インドと関係のない話で恐縮ながら、インドの隣国にして中国による武力占領地のチベットの鉄道に関するNational Geographicによるドキュメンタリー作品。
内容は政治的なものではまったくなく、2006年に開通した青海省のゴルムドからチベットのラサに至る青蔵鉄路建設に関わるストーリー。
National Geographic – Extreme Railway: Qinghai Tibet Railway (YouTube)
単線から成るこの鉄路だが、1950年代から構想が始まり、建設に当たってはチベット高原における高低差を克服するだけではなく、永久凍土上の地層、つまり冬季には凍結して嵩を増し、夏季には溶解して沈み込むとともに、場所によっては泥濘状態となる大地とどうやって折り合いをつけるかという難問もあった。
どのようなアイデアでこれらを克服していったかについて、淡々と綴られているものの、その背後にこの事業に関わる人々による飽くなき探求心と情熱、深い知識と応用力あってのことだろう。
こうした中国は、ネパール国境まで鉄道を延伸させる計画、さらには首都カトマンズまでこれを伸ばしていく構想まで持っている。
China to extend rail to Nepal (ekantipur.com)
中国の鉄道は、隣国ネパールを将来大きく変えることになるかと思うが、これはまたインドとネパールの関係、ひいては南アジアにおけるパワーバランスに多大な影響を与えることとなる。