無神論者センター

「信仰の大地」という表現がよくなされるインド。確かに社会生活や政治における宗教の果たす役割が大きいことは間違いない。いろんな宗教が混在し、それぞれ大小様々な教団や施設を運営していたりするし、日常的に人々の宗教生活を目にすることも多いだろう。

だが同時に無信仰の人たちも決して少なくなく、とりわけ迷信やそれを煽るような活動に対して眼を光らせる無神論者センターのような組織もある。

この組織はいわゆる迷信の類に限らず、聖者による「奇跡」の背後にあるトリックに対する検証を行っていることでも知られており、彼らの活動は各種メディアでも取り上げられていたりする。個人的には、そうした奇跡そのものは教えの本質ではないため、そう目くじら立てることもないのではないかとは思うのだが。

無神論者ではなくとも、寺院や祭礼といったものに対して冷淡な人たちも少なくない。「神と人間は直接に交流すべきものであり、意味のない形式ばかり尊重する仲介者は不要」というスタンスであることから、私たち日本人の平均的な感覚とも近いと言えるかもしれない。もちろんこうした人たちはインドの主流派ではないのだが、インドの「信仰生活」の中における一側面ではある。

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