LPガイドブックのKindle版

すでにご存知の方も少なくないかと思うが、ロンリープラネットのガイドブックのKindle版が発売されている。

近年、とりわけインドのような広大で中身の濃い国のガイドブックについてはページ増が進み、最新版においてはようやくその豊富な情報量にいくらかのリストラがなされたうえで、紙質の変更も行なわれたようで、総体的にわずかに軽量化されることとなった。

これは単に読者の都合を考えて軽くしたというわけではなく、ロンリープラネット社の身売りとその結果としてもたらされた収益面の強化という経営方針の転換によるものなのであろう。カラー刷りのページが増えて、全体的にヴィジュアルな感じになってきている。

これまでペーパーバックとして製本された従来同様の通常の書籍としての販売と並行して、ここ数年来はPDF版も購入できるようになっており、必要な部分だけをプリントアウトして持ち歩いたり、タブレットPC等に保存して持ち歩いたりする人たちが増えている。

さて、ここにきてついにKindle版の登場である。PDF版があれば、Kindle版は不要であるように感じる方もあるかもしれないが、プリントアウトすることなく、タブレットPC上で電子書籍として閲覧するのみであるならば、ブックマークその他の機能も充実しているKindleのほうに軍配が上がる。

だが小説のように1ページずつ丁寧に読み進んでいくような類のものではないため、ページめくりが非常に緩慢な電子ペーパーのデバイスでの利用には向かないと思う。もちろん一度の充電で何週間か利用できるという持続性は素晴らしいのだが。表示の素早さはもちろんのこと、電子書籍閲覧に限ることなく多目的に使えるタブレット端末であることこそが、旅行という目的にマッチしているともいえる。

すると当然、電源の問題が出てくるわけで、紙のガイドブックの場合と異なり、電源がアウトになると、書いてあるはずの情報がまったくアクセスできなくなるという問題がある。また電子機器であるがゆえに、故障することだってないわけではない。

そうは言うものの、タブレットとスマートフォンを両方持ち歩く人は少なくないだろうし、電源のバックアップのためのバッテリーの用意くらいはしているだろう。タブレットで閲覧できなくなることがあっても、画面が小さいことを我慢すればスマートフォンでということも可能だ。あるいは目が疲れるのを承知のうえで、スマートフォンのみで利用するならば、荷物はだいぶ軽量化できるというメリットもある。紙媒体のガイドブックの場合と異なるのは、何か気が付いたことがあったらペンで書きこんでメモを取ることができないくらいのことではないだろうか。

ロンリープラネットのガイドブックのKindle版は、とても魅力的な新しい選択肢である。電気事情が極端に悪い地域を訪れる場合はさておき、そうでなければ私自身が今後同社のガイドブックを購入する場合、間違いなくKindle版を選ぶことだろう。

※「マジューリー島4」は後日掲載します。

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