インドに通算29個目にメダルをもたらした女子重量挙げ選手

東京五輪開幕まもない7月24日、女子重量挙げで銀メダルを獲得したミーラーバーイー・チャーヌーはマニプル州インパール出身。私たちと似たような顔立ちのモンゴロイドの人たちが暮らす州。男女ともに総じて小柄で、私ものような中肉中背、171cmの者が訪問しても「大柄」ということになってしまう。やや大袈裟に言えば、ガリバーになったような気がするのがマニプル州だ。

ひとつの大会で60個くらい獲得してしまう中国と雲泥の差ということになるが、インドの五輪出場史において通算29個目のメダルという輝かしい名誉である。

以前訪問した際にカルカッタから空路でインパールに入ったのだが、機内に揃いのジャージで小柄ながらもガッチリした女性たちの一団があったが、翌日の新聞で写真入りで「遠征していた重量挙げ選手たちが凱旋」とあった。前日機内の人たちであった。

マニプル州の民族の国技と言ってよいほど普及しているというわけではないようだが、インドの女性重量挙げ選手たちの出身はこの州に集中しているため競技への認知度は高いようだ。

また、これまで各種国際大会でメダルを多数獲得してきて、もう40歳にも近いのに今回も五輪に出場している女子ボクシング界のレジェンド、メアリー・コムの影響もあり、インドの女子ボクシング軽量級はマニプル州の独壇場だ。中量級以上を支配するパンジャーブ州、ハリヤーナー州と双璧を成している。

インドのスポーツ界は地域性が強い傾向があるが、もともとクリケット、テニス、ホッケー以外の競技については、とくに女性たちの間で普及度が低いこと、そしてその背景には社会的、文化的要因もあったようだが、経済発展がもたらしている社会のゆとりが広がることにより、今後はさらにもっと多くの才能が各地から出てくることもあるだろう。スタート地点が低いだけに今後の伸びしろは、膨大な人口とその多くを占めるのが若年層ということもあり、たいへん期待できそうだ。

Tokyo Olympics 2020 Day 1 Highlights: Mirabai Chanu wins silver, opens India’s medal account (The Indian EXPRESS)

蛇足ながら、一昨日、インドの五輪の歴史で29個目のメダルを獲得したマニプル州のミーラーパーイー・チャーヌーに、ドミノピザが「ピザを生涯無料」のプレゼントを提供とのこと。

本人は昨日午後にデリー空港に帰着。ほんの3日前に開会式があったばかり。しばらく東京に滞在して楽しんだら良かったのに、と思うけど、トップアスリートはそんなヒマではないのかもしれないし、派遣している協会も参加種目が終了した以上、そんなお金は使えないのかもしれない。

Domino’s to offer free pizza for life to Olympic medallist Mirabai Chanu (Business Standard)

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