高額紙幣の廃止

11月8日の夕方、日付が9日へと変わるまで、あと4時間というタイミングで、モーディー首相が、現在の高額紙幣(500ルピー札および1,000ルピー札)を廃止することを発表したことは、ニュース等で伝えられているとおりだが、当然のごとく本日のインドでは各所で混乱が起きている。

これらのお札の廃止を受けて、新たな500ルピー紙幣と2,000ルピー紙幣が導入されるとのことだが、いつから流通するのか、全国各地に行きわたることになるまで、どのくらいかかるのかは今のところはっきりしない。今週の金曜日からATMで引き出すことができるようになるという報道はあるのだが、ごく限られた大都市の中心部にあるメジャーな金融機関に限られたことではないだろうか。

New currency notes to be available at ATMs from Friday (INDIA TODAY)

インドにおいて、こうした廃札は初めてではない。ずいぶん昔のことになるが1946年と1978年にも実施されている。前者では1,000ルピーと10,000ルピー紙幣、後者では1,000ルピー、5,000ルピー、10,000ルピー紙幣がそれぞれ廃止されている。

ルピーの価値は今とはまったく異なった当時のインドとしては、相当な高額紙幣ということになる。1978年には、1USドル=8.5ルピー(1USドル=190~240円程度)であったので、1ルピーが最大25円ほどの価値があったことになる。つまり1,000ルピーは約2万5千円、5,000ルピーは10万円、10,000ルピーは25万円もの価値があったことになり、もっぱら大きな商取引で用いられるものであって、日常生活では見かけたり、用いたりすることは滅多になかったことと思われる。当時のインドの1人当たりのGDPは、わずか200USドルであった。

今回の廃札と同じく、ブラックマネーや脱税への対策として実施されているが、前回2回と大きく異なる部分がある。まずは、最高額紙幣が1,000ルピー(約1,500円)であること、そして昔とは通貨価値が異なり、所得も向上しているため、500ルピー、1,000ルピーといった額面の紙幣は、一般市民の日常生活で頻繁に用いられる。

これらが廃止となったことで、社会に与えるインパクトは非常に大きく、たとえこれがブラックマネーの追放や不正蓄財への打撃であるという目的を説いたところで、前回2回に較べて一般市民にも及ぶ不都合は甚だしいため、こうした施策が理解を得られるかどうかについては、かなり大きな疑問だ。

今回廃止となった紙幣については、一定期間はATMで預け入れたり、銀行窓口でフォームを記入して交換したり出来ることになっている。昨日、本日流れていたニュースによると、その期間は今年12月一杯、1日に交換できる金額は20,000ルピーまでとのこと。

だが先述のとおり、市民生活に及ぶ影響が甚大であることから、市民自身からはもとより、野党からの激しい批判等により、次第に緩和されていくのではないか?とも想像している。初めはかなりキビシイことを求めていても、反発を受けて、それが次第に緩くなってくるということは、インドではよくある。良くも悪くも民主主義の国である。

※「パティヤーラー4」は後日掲載します。

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6 Responses to 高額紙幣の廃止

  1. 遠藤 孝子 says:

    OMG!ですよね。 このタイミングで、来週からインド行き
    実は持ってます。 紙切れにならないように、換金できますこと祈りつつ
    混乱してるんだろうなぁ・・・・ナマステ~~~

  2. ogata says:

    無事に新しいお札に替えられるよう祈ってます。
    高額紙幣が廃止になる前日午後あたりにインドに入って、かなりまとまった金額を
    両替(当然、大半は高額紙幣に・・・)した方もあり、現在もかなり苦労されているようです。
    新しい高額紙幣は、まだ流通が多くないでしょうから、手にするお札の大半が額面100Rs
    のものだと、かさばってしまって困りますね。
    新しい500Rs、2000Rsが早く広範に行きわたることを願います。

  3. 遠藤 孝子 says:

    はい、大変な事になってました。
    やはり空港での両替も11000円のみでした
    コンノート、ジャンパス通りのALLAHABAD BANK International Branch
    で、外貨からの両替できました。100ルピー札沢山と2000ルピーの新札・・・・・
    2時間並んだです。古い札、両替は無理そうです(4枚までと言われた)。違う手を考えます。

    • ogata says:

      ATMからの引き出しもずいぶん制限がキビシイし、ちょうど今のインドでは「現金」に困るようですね。早く元通りの状態になるといいのですが、まだしばらく時間がかかりそうですが、沿道さんの旅そのものは良いものでありますよう願っています。

      • 遠藤 孝子 says:

        どうもありがとうございます。
        なかなか経験出来ないような、楽しい時間なインドでした。
        思うようにいかない事って、生きる力みたいな・・ナマステji

  4. ogata says:

    やはりインドでなければ!ということは少なくないですよね。お札の廃止も歴史的な出来事と言えますし。

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