印鉄聖地 レーワーリーのロコ・シェッド

開館時間を8時からと思い違いして7時50分くらいに着いたのだが、開館は9時からであると知った。ここで1時間ほど待つことになるかと思ったら、出勤してきた職員の人が「どうぞ」と入れてくれた。

ここは見学できるが、そもそも修理工場なので、実際に整備士さんたちが忙しく作業している。

「忙しく」といっても傍目にはのんびりしているように見えるのだが、インドにおける蒸気機関車修理の最終兵器みたいなところなので、貴重な蒸気機関車を日々修理するとともに、他の工場でどうにもならない機関車をも受け入れて直しているらしいから、凄腕の職人さんたちが揃っているのだろう。

ここでしばらくの間、蒸気機関車の運転士さんが構内を案内してくれた。なんでも現在この人は蒸気機関車専門の運転士とのことで、冬季にデリー・アルワル間で運行されるフェアリー・クイーンの走行もしているとのことで、他にも何かのイベント等での運行があれば、呼ばれて行くそうだ。実際に走行する際には4時間前から機関車のウォーミングアップが必要とのこと。

普段はあまりそういうのがないので暇かと言えばそうでもないようで、整備の途中で蒸気機関を動かしての確認作業もあるそうだ。

どの機関車も走行できる状態にあり、展示されているわけではなく、整備のために置かれているため、駅前などに置かれている機関車と異なり、生気に満ちている。

大きなブロードゲージの貨物用機関車「ヴィラート」の顔が外れた間抜けな姿を見るのは初めてだったけど、蒸気機関の構造について運転士さんから説明を聞くことができて良かった。燃料効率の悪い、そして水も大量消費するのが蒸気機関車であったこともよくわかった。

また、小ぶりで緑色のメーターゲージ機関車、「フェアリー・クイーン」は、優美な外見とは裏腹に気難しくてたいへん扱いにくい機関車であるとも。容易にオーバーヒートするし、気を抜くと瞬時に蒸気圧が下がる厄介者だとのこと。

珍しい車両もある。蒸気機関によるロードローラーというのは、ここで初めて目にした。

また貴賓用客車もあるが、こちらは昔々の車両を現在の要請に応じてカスタマイズしたもの。エアコンも付いている

こちらは1921年の車両でこの年に訪印したプリンス・オブ・ウェールズのインド滞在のために造られたた特別車両。後に英国国王(=インド皇帝)エドワード8世となる彼の皇太子時代だが、インドに4ヶ月滞在している。大変な時代だったので、いろいろ批判は多かったようだ。

後にエドワード8世となる皇太子の寝台

ロコ・シェッド内の壁にあったものだが、2000年以降にここで撮影された映画のリストも掲げられている。

レーワーリー・ロコ・シェッド見学終了。印鉄ファンの方には心からお勧めしたい。とても楽しかったが入場料はわずか10Rs。外国人料金の設定はない。

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