インド人は本の虫?

book.jpg
 インドの人々がこんなによく本を読んでいるなんて・・・
 都会には非常に立派な本屋、素晴らしい書物をズラリとそろえる出版社のショールームがあるいっぽう、まともな読み物がないところでは本当に何もない。ちょっと田舎に行けば印刷物といえば地方語の新聞か簡素な雑誌程度しか見当たらないことは珍しくない。日本のように津々浦々までさまざまな書物が浸透しているのとはずいぶん違い、相当不均衡な様子が見られるのがこの国だ。
 それなのに、インドは世界一の読書大国だというのだ。以下、NOP World Culture Scoreによる調査結果である。このデータについて、調査対象の地域や社会層がひどく偏っているのではないかと疑うのは私だけではないだろう。


世界各国読書時間ランキング
(週あたりの時間)
India      10.7
Thailand     9.4
China       8
Philippines     7.6
Egypt       7.5
Czech Republic  7.4
Russia 7.1
Sweden 6.9
France 6.9
Hungary 6.8
Saudi Arabia 6.8
Hong Kong 6.7
Poland 6.5
GLOBAL 6.5
Venezuela 6.4
South Africa 6.3
Australia 6.3
Indonesia 6
Argentina 5.9
Turkey 5.9
Spain 5.8
Canada 5.8
Germany 5.7
USA 5.7
Italy 5.6
Mexico 5.5
U.K. 5.3
Brazil 5.2
Taiwan 5
Japan 4.1
Korea 3.1
(NOP World Culture Scoreより)  
 話はそれるが、日本のTOEFL平均点はアジアの中でも低調で、モンゴル、カンボジアとほぼ並んで最底辺を形成しているとされるが、日本同様に中国やベトナムのように国内の実生活で英語を使う機会がほとんどない国がかなり上位にあるのはなぜだろう。
 おそらく日本のように「誰もがこぞって」これを受験するような状態にはなく、それなりに選ばれた自信のある人たちが受けるため、あくまでもテストに参加した人たちの中での平均的な英語力が高いということになるのだろう。そのためこれらの国々の一般的な市民の中で多かれ少なかれ英語をある程度理解する人の割合が高く、言葉の運用能力も優るなどということにはならないはずだ。
 まさにこのように、インドの人たちすべてが熱心な読書家であるとは思えないし、出版物の流通が良好な都会に暮らす人たちが、その他地域の不足分を補ってなお世界一となるほどの重度活字中毒ということもないだろう。
 この「読書」の範疇には雑誌や新聞も含まれているそうだが、それにしてもインドが最上位にあることはともかくとして、日本の出版事情華やかなりしも他国と比較した私たちの読書時間の短さも気になるところだ。
Indians ‘world’s biggest readers’
NOP World Culture Score(TM) Index Examines Global Media Habits

「インド人は本の虫?」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください