アシン・ウィラートゥー師

反イスラームを唱えるミャンマーの仏法僧、アシン・ウィラートゥー師。良くも悪くも軍政により長らく封印されてきた対立が「民主化」により日の目を見ることになったといえる。

ただし、これを仏教徒vsイスラーム教徒という単純な構図にしてしまうことは誤りで、地域に長らく根ざしてきた仏教を背景にする人たちの中で少なからずの割合で抱いている南アジア起源のムスリムの人々に対する感情と見るのが正しいだろう。

その多くは英領期に移住した人々の子孫が大半で、独自のコミュニティと価値観・生活習慣等を維持しており、主に都市部での商業活動に一定の影響力を保っている。また植民地期にイギリス人たちとともにやってきた「征服者側の人々」でもあったという部分も無視できない。

そのためウィラートゥー師の存在によりミャンマー国外でも注目されるようになっているこの現象の本質は、宗教対立というものではなく、ミャンマー国内の民族問題の一側面であり、植民地時代からひきずる歴史問題でもある。

バングラデシュとの国境におけるロヒンギャーの人々に対する扱いについても、こうした感情の延長線上にあるといえるだろう。

Non-Violent Extremism: The Case Of Wirathu In Myanmar – Analysis (ARNO)

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