターンの政情だが、近年の出来事の中でも最大級の衝撃的な事件である。
    いまや印パ関係以上に、パーキスターンという国自体の行方を案じずにはいられない。隣邦がどういう国になっていくのか、インドにとって外交上の問題のみならず、自国内においても相当な影響を及ぼしていくことは必至である。

  • ロンリープラネットのガイドブック電子版

    20091012-cityguides.jpg
    実用的なガイドブックとして評判の高いロンリープラネットのガイドブックが電子版の刊行に意欲的に取り組んでいる。
    iPhone City Guides
    持ち歩いたり、出先でパッと参照するためのものなので、ノートパソコンやキンドルで閲覧するわけではなく、iPhone / iPod touchにインストールするアプリケーションとなっている。
    サンフランシスコのガイドが無料配布されていた時期に試してみたのだが、少なくとも現時点おいて、正直なところ操作感はあまりよくない。こういうデバイス向けにヴィジュアルな構成になっており、テキストで一杯の書籍版とはかなり違った印象を受けたが、それでも画面のサイズからしてちょっと読みづらいのである。
    またiPhone利用の場合に限っては、インターネット経由でGPSと連動するなど、インタラクティヴな機能を利用できる。もちろん居住国外で、海外ローミングで使用すると膨大な通信費がかかってしまうため、まずはSIMロックのかかっていないiPhoneを購入し、現地のキャリアを利用するようにしなくてはならない。
    もちろんiPod touchを使用の場合は、こうした心配とは無縁であるが、iPhone同様にバッテリーの持ちは良くないため、市販の充電用リチウム電池を予備に持つなどの対策は必要かもしれない。
    今のところ、発売されているのは、ロンドン、パリ、ニューヨーク、香港他の都市ガイド、アラビア語、韓国語、ドイツ語、トルコ語などのフレーズブックのみである。今のところ、インドの都市ガイド、エリアガイドは
    すでに訪問国のガイドブックは購入している人も、特に関心のある都市の詳細なガイドブックが、普段持ち歩いているiPhone / iPod touchにインストールできるとなれば、荷物が増えるわけではないので、『それじゃこれも!』と気軽に購入してくれるかもしれない。なかなか良いアイデアかもしれない。観光旅行以外でも、仕事で出張に向かう人の需要もあるのではないだろうか。
    こうしたiPhone / iPod touch版ガイドブックの中には、東京、京都の都市ガイドも含まれている。ガイジンの視点で日本の都市歩きをしてみるのも一興かもしれない。
    シリーズ内のガイドブックごとに著者は違うものの、どれも中立的な記述で偏りや私見といったものはほとんど見られず、非常にフェアな印象を受ける。広告類を一切取らないこともそうした紙面に寄与しているものと思われるが、何よりトラベル・ジャーナリズムに徹するプロフェッショナルな姿勢には好感を覚える。残念ながら、日本において、少なくともシリーズもののガイドブックで、こうした類のものはまだ出てきていない。
    iPhone / iPod touch版について、現時点では国ごとのガイドブックは出ておらず、今後もそうした予定があるのかどうかはわからない。だが、むしろこちらのほうの電子版が出てこないものか?と私は期待したい。各地の名所旧跡の紹介といった部分については、これよりも優れたガイドブックはいくつもあるのだが、収録されているプラクティカルな旅行情報の面では、質・量ともに群を抜いていることは誰も異論はないだろう。
    だが、それがゆえに版を重ねるたびに重厚長大化するのが悩ましいところだ。シリーズ内で、とりわけよく出来ているタイトルは、出先で日中持ち歩くのを躊躇するほど肥大化ぶりだ。つい先月、同社の『India』の新版が出ているのだが、これは1244ページに及ぶ『大物』だ。
    これをiPhone / iPod touchに放り込んで移動することができれば、どんなに助かることか。
    現状では、スクリーンのサイズに由来する見づらさ、使い勝手の悪さは如何ともしがたいが、今後様々なアイデアと手法が加わり、電子版の使い勝手が格段に向上するかもしれないし、ひょっとするとiPhone / iPod touchよりもこの手の電子書籍に向いた軽薄短小デバイスが登場するかしれない。
    最近、ロンリープラネットのサイト内『Shop』を検索してみて気がついたのだが、例えばインドのガイドブックをチャプターごとに
    を購入できるようになっている。
    India – Pick & Mix Chapters
    インドのような大きな国を訪れる人々の誰もがこんな分厚いガイドブックをまるごと持ち歩く必要があるわけではないため、こうした需要は少なくないのだろう。
    各地域等の旅行情報は2ドルから6ドル程度。しかしTable ContentsGetting StartedIndexといった項は無料でダウンロードできるようになっており、地域案内部分のみを購入してもちゃんとガイドブックとして機能する。なかなか良いサービスだと思う。
    ロンリープラネットのガイドブックの電子版、今後の進展に期待したいところである。

  • 嵐と水害

    1959年に大きな被害をもたらした『伊勢湾台風並み』の大型台風が日本に接近しているのだそうだ。
    「伊勢湾」並み台風18号、近畿の一部暴風域に (YOMIURI ONLINE)
    台風18号あすにも近畿上陸 伊勢湾台風並み (産經関西)
    伊勢湾台風並みというのはいささかオーバーな表現かもしれないが、控えめな表現でもここ10年で最大の台風ということになっているようだ。また予想されるコースが50年前の伊勢湾台風のものと重なることからも、とりわけ当時被害が甚大であった名古屋近郊南部に広がる干拓地を含む低地での高潮による被害も懸念されているようだ。
    台風18号、東海あす朝直撃も 風速過去10年で最大 (中日新聞)
    今後、台風の進路となることが予想されている各地で明日、学校を休校する決定が相次いでいる。相当強い風雨となることを懸念してのことである。
    気象予報士の森田正光氏らによる『チーム森田の”天気で斬る”』によれば、最大瞬間風速58.9メートル(観測史上3位)で、最大風速39.1メートル(観測史上5位)とのことである。最低気圧955.9ヘクトパスカル。これは、本日未明に台風18号が約70キロまで接近した南大東島で観測された数値であるそうだ。

    (さらに…)

  • 自宅でティッカー、広場でケバーブ

    ティッカー、シーシュケバーブ、ナーンその他、タンドゥーリー料理は好きでも、たいていの人はそれを自分で調理したことはなく、レストランで注文したものを食べているだけだろう。もちろん私もそうである。オーブンの一種であるとはいえ、明らかに構造が違うため家庭用オーブンでは同じものを作ることはできない。
    ゆえに、当然のごとく、それを売りにする店で食べるものと思っていた。だが意外なところに『ポータブル・タンドゥール』を製造しているメーカーがあった。
    ポータブルタンドール (山文製陶)
    日本国内にあるインド料理屋の多くで日本製のタンドゥールが使われているが、まさか手軽に移動できるタイプのものがあるとは知らなかった。上記リンク先で表示されるものの中で、『20リットルペール缶サイズ』というのがそれである。
    もっとも『ポータブル』といったところで、重量は15キロあるので、そうそう気楽に持ち運びできるわけではない。『両手が抱えてクルマに乗せることができる』といった程度に考えたほうがいいだろう。価格は3万円と手ごろだ。
    他に50リットル、100リットル、120リットル、200リットルと、いろいろなサイズがある。屋外イベントで用いることを想定しているようだ。
    本格的なタンドゥールを製造しており、日本国内のインド料理屋さんが使う和製タンドゥールの中に、同社の製品を見かけることもあるのだろう。
    インド製の小型タンドゥールを日本で輸入販売している業者もある。重量は倍以上になるが、素人の感覚ではあるが、窯としてはこのくらいの重さがあったほうがいいのかもしれない。
    ポータブル・タンドゥール窯(有限会社エイシアン・クロス)
    製造元はGolden Tandoorsという本格的なタンドゥール製造販売メーカーなので、大きなものから小さなものまでいろいろ取り揃えている。
    自宅でタンドゥールを使って料理するかどうかはともかく、仲間たちとキャンプやバーベキューに出かけるときなど、持参すると喜ばれるのではないかと思う。

  • カシミールはどこの国?

    印中関係が好転している近年、両国間でビジネスや観光等の目的での行き来が盛んになるとともに、ふたつの大国の間を結ぶフライトも増えてきている。
    それでも長らく敵対してきた関係もあり、国力・軍事力ともに上回るアジア最大の国を前に、インドにおける中国に対する不信感や猜疑心はまだまだ強い。
    南アジアのインド周辺国への中国の影響力の伸張、インドとの国境地域における軍の動静など、インド側の神経を逆撫でするような動きがしばしば見られる。
    このほど、在デリーの中国大使館で発行される一部のヴィザについて、問題が生じているようだ。
    どういうわけか、カシミールの人々に対してのみ、旅券に対してではなく別紙にてヴィザを発給しているというものだ。
    India protests issue of separate Chinese visa to Kashmiris (indian express.com)
    Row over China Kashmir visa move (BBC NEWS South Asia)
    上記の記事中には、不幸にして、こうした形で出された査証を手にした人たちは、インド出国の際にひどく揉めたり、飛行機に乗れなかったりということが起きているとも書かれている。
    中国行きの飛行機への搭乗を妨げられた人にしてみれば『中国大使館は、カシミール人にだけ、なぜこんな余計なことをするのだ』ということになるし、インド政府にとっては『カシミールをインド固有の領土と認めないというスタンスだ』ということになるのだろう。
    カシミールは、パーキスターンとの間で帰属をめぐり係争している地帯とはいえ、姑息な形で『内政干渉』してくる国に対して信頼感を醸成できるとは思えない。
    ましてやそれが国力・軍事力で自国よりも勝る大国だ。やはり中国という国は、常に警戒心を抱いて用心深く付き合うべき隣人、決して心を許してはいけない危険な相手であることは間違いないようだ。