無線タクシー

以前、MERU TAXIと題して、ムンバイーをはじめとするインドの大都市で操業している無線タクシーについて書いてみたが、デリーでも幾度か利用したので感想を記しておく。

MERU以外にもEasyCabs, MEGA CABS, quick cabs等、この手のサービスは増えている。どこもシステムは似たようなもので、対応もマニュアル化されているため利用方法はほぼ同じ。どの会社にかけてみても、非常に礼儀正しくキビキビとした応対をしてくれる。

まずは携帯電話(基本的に携帯電話を持っていることが必要)でコールセンターにかける。一度でもその会社を利用したことがあれば、こちらの氏名と携帯電話番号、利用した日時や場所等といった先方の記録が残っているため、こちらの氏名を名乗る必要はない。コールセンターのオペレーターは、電話を取るなり『Hello, Mr. ×××, may I help you ?』と答えてくれる。

オペレーターに利用したい時間、出発地と目的地を伝えると、こちらが保留で待っている間に、相手は配車の手配を進めている。『今すぐ利用したい』といった場合、特に込み合う時間帯であったりすると『都合のつくクルマが見つかりません』と断られる場合もままあるようだが、前述のとおり同種のサービスを提供している会社は複数あるため、どの時間帯でもタクシーがまったく見つからないということはあまりないだろう。

予約の受付が完了すると、タクシー会社からすぐに携帯電話にSMSが入る。これからやってくるクルマの番号、運転手氏名、運転手の携帯電話の番号が記されている。そして到着少し前になると、ごく近くまで来ている運転手自身からの電話が入るといった具合だ。携帯電話でなくPCにてネット予約も可能だ。

こうした無線タクシーで使用されているのは小型のセダン。アンバサダーやパドミニーのようなクラシックなものではなく、日本でいえばカローラに相当するモダンな車種である。

乗車すると、メーターのある液晶モニターにこちらの氏名、携帯電話番号その他の情報が表示されている。車内もきれいでエアコンも効いている。運転手のマナーや運転そのものも、従来のタクシーより丁寧だ。コールセンター同様、こちらもマニュアル化されているらしい。

料金は完全にメーター制。目的地に着くと車内に装備した小型プリンターから領収書が印刷される。降車するとまもなくタクシー会社からSMSが届く。内容はタクシーを利用した感想についてのアンケートだ。

従来のタクシーとの明確な差別化あってこその商売なので、運転手の仕事ぶりはしっかり管理されているようだ。先述のとおり、タクシー会社には個々のお客の利用履歴が残っている。顧客からクレームが寄せられるとその内容も保存しているのだ。

予約のため携帯からコールセンターに電話すると、オペレーターが電話を取るなり『昨日は運転手が遅刻しまして申し訳ございませんでした』と言うのでびっくりした。前日に利用した際のこと、タクシーはすぐ近くまで来ていたようだが、こちらの指定した場所がちょっと込み入った場所にあったため見つけるのに手間取り、30分くらい遅れていた。その際、到着を待つ間にコールセンターに電話して一言文句を伝えておいたのがちゃんと記録されていたらしい。

応対がきちんとしているうえに明朗会計。加えてクルマにGPSを搭載していることから、クルマがどこにいるかはタクシー会社から一目瞭然でもある。とりわけ女性客には好評だろう。

ドライバーたちの立場については、インドの従来のタクシー運転手と大差ないようではある。日本のように『××タクシーの社員』という身分ではないため、被雇用者ではなく運転業務の請け負うという形だ。簡単に言えば、タクシー会社に一定の金額を支払ったうえで預かった車両を運転するのである。

タクシー会社は、クルマの整備と携帯電話ないしはPCによりネット予約したお客の斡旋を行ない、運転手はお客から受け取る料金の中からタクシー会社への支払いとガソリン代を差し引いた分を手取り収入とする。もっともこれはMERUの場合であるので、他社には少し異なる形態のものもあるかもしれない。

こうした無線タクシーのサービスは、デリー、ムンバイー、バンガロールなどといった大都会で広がってきている。またアムリトサルくらいの規模でも、この類のタクシーを目にする街が出てきている。

インドで無線タクシーは、年間成長率100%といわれるホットな業界だ。大都市圏をはじめとする中間層の人口がそれなりのサイズを持つエリアでは、今後かなりの速度でこうした業態のタクシーが浸透していくことになるはずだ。

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