ガントクと周辺を見物1

私の友人で、ガントクのカレッジで教鞭を取るA先生に連絡をとった。先生はコールカーター出身のベンガル人だが、スィッキム州で20年ほど暮らしている。

この日は、先生があちこち案内してくださるとのことで、MGマールグで待ち合わせして久々に再会し、クルマでルムテク寺院へと向かう。ガントク市街地を出て西方向に向かってすぐのところのビューポイントからは、斜面に張り付く街並みを一望することができる。

ガントクの街並み

少し登った先にあるのがルムテク寺院。20年以上前に訪問している。寺院内部のたたずまいは覚えているがガントクからの道のりについてはまったく記憶がない。確か昔はお堂の中を撮影することができたが、今は禁止となっている。寺院に入る際にはかなり厳重なセキュリティチェックがある。

ルムテク寺院
ルムテク寺院にて

これは外部からのテロに対する警戒ではなく、寺院内部での抗争が原因となっている。ルムテクは、カルマ・カギュー派の寺院だが、同時にカルマ・カギュー派を率いるカルマパ17世の正統性を巡る紛争の場でもある。現在、同派では二人のカルマパ17世が並立(泡沫候補的なスィッキム出身の自称カルマパ17世も加えると三人)しており、これを巡る派閥抗争で流血の惨事も発生するという、異常な事態となっている。治安当局が常駐して監視するという宗教施設内での対立としては非常に嘆かわしい状態だ。世俗を離れた僧院とはいえ、やはりそこは私たちの世界と地続きの「人の住む世」という気がする。

続いて訪れたのは、1998年に完成したという新しいリングダム寺院。歴史はないが建物や内部の造りは見応えがある。ラダックの寺院とは違う気がするが、チベット仏教、チベット建築の知識があれば、具体的な違いが判るのだろうが、私にとってはどこか違う・・・としか感じられないのは残念だ。建材は日干しレンガではないのは、雨が多い地域だからだろう。

リングダム寺院

境内で記念写真を撮影しているチベット系のグループがあった。ひとり、ふたりでいるとそうとは判らなかったりするかもしれないが、大勢でいると地元のチベット系の人たちとは顔立ちがずいぶん異なることに気が付く。「ひょっとして?」と思って声をかけてみると、やはりラダックの人たちであった。

リングダム寺院の境内でラダックから来た方々のグループと出会った。

次の訪問先は山の中のバンジャークリー滝。おそらく雨季にはすさまじい水量になるのだろう。滝の周囲は整備された公園になっている。ここから再びガントクに戻り、エンチェイ寺院。ここでは着飾った女の子と家族が訪れていた。女の子はお調子者のようで、愛嬌たっぷりにポーズを取ってくれたので写真撮影。

エンチェイ寺院
いろんなポーズを取ってくれた女の子

行く先々で、A先生の教え子、元教え子であった人たちと出会う。しばしば携帯電話にも教え子たちからの電話がかかってきて、人気者の先生であることがよくわかる。各所見学した後、MGマールグで食事をしてから先生のお宅にお邪魔させていただく。

<続く>

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