ケッコン狂想曲

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 しばらくするとウェディングシーズンに入るインドだが、BBCから結婚にまつわるニュースがふたつ。
 Israelis fined for wedding kiss
 India’s rent-a-guest wedding agents


 前者は、インドで「ヒンドゥー式」の結婚式を挙げたイスラエル人カップルの話。式の最中、坊さんたちが聖句を唱えているときに熱いキスを交わした結果、警察に捕まり罰金刑を受けるハメになったという話。公衆の面前でのそうした行為が禁止されている国は特に珍しいものではなく、東南アジアでもインドネシアなどについては「公の場でのキスは犯罪なので注意」などとロンリープラネットのガイドブックにさえ書かれていたりする。またイランでは悪くすると鞭打ち刑の対象になったりもするというから大変だ。
 特にイスラーム圏では多かれ少なかれ、公衆の面前で男女がおおっぴらにいちゃつくのは問題なのは言うまでもないし、インドなどそれ以外の国でもお国柄や風土についてちょっと考えればどんなものだか想像がつくというもの。それにしても神聖な儀式の最中、いくら習慣等違うとはいえこのカップルにはあまり同情できないかも。
 後者は、今インドでウェディングの際に「レンタル出席者」の需要が増えているというニュース。
やたらと大勢の人々が集まるインドの結婚式。だけど出席者があまりに少なかったりするとみっともない、恥ずかしい・・・という具合になるのはもちろんだ。
 だが人々を集めたくても、残念ながらそうはいかない事情を抱えている人たちだってある。記事中にあるような周囲の反対を押し切っての異カースト婚以外にも、当人たちの恋愛結婚ならば両家の収入や社会的地位等のアンバランス、実家が結婚相手そのものを気に入らない、不倫の果ての結婚等々、洋の東西を問わず不幸にも諸々の事情により盛り上がらないウェデングというのはあるものだ。
 そんなとき彼らの斡旋業者が頼りになるのだとか。レンタル出席者にはいくつかのランクがあり、見栄えのする人、つまり白い肌で背が高くて立派な体格、そして会話がうまい人ほど費用がかかるのだという。週末のひとときを謝礼もらったうえで祝宴に参加し、人々とテキトーな世間話でもして過ごせばいいのだから、社交的で饒舌な人には楽しいアルバイトかもしれない。こんな業者に外国人も「人材登録」できるのだろうか?
 そういえばこの手のサービスは日本にもあるらしい。今どきの結婚式では仲人を立てないものが増えてはいるものの、親の世代には「やはり仲人さんはいないと・・・」という保守的な考えの人たちも少なくない。しかし地縁血縁の薄い都会暮らしの人々とって、「仲人」なんて頼むほうも頼まれるほうにとっても面倒なもの。そこで多くの結婚式場では、相談を受ければ「その場限りの仲人さん」を斡旋する業者を紹介してくれるのだそうだ。
 
 日本ではバブルの頃から「海外挙式」を願う人は多い。親族を引き連れてわざわざ外国にまで出かけ、多くはクリスチャンでもないのに教会で結婚することについての是非はあるかと思うが、そういう需要があるのならばインドで豪華な挙式をプロデュースするのはどうだろう。 
映画のセットみたいな「ヒンドゥー式結婚」空間を造りインド式のセレモニーをとり行なう。参列するのが親族だけではさみしい。ここはやっぱりレンタル出席者を呼び寄せて派手にやりたいものだ。
 無事結婚式が終わってからは、見どころの宝庫インドでそのまま新婚旅行へと突入することができる。カラフルな結婚式の後には豪華な宮殿ホテルにでも滞在して、なかなか思い出深いウェディングとなるのではないだろうか。 
 もっとも結婚とはゴールではなく、新しい家庭のはじまりに過ぎない。大切なのは「結婚式」ではなく、夫婦がこれから一緒過ごす「日々」であることを忘れてはならないことは言うまでもない。
 

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