チュールーの宿からバススタンドまで乗り合いオートで向かう。どの町でも10Rsのようだ。鉄道駅正面にあるバススタンドで下車。バスでここからラームガルまで30分かかるかかからないかという程度。
ラームガルの町を散策していると、ハヴェリーを改装したホテルがあった。2000年以降、シェカワティー各地でこうした施設が増えているが、90年代まではこういうホテルはほとんど無かった。
宿の主人の名前を聞いてみると、ラージプートのようなので、さらに名字を尋ねると「ラートール」であった。やっぱり・・・。
彼は私の質問の意を察し、「はい、確かにラージプートがバニヤーの屋敷に興味を持って、それを買い取り、家屋の補修に精出すというのは珍しいかと思います。」とのこと。
バニヤーではなく、シェカワティー地域の人でもない彼が、この地域のハヴェリーに魅せられて、ついにこうした家屋に暮らすようになり、カラフルな屋敷の補修をライフワークにするようになったとのこと。そのハヴェリーを宿泊施設とすることにより、そこから収入も得ている。今の時代、やはりいろんな生き方をするインド人がいるものだ。
ハヴェリーがダラムシャーラーとして転用されている建物があった。こういう例は他にも少なくないのだが、本日は宿泊者ないとのこと。こういう暑季には、なかなか人は来ないのは当然だ。ここで言うダラムシャーラーは特に巡礼宿というわけではなく、地元の人たちが所用で訪れる際に安く宿泊できる施設のことだ。
町ごとに特徴的な意匠があったりするのだが、ここでは鉄道の列車が描かれた家がかなり目につく。そういう絵が流行った時期があったのだろう。同様に自転車や蓄音器など、当時ようやく世間に広まりつつあった文明の利器なども描かれている。
こうした熱心な人の手に渡り、過去の栄華を取り戻すハヴェリーがあるいっぽうで、すでに崩壊してしまっている屋敷、正面からはそうでもないように見えても、背後は崩れてしまっているものもかなりある。今後、このカテゴミリーに入っていくハヴェリーも少なくないように思われる。
残念な光景も目にするとはいえ、ラームガルの町歩きもまたいろいろ発見があって楽しいものである。