TNSA (Tibetan National Sports Association) 3  チベットの『国家代表チーム』

『チベット代表』チームメンバーは、亡命チベット人社会の中から選抜される。当然、インド在住者がそのマジョリティを占める。現在まで代表に招集されたメンバーのおよそ70%がインドに住んでいるチベット人。15%がネパール在住者。その他15%は欧州、北米その他に生活する人たちだ。

今のところサッカーを生業として所属クラブとプロ契約している選手はいない。インドに在住している彼らにとって、最も身近な本格的なリーグはI – Leaugeということになるはずだが、TNSA事務総長K氏によると、AIFF (All India Football Federation)が、亡命チベット人選手のI – Leagueでのプレーを認めていないとのことである。まだ低い年齢層でI – Leagueの下部チームに所属している少年たちが数人いるとのことだが。

代表選手とはいえ、アマチュアであるがゆえ生活の糧を得るための職業があるため、そのあたりの都合をつけなくてはならない。そのため代表を招集する側も、招集を受ける選手のほうもなかなか大変らしい。

ご存知のとおり、中華人民共和国の占領下の『チベット自治区』が、独自にFIFA (Fédération Internationale de Football Association)やその傘下にあるAFC (Asian Football Confederation)に加盟するということはあり得ない。同様に占領地から逃れた在インドのチベットたちのサッカー協会がこれらに加入するということも不可能だ。

そのためTNSAはFIFAではなく、フランスのパリに本部を置くN.F. Board (New Federation Board)に加盟している。加盟国(地域?)はチベット以外にモナコ、北キプロス、ソマリランド他、全部で27ある。

2006年のワールドカップドイツ大会開幕前に、ハンブルグにてこのN.F. Boardによる2006 FIFI Wild Cupが開催された。チベットを含めて6つの国(というか地域?)が参加している。

チベット代表はそれ以前にも1990年にイタリア、2001年にデンマーク、スイス、ドイツに遠征して現地のチーム等と親善試合を行っているが、国際大会に正式に出場したは2006年のFIFI Wild Cupが初めてであった。『国家代表チーム』としての金字塔である。

TNSAのK氏によると、残念ながら今年南アフリカで開催されたワールドカップ前に同様の大会は行われなかったとのことだ。

しかし2006年はTNSAにとって当たり年であったようで、チベット代表は11月には北キプロスで行われたELF Cupにも出場している。

2008年にはオランダ、イタリア、スイス、オーストリア、ドイツを巡る遠征を実現させている。このところ海外での大会や試合へ活発に参加できているのは、TNSAならびに関係者たちの努力はもちろんのこと、国際社会とりわけ西欧地域におけるチベットに対する理解あってのことだろう。

その他、2003年、2004年、2007年とインドのスィッキム州にて、同州のSFA (Sikkim Football Association)が主催するSikkim Governor’s Cupに出場している。

チベット代表チームの戦績については、TNSAウェブサイト内のこのページを参照していただきたい。

<続く>

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