ポビットラ国立公園

グワーハーティー市内からタクシーでポビットラ国立公園を訪れる。アッサム州の国立公園といえばサイが多く棲息しているカーズィランガー国立公園が有名だが、あまり時間がなかったので、州都郊外の国立公園を訪れることにした次第である。

トタンでできた傾斜付きの屋根の家屋がどこまでも続く。左右に広がる農村風景が美しい街道沿いで、私たちのクルマの前をナンバープレート無しの車両が走っている。そういえば昨日もそういうクルマを見かけた。運転手は「ハハハ。このクルマだって最初の2か月はナンバー無しだったんです。だってなかなか発行されなかったんですもん。」と事も無げに言う。田舎州とはいえ、いい加減なものだ。

グワーハーティーから1時間少々で国立公園に到着。管理事務所の人が出てきて、園内に乗り入れる専用ジープが500ルピー、車両乗り入れ料金が300ルピー、加えて入場料は20ルピー、カメラ持込料が50ルピー。総額で870ルピーになるという。クルマと乗り入れ料金はともかく、入場料等については今どきのインドの国立公園としては安いなぁと思った。係の男と一緒に事務所に入って手続きの最後でチケットを切る際に、「どこから来られましたか?」という問いに対して、日本からと答えてしまったのが失敗であった。

「あ、外国人の場合は違う料金なんです」とこの係員。外国人は、車両乗入れ料金は同じだが、入場料は250ルピー、カメラ持込が500ルピーもするため、ジープ代も含めて1,550Rsにもなってしまう。だがチケットにはそう印刷してあるので、こればかりは仕方ない。カーズィランガー国立公園と同額になっているようだ。ここまで乗せてきてくれたタクシー運転手のチャンパクは、国立公園を見学したことがないというので、彼の分の入場料は免除してもらい同行させることにした。

チャンパクはアッサム人とのことだが、見た目はもっと西のほうの人間に見えるし、見た目も物腰も中産階級みたいな雰囲気がある。黄色の営業ナンバーのクルマではなかったこともあり、国立公園の職員の人たちも、当初彼を運転手ではなく観光客だと思っていた。ジープには専門の運転手と銃を持ったレンジャー1名が同乗する。

国立公園見物に出発!

園内は思っていたよりも広かった。世界で最もサイの居住密度が高い国立公園とのことだ。2004年の調査によると、ここには84頭のサイが生息しているとのこと。サイが近くで見られるかと期待していたが、森の中で木のもっと向こうに大きなサイが一頭いた。もっと近づきたかったが、危険であるとのこと。

木立の向こうに見えるサイのお尻

サイたちがよく出没するという水場には鳥しかいなかった。深い草原をジープで走った4先にも小さな水場があるが、どこにもサイの姿はなかった。

水場にサイの姿はなかった。

最後に大平原と表現したくなる開けた場所に出ると、はるか彼方、一キロか2キロくらい先にゴマ粒程度に見えるサイらしき姿がある・・・といっても、私の眼にはよくわからない。ジープの運転手とレンジャーは相当な遠視のようだ。あそこに三頭、ここに一頭、あちらに二頭と彼らは言うが、こちらはコンパクトデジカメで撮影した画像を拡大して、ようやくそれらがサイであるらしいことを確認できる。そこここに体格の良い水牛の姿も多いのが紛らわしい。タクシー運転手のチャンパクも「肉眼だとあまりよくわからないですね。」と言う。

はるか彼方に何頭かサイの姿が・・・。

こういう場所では一眼レフと高倍率の望遠レンズが必要である。平原を過ぎて外に出る。高く盛り土をして造られた道路が国立公園と外の田畑が広がる地帯との境界になっており、この道路からも何頭かサイの姿が確認できた。やはりデジカメで撮影した画像を拡大しての話だが。

言うまでもなく、国立公園での観察対象は野生動物であるため、至近距離で遭遇できるかどうかは運とタイミングによる。サイたちがよく出没するという水場がこの国立公園の最大のハイライトのようだ。そのチャンスを最大にするには、おそらく朝の早い時間帯に訪れてみるのが良いのではないかと思う。

それでも人口80万人超を擁する北東インド随一の大都会グワーハーティー郊外に、こうした国立公園があるということ、同じく郊外にあるハジョーやスアルクシーといった見どころと合わせて一日で回ることができるということは魅力である。

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