最良の『日々愛用カメラ』登場か? Caplio GX100

リコーGX100
ついにコンパクトデジカメも高級機が復活の兆しを見せている。このほど発表になったリコーの新しいデジタルカメラCaplio GX100がまさにその象徴かもしれない。
発売予定日は4月20日。今まで特別な関係者たち以外は誰も実機を手にしていないはずなのにずいぶん前評判が高い。ネーミングも『GX8』から『GX9』ではなく、いきなり大きく跳んで『GX100』ときた。このズーム付きコンパクト機の外観は前代のGX8風ではなく、28mm単焦点モデルのGR Digitalのフォルムを踏襲したものでグッと高級感がある。上面や背後の操作系配列もこれとほぼ共通、背面の2.5インチ液晶モニターに表示されるメニューも同様だ。外観のみチラリと眺めただけで、これまでの路線から大きくステップアップして高級化していることが一目瞭然だ。
そのためGR Digitalユーザーたちの中から要望の多かった同機のズーム版モデルとして特に注目と期待を集めることになっているのだろう。
GX100背面


Caplioとしての前モデルGX8は35mm換算して28mm〜85mm相当の画角であったのに対し、今回のモデルは24mm〜72mmとかなり広角側にシフトしている。特にこの部分に他社の現行モデルにはない唯一無二な魅力があることは間違いない。そしてF値はF2.5〜F4.4という面と合わせて、広角側に強くて明るいズームレンズを搭載したコンパクト機を望むユーザーたちにとっては比較検討する他機種が現存しないのである。
日々の生活の中ではもちろんのこと、旅行しているときであってもコンパクトデジカメについてあまり高倍率な望遠レンズの必要性は感じない。野生動物でも撮るのならいざしらず、寄せて撮りたいならば自分自身がテクテクテクッと歩いて被写体に接近すればいいだけのこと(それができないことも往々にしてあるのだが)で、むしろ『これ以上後ろに引けない』ことによりワイドな画角が欲しいな・・・と感じることのほうがずっと多いからだ。そんなことからワイド端が35mmというカメラはちょっと使いづらいと思う。
さてこのGX100、広角端が24mmというのも魅力だが、さらに別売りのワイドコンバーターを利用すれば19mmという超ワイドアングルでの撮影が可能となる。歪みや画面端の流れをどの程度に抑えているのかが気になるところではあるが、実機で撮影された画像が発売元のリコーや今月20日以降に購入したユーザーたちから出てくるのを楽しみにしたいところだ。なおこのモデルからCCDシフト方式の手ブレ補正機能を搭載することになった。記録方式は静止画はJPEGとRAW、動画はAVIである。記録メディアはSDメモリカードとカメラ内蔵の26Mメモリ。
GX100 液晶ビューファインダー装着時
新モデルGX100から光学ファインダーは省略されることとなった。あまりに小さい光学ファインダーが付いていても見づらくて結局のところほとんど覗きこむことがなくなる。大型の液晶モニターがあればこんなモノは不要!というのが昨今の流れだが、まさにそのとおりだと思う。使用する頻度はそう高くないことと思われるものの、着脱式の液晶ビューファインダーが同梱されるとのことで非常に面白い試みだ。しかもチルト機構によりさまざまなアングルでの撮影にも対応できるスグレもので、草花などを接写するときなど大変役に立つことだろう。
また絞りについてもGX8までは開放、中間、最小と3段階のみでずいぶんチャチな感じがしたものだが、GX100はGR Digital同様に開放から最小絞りまで12段階できめ細かに設定できるよう改善されている。
本体重量は205g。170gのGR-Digitalよりもわずか30グラム多い程度だ。またサイズも幅111.6mm,高さ58mm,厚み25mmであり、幅のみGR-Digitalよりもわずか4mm強多い程度だ。GR-Digitalと違って外付けのレンズキャップを使用すること以外、遠目には区別がつかないだろう。
GX100単体のみでの使用、GR Digital同様に一眼レフデジタルカメラのサブ機としての用途はもちろん、事実上の兄弟機であるGR Digitalを所有している人が、こちらも同時に持ち歩くケースが多いことと思われるが、もちろん専用バッテリーも兄貴分の28mm機と共通だ。GR Digitalの場合は複数使っているユーザーのためにAE、AWBの個体差を微調整して揃えるサービスが有償にて行なわれているが、このGX100では実施されない模様。だが前者同様にリコーのサービスセンターにてシャッターボタンの重さを調整してもらうことは可能だ。
新発売時の量販店での価格は7万円前後から8万円くらいになる見込みだ。今どきのコンパクトデジカメとしてはずいぶん高価で、一眼レフデジタルカメラのエントリー機が購入できてしまうくらいの値段である。しかしGR Digitalのときと同様に『こういうカメラが出てくるのを待っていた!』という層からの支持を集めて、ちょっとしたブームになりそうな予感がする。人それぞれ考え方は違えど、GX100が多くの人たちから『いいカメラ』と評価されるものであろうことは間違いないだろう。私自身、これぞ『日常でも旅先でも肌身離さず持ち歩きたいカメラ』の真打登場!ではないかと心ときめいているのである。
蛇足ながらGR Digitalを購入して以来、リコーという会社には個人的にとても好感を抱いている。デジカメのファームウェア、つまりパソコンのOSみたいなものだが、かなりの頻度で更新されているのだ。通常は主に不具合を修正する目的からなされるものだが、それだけ製品開発や出荷時のミスが多いということでは決してない。それとは逆に操作性向上のため新たなカスタム設定を可能にしたり、オートブラケットの露出幅を選択できるようになったりといった新たな機能を追加する前向きなものがとても多く含まれているからだ。最近のファームウェア更新では、従前はなかったセピア色での撮影、カラー以外の撮影の場合の画像設定機能追加、一回の撮影でカラーと同時にモノクロとセピアも同時に記録できるカラーブラケットといった面白い機能が加わった。下位グレードのカメラはこの限りではないのだが、現在同社の最上位機であるGR Digitalについては、購入後なかなか手厚いアフターサービスがなされているといえるだろう。
とかく商品サイクルが短いデジカメという製品群中にあって、買い換えることなくファームウェアの更新により性能向上が図られており、結果として比較的長く愛用できるのはうれしいことである。
「Caplio GX100」を新発売 (ニュースリリース Ricoh Japan)

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