来年冬は濃霧でもNO PROBLEM ??

 そろそろデリーは冬のさよならといった具合のようであるが、12月下旬から1月上旬にかけて冷え込む時期には、濃霧のため陸や空の交通機関が多いに乱れるため、忙しい人たちにはなかなか大変だ。
 まるで煙のように流れていくモヤ。同じところにいても、それはときに濃くなったり、薄くなったりを繰り返している。昼間はしばらく霧が晴れていても、夕方になるとどこからともなく白い霞があたりにたちこめてくる。それまでの「現実世界」が何やら幻想的な風景へと転じていくのをのんびり眺めている分にはいいのだが。


 乗り物の中というのは基本的にヒマな空間で、人とおしゃべりしているか、新聞や雑誌に目を通しているくらいしかない。ドロボーやスリにやられないよう、最低限の注意は払っても、あとはのんびり車窓の景色でも眺めているくらいしかないが、寒い時期に霧の影響を受ける長距離列車や飛行機ともなると少々気になることがある。
 濃霧地帯を長く走ってくる列車は、途中で相当な遅れを蓄積しがちなので、自分が乗り込む駅が始発あるいはそれに近いものを選ぶし、時刻表を見て、なるべく迂回や停車数が少なく優先度の高そうなものにするよう心がけている。
 列車がときにキャンセルになることはあっても、事故でもない限りその方面行きの他の便は走っている。席の確保の不安はあっても、目的地にたどりつけるかという心配はない。
 ときに困るのは飛行機だ。濃霧の時期には国内線はもちろん、国際線もしばしば欠航が続出ということは珍しくない。スローであってもそれなりに前進する列車の寝台に横たわっているのと、いつ飛ぶかわからないフライトをヤキモキしながら空港待合室で待つのとでは緊張感がまったく違う。
 今年もまた年末年始にはデリー発着の空の便はかなり乱れていた。そんな中、昨年末に航空当局から濃霧を理由に首都の空港への離着陸をためらう民間航空会社に対する警告が発せられていたのをふと思い出した。
 なんでも、すでにデリーの空港ではたとえ視界がゼロメートルに近くても問題なく着陸できるシステムを備えているのだとか。今なお各社とも悪天候下での操行をためらうのは、これに適応できるパイロットの訓練につき、一人あたり100万ルピーという大金がかかるからなのだという。ちなみにインディアン(旧インディアン・エアラインス)はすでに対応ずみとか。
 こうした批判をテレビで展開したCivil Aviation SecretaryのAjay Prasad氏は「来年までに対処しない航空会社については、首都乗り入れを停止させなくてはならないかも?」と警告していた。大晦日の少し前あたりのことであったと記憶している。
 当局の思惑どおりにコトが進めば、来年の冬はデリーの天候を気にしなくてよくなっているのかもしれない。今後も進む格安航空会社の路線拡大と増便により、特に濃霧の時期には「鉄道は遅れるからね」と、これまで主要都市間を移動の際に鉄道のアッパークラスを利用していた乗客らによる「列車離れ」が話題になったりするのだろうか?
以下、古い記事ながら・・・
Delhi to ground fog-shy airlines (The Telegraph)

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