海抜最も高いところで開かれた閣議

12月4日に、ネパールの閣議がエヴェレストのベースキャンプ近くのカーラーパッタルで開かれた。海抜5,242mとのことで、これまでネパールはもとより世界中の国々を見渡しても、こんな高地で開かれた閣議はひとつもない。

閣議は午前11時に開始され10分後に終了。この目的は、地球温暖化によるヒマラヤ地方への深刻やインパクトを世界に知らしめるためのもので、12月7日に始まるCOP15(気候変動枠組条約第15回締約国会議)への強いアピールである。
Nepali cabinet meets at Everest base camp (Hindustan Times)
閣議の『会場』となった場所は具体的にどこか?ということについては、以下の地図をご参照願いたい。記号『A』で示されているのがカーラーパッタルである。

大きな地図で見る
10月17日にモルディヴの海中で開かれた閣議と好対照を成しているといえる。

ヒマラヤの高地とモルディヴの海中、場所は違うがどちらも地球温暖化に対するアピールだ。後者は将来国土の大半が失われるという国家の存亡がかかっており、前者にとっても氷河の後退その他の温暖化による影響からくる現象が示すものは、単に景観の変化ではない。ともに切実な訴えである。
氷河湖の決壊による惨事の可能性はよく言われているが、国際的な河川、複数の大河の源であるこの地の異変は、この国の自然や生態系のありかたを大きく変える危険があるだけではなく、インド亜大陸全域におよぶ環境問題でもある。
どちらの国にしてみても、普段閣議が行なわれている場所ではなく、わざわざ手間隙かけてこういうところで『閣議』を開くというのは、パフォーマンスではあるが、こういうパフォーマンスならばいくらでも実行して欲しいものだ。
なかなか外に広く呼びかけようとしても声が届きにくい小国の主張、問題提起がヴィジュアルな画像や映像となって、世界中の人々の元に届く。
まずはより多くの人々がそれを知り、問題意識を共有することが大切なはじめの一歩だ。メディアを通じて彼らの積極的な呼びかけを耳にしたり目にしたりした私たちも、地球温暖化に対して、何かできることから取り組んでみよう。

This entry was posted in column, environment, nature, politics. Bookmark the permalink.