華語で読むインド

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 東南アジア各地には、現地華人社会で広く読まれる中文新聞がある。しかし我らがインドにもおそらく南アジア唯一の華語日刊紙がある。価格は2.5Rsでわずか4ページといえば、まるでチラシみたいだが。
 その名も『印度商報』といい、コルカタで発行されている。以前は日に500部発行していたが近年は300部に減少、加えて新聞発行にかかわるスタッフの高齢化が追い討ちをかけて今では存続の危機に瀕しているという。原因は外国への移住による華人人口の減少、世代が進むにつれて漢字を読めない、あるいは中国語が出来ない人が増えてきていること、「そして祖国」への関心が薄れてきていることなどがあるとされる。
 300部のうち約半分はコルカタ市内の顧客のもとに宅配されるとのことで、普通に街角で売られているものではないようだ。その他はインドの他の街に住む華人たちに郵送している。
 内容はといえば、主に中華系の人々が住む地域発のニュースに地元インドの情報が加わるといった具合らしい。とても小さな新聞社なので、自前の取材ネットワークは持たず、もっぱら台湾の通信社配信のニュース、大陸の主要な新聞のインターネット版、加えて地元インドの英文紙などから記事を取り上げているのだそうだ。
 先述の発行部数減少の原因はむしろこの部分にあるのではないかと私は思う。昔と違い中国内外からさまざまな中文メディアが日々大量のニュースをインターネットで発信している。華語による情報を得るのに、わざわざ薄っぺらなミニコミ紙(?)を購読する必要がなくなっているのだから。


 購読代金もさることながら、在印とりわけ加爾各答(コルカタ)在住の中華コミュニティ内で発信する広告記事の収入が大きなウェイトを占めているようだが、読者が減るにしたがいこちらも先細りになっていくのだろう。
 だが皮肉なことに、政治や経済の世界でインドと中国がこれまでになく接近している昨今、インドにおける珍しい「華人紙」としていくつかの中国語メディアに取り上げられ、その存在が本国でも知られるようになってきているようだ。
《印度商報》:堅持服務華社 努力辦得更好 (新華網)

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