トークイベント 「ポスト 3.11をふんばるインド・パキスタン的生き方」

今年3月以降、家電の大型量販店、アマゾンや楽天その他の通販サイトで線量計が売られているのを見かけるようになっている。

線量計なるものが世の中にあることを初めて知ったのは、1986年のチェルノブイリ原発事故が発生してからだっただろうか。『ガイガー・カウンター』により、放射線の値を測定している様子をテレビで目にして、一見普通に見える事故現場周辺地域で、目に見えない危険物質が飛散しているということについて、背筋が寒くなる思いをした記憶がある。

ガイガー=ミュラー管を使用したガイガー・カウンター以外にも、シンチレーション検出器その他いろいろな種類のものがあり、測定の対象や目的により様々な線量計があるのだが、いずれにしても放射線のある環境下での職務に就いている人、あるいは特定の医療従事者以外が手にすることはない特殊な装置だと思っていた。少なくとも今年の3月までは。

3.11の津波被害に起因した福島第一原発の事故以来、そうした『特殊装置』が普通に身の回りに見られるようになってきた。多くは個人が使用する目的であるため小型の製品だが、それらが目の玉が飛び出るような価格で販売されていた。

そんなに大量生産・大量消費されるような類のものではないとはいえ、これまで私たちが手にしてきている携帯電話その他の家電製品に比べて、製造にかかるコストがそんなに大きなものなのかどうかわからないが、手にしてみると意外にチャチな製品が、実売価格にして10万円前後あるいはそれに迫る価格で売られているのを見て、唖然としたものだ。

しかしとりわけ事故現場に近いエリアに住んでいる人々にとっては、たとえそれが避難地域外であったとしても、政府の発表する内容だけでは何がどうなっているのかはっきりしない状態の中、自分の身は自分で守るしかない。

小中学生、幼稚園、保育所の子供たちにガラスハッヂと呼ばれる個人線量計を配布した地域もあると聞く。これを身に付けて1か月経過したら回収して検査機関に送り、その子供たちには新しいものを配布してまたひと月身に付けさせて・・・といったことを繰り返しているとのことだ。行政として子供たちの被ばく量を測定する目的があるとのことで、意義自体は理解できるものの、何ともやりきれない話だ。

そこからやや離れた首都圏においても、いくつかのホットスポットについての情報などが出てくるにあたり、やはり不安でこうした機器を購入した人たちは少なくないだろう。それがゆえに全国の顧客が相手の通販サイトはともかく、首都圏の家電量販店でも線量計が販売されているのだ。

そうした線量計について、震災・原発事故以前の価格が空前の品薄状態を背景に、数倍に跳ね上がった製品、そうした価格で積極的に捌いた業者も少なくなかったことは耳にしていた。おそらくここにきて線量計の『バブル状態』も一服したのか、従前から販売されているモデルの価格はかなり下落してきていることに気が付いているこの頃。

大手通販サイトで『線量計』と検索してみると、102,900円 → 17,000円やら69,800円 → 13,500円などという価格表示をしている業者がいくらでもある。ボロ儲けをアテ込んでの在庫がダブついたのか、線量計の大きな市場となった日本向けに製造元が生産体制を大幅増強したのか知らないが、確かに原発事故からしばらくはそんな金額で販売されていたモデルだったと記憶している。それが『市場価格』というものだということになるのだろうが、一市民から見るとまさに火事場泥棒的な商売だ。早い時期に購入した人たちは『何!17,000円のものを102,900円で売りつけていたのか!』と怒り心頭のはずだ。

いずれにしても、これまでそうした機器に縁の無かった一市民が線量計を持つということが珍しくなくなってしまった状況に私たちは置かれており、これまで海外でも安全・安心という評判を得ていた日本そのものに、大きな疑問符が付くようになってしまっている。

今さら、グチばかり言っても仕方ない。放射能汚染は今後長期間続くことは明らかだ。加えて放射線による直接の健康被害はさておき、ここのところジリジリと後退してきていた日本の国力が、こうした事態であることを背景にさらに削がれていくことは間違いないことも肝に銘じておかなくてはならない。

さて、前置きが長くなったが、本題に入ろう。12月6日(火)19時30分(開場19時)から東京都渋谷区宇田川町のUPLINK FACTORYにて、J-one talks vol.01「ポスト3.11をふんばるインド・パキスタン的生き方」が行われる。

J-oneの主宰者で、ナマステ・ボリウッドの主宰者/発行人でもある、すぎたカズト氏がMCを務めるトーク会だ。ナマステ・ボリウッド誌サイトにもこのイベントについての情報が掲載されているので、こちらも併せてご参照願いたい。

ゲストスピーカーは、NPOジュレー・ラダック代表のスカルマ・ギュルメット氏、ビデオ・ジャーナリストのラシード・サマド・カーン 氏、そして当サイトindo.toのウェブマスターの矢萩多聞氏という豪華な顔ぶれだ。

災害時にも強い南アジア流生活・共生術、南インド式保存食の作り方(試食あり)から放射能対策・情報リテラシーまで、といった具合に様々な角度からのトークが行われる。ポスト3.11に生きる私たちの日々のありかたについてじっくり考えてみる良い機会となるはずだ。

チャージは2000円(1ドリンク+「J-one」創刊号1冊付)で、「J-one」持参の方は500円OFFとのことだ。会場となる渋谷 アップリンク・ファクトリーの所在地と電話番号は以下のとおり。

東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1階 TEL.03-6825-5502

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