ウッタルプラデーシュ州政府観光公社がツーリスト・バンガローを隣州に建設

ヒンドゥスターン紙にウッタルプラデーシュ政府観光部によるこんな広告が出ていて、「あれれ?」と思った。

ウッタルプラデーシュ州政府観光公社が州内各地で「Tourist Bungalow」その他の名称で展開している公営の宿を展開しているが、このたびバドリーナートにそうしたホテルを建てるとのことで起工式についての広告だ。中央政府のモーディー首相、ウッタラーカンド州首相のトリヴェンドラ・スィン・ラーワト、ウッタルプラデーシュ州首相のヨーギー・アーディティャナートも写真が並んでいる。

他メディアによるウェブ配信記事にもこれに関するものがあった。

Yogi to lay foundation of UP tourist guest house in Uttarakhand (daijiworld.com)

インドでは州毎に州政府観光部の下に観光公社の類がある。ウッタラーカンド州で州政府系企業GMVN(Garhwal Mandal Vikas Nigam)が州内各地で「Tourist Rest House」「Tourist Bungalow」「Yatri Niwas」等と称して、公営の宿を展開しているのだが、広告にあるバドリーナートにおける新たな公共の宿を建設・運営するのは隣にウッタルプラデーシュ州の観光公社。

ウッタラーカンド州は2000年11月にウッタルプラデーシュ州から「ウッタラーンチャル州」として分離(その後2006年に「ウッタラーンチャル州」に改称)した経緯があるが、その際に政府機関や政府系企業も立地を踏まえて州ごとに再編成された。

通常は州を越えて他州内でこうした宿を運営することはないのだが、ウッタルプラデーシュ州とウッタラーンチャル州では、観光以外にも水利関係でも資産をシェアするという取り決めがあるらしい。

Sharing of assets between UP & U’khand will be resolved in 2 months: Yogi (nyoooz.com)

インドでも縦割行政について、いろいろ取り沙汰されることは多いが、こうした協業?みたいなことが可能となるのは、やはりウッタルプラデーシュ州、ウッタラーカンド州ともにBJP政権という相性の良さが下敷きにあるのだろう。

さて、「公営の宿」という存在については、インドでも「民業圧迫」として意識されているため、そうした資産の多くを積極的に民間に売却済であったり、そうした方向にある州も少なくないのだが、経済的にまだまだむずかしい地域などでは、こうした施設が州政府により新設されるケースもまだあるようだ。

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