早いもので、バンコクのスワンナプーム空港がオープンしてから10年になる。
開港当初は、夜遅く着いて翌朝早くここを飛行機で発つというような際に、気軽に利用できる宿泊施設が見当たらなかったのだが、さすがに近年は、空港エリアのラートクラバーン地区にいくつもエコノミーな宿泊施設が出来ている。タイを経由してインドやネパールに向かうという人は多いだろう。乗り換えで一泊だけというような場合、このエリアはなかなか使えるようになった。
広大な空港施設に隣接して広がる郊外の静かな住宅地。まだまだ空き地も多い。そんなところなので、見るべきものは何もない。だが食事する場所には困らないし、飛行機のチェックイン時間までのんびり過ごすには悪くない。
私自身、バンコク乗り換え一泊でミャンマーに行くときなどに、この界隈のそれらを幾つか利用したことがあるのだが、とても不思議なことがある。
建物も部屋もどれも非常によく似た造りなのだ。同じオーナーが複数の宿を所有しているのか、それともこのあたりが宿経営に有望だとかなんとかで、建築業者が土地所有者たちをそそのかして、ほとんど同じような建物をいくつも造ってしまったのか?
同じ程度のグレードで、部屋もほとんど似たり寄ったりなので、料金も600バーツくらいのところが多い。土地柄、空港からの送迎は無料で付いており、どこも築浅で綺麗だ。
ただし、そうした宿泊施設が一箇所に固まっているわけではなく、広々として見通しの良いエリアに点在しているという解放感がいい。
宿がけっこうある割には、お客はやけに少ないため、スタッフたちはやたらと丁寧かつフレンドリーだったりする。今回利用したところは、小さいプールやヘリパッド(!)まで付いている。ラートクラバーンに点在する一連の宿泊施設の中では、頭ひとつ抜け出ている印象で、なかなかオススメである。
同宿泊施設のウェブサイトでは若干高い料金を提示しているが、アゴダ、エクスペディア等の宿泊予約サイトでは、概ね600~700バーツくらいで予約できるようだ。