AFC Asian Cup Qatar 2011

2011年1月にカタールでAFC Asian Cup が開催される。 大会スケジュールについてはこちらをご参照願いたい。 

この大会にエントリーするのはインドを含めた16か国。A組からD組まで、それぞれ4チームずつが総当たりで戦い、それぞれの組の上位2か国が決勝トーナメントに進出する。 

組分けについては以下のとおりとなっている。

A組 ウズベキスタン・カタール・クウェート・中国

B組 サウジアラビア・シリア・日本・ヨルダン

C組 インド・オーストラリア・韓国・バハレーン

D組 アラブ首長国連邦・イラク・イラン・北朝鮮 

A組とD組はどこも実力伯仲した激戦区だ。A組については、アラビア半島の2か国に対して欧州スタイルのサッカーを展開するウズベキスタンと高い技術と体力に恵まれた中国が絡むという面白い展開が予想される。D組についても、手堅い守備と鋭いカウンター攻撃を見せる典型的なアラビア式のサッカーを仕掛けるアラビアの雄のひとつ、アラブ首長国連邦が楽しみだ。アラビア半島の多くが伝統的にこのスタイルのサッカーを得意とする。 

中盤での華やかな展開をあまり見せることなく、自陣に引いて堅く守り、相手が人数をかけて攻め入ってくると、一気にボールを奪って少ない手数で敵ゴール前に迫り、高い個人能力を持つ前線の選手が得点して守りきるというサッカーは、この地方の気候が大きく影響しているのではないかと思われる。『砂漠の暗殺者』と形容したくなる試合運びは、アラビア半島の多くの国々に共通して見られるものだ。 

アラブ首長国連邦と組を同じくするイラクは、湾岸戦争前まではこの地域としては珍しく日本のような組織的なサッカーを見せる国であったが、やはりその後の地盤沈下が著しい・・・と思われていたが、前回2007年にASEAN4か国(インドネシア・タイ・マレーシア・ベトナム)がホスト国となって開催した大会で優勝を飾り、強豪復活を印象付けた。 

アラビア地域とは隣接していながらも、これらとは対照的に強力な中盤を軸にスペクタクルな『ペルシャ式』の試合運びをするイランだ。『アジアのスペイン』と表現しては大げさ過ぎるだろうか。加えて先の南アフリカで開催されたワールドカップにて、アジア・オセアニアのプレーオフでなんとか最後に引っかかって出場できた北朝鮮。本大会では無残な成績しか残せなかったが、アジア地域では押しも押されもせぬ強豪国のひとつだ。 

B組については、サウジアラビアと日本が突出しており、とりあえずはいい組に入ったと言えるだろう。私たち日本人としてはグループリーグについては落ち着いて観戦できることと予想される。 

C組は、インドのサッカーファンにとっては悲劇的な組み合わせだ。アジア・オセアニア地域のトップレベルのオーストラリアと韓国、近年伸長著しく現在のアラビア半島の強豪国のひとつに数えられるバハレーンと戦うことになるからだ。なんとか一矢報いて欲しいものだが、実力差から考えると3試合でインドが白星を挙げる可能性は限りなくゼロに近く、開幕前から悲観的になってしまう。 

AFC Asian Cupは、アジアの東端と西端、つまり東アジアと中東が覇を競う大会となっており、1976年大会以降はそれ以外の地域がベスト・フォーに顔を出した例はない。インドが1964年大会で準優勝に輝いたという事実は、歴史のはるか彼方の『故事』となってしまっている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください