ジャナクプル鉄道

BBCは亜大陸の鉄道に関する番組で数々の秀作を世に送り出しているが、これもまたそれらの中のひとつ。

Janakpur Railways – BBC Documentary (Youtube)

隣国インドで鉄道が社会のインフラとして格別の存在感を示しているのとは裏腹に、ネパールはインドと国境を接する南側で、ジャナクプルからインドのビハール州のジャイナガルまでを結ぶローカル線くらいしかないのは、山国であるだけに仕方のないことだ。もっともこの状況については、近年ネパールに接近している中国が青蔵鉄路のネパール国境までの延伸、そして首都カトマンズまでの接続という、いつになったら実現するのか容易に想像さえできない壮大なプランを示しているので、遠い将来にはこの国における鉄道の地位が飛躍的な向上を見せることになるのかもしれない。もちろんインドはそうした状況を座視しているわけにはいかないのだが。

それはともかく、上記リンク先の番組では、ジャナクプルの鉄道のもとに展開する人々の様々な暮らしぶりが取り上げられており興味深い。施設も車両も老朽化が進み、しばしば運休となったりするなど、かなりキビシイ状況のようだ。私自身もだいぶ前にジャナクプルを訪れた際、インド国境手前まで行ってみようとしたのだが、その時は洪水の関係で運休していた。駅構内をしばらく散策してみたが、タライ平原の街であることもあり、眺めた感じはインドの片田舎の鉄道駅という印象であった。

この路線のインド側の終着駅であるジャイナガルは、元々はメーターゲージの軌道の路線が乗り入れていたが、現在ではブロードゲージ化されており、ここからインド各地に直行できるようにもなっている。そんなわけで、タライ地域の人々、とりわけジャナクプルやその周辺部に暮らす人々にとっては、就労や進学その他で隣国インドの大都市に向かう際には、以前よりも使い勝手の良いものとなっているに違いない。

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