Namaste Bollywood #18

Namaste Bollywood #18
今号の表紙を飾るのはディーピカー・パードゥコーンである。ボリウッド作品への出演はすでに公開されたもので、まだ4作(Om Shanti Om, Bachna Ae Haseeno, Billu, Chandni Chowk to China)しかないとはいえ、この人の存在感には格別なものがある。
他の女優たちにはない神々しいまでのオーラを感じる。Om Shanti Omへの出演がそうであったように、彼女自身のキャラクターが映画の中での役柄とうまくマッチしたならば、共演する大物俳優の存在さえも霞ませてしまうほど、まばゆく輝くことだろう。
まだまだ彼女のポテンシャルはこんなものではないはず・・・と、ディーピカー主演で映画史に大きな名前を残す超大作が出てくることを心待ちにしているのは私だけではないはず。
さてナマステ・ボリウッド#18号の目玉は、特集『ボリウッドがやってきた!日本公開特集』とのことで、この時期日本国内公開のChandni Chowk to China, Slumdog Millionaire、アイシュワリヤ・ラーイが出演するThe Pink Panther 2、そして今月上旬に来日したA.R.レヘマーンへのインタビューが目玉。ご存知のとおり、インドの音楽界を代表する人物だが、Slumdog Millionaireでアカデミー賞オリジナル音楽賞と主題歌賞を獲得している。
この時期にいくつか続くインド関係の映画上陸が、日本におけるインド映画ブームの再来、ひいてはボリウッド人気の高まりということになっていくのかどうかはよくわからない。
しかし以前のインド映画ブームと大きく違う点としては、これら3作は順に?ハリウッド資本が注入された中華風ボリウッド映画、?インドを題材として、インドの人材を活用したイギリス映画、?インドの著名映画人が出演したハリウッド映画であり、?はともかくとして?と?についても、ストレートにインド映画と言い切れるのかどうかという点がある。イギリス経由で日本に入ってきた『カレーライス』ないしは日本式の『中華料理』ほどではないかもしれないが、本筋から離れていることが、個人的には少々気にかかっているのだが。
日本において良くも悪くもかつての『インド映画ブーム』にて、「インド映画ってこんなもの」という、ステレオタイプなイメージが定着してしまっているとともに、出演者についても固定化したイメージを抱いている人が多いことが、新たなインド映画熱の盛り上がりを阻害していると私は考えている。この観点からすれば、これまで日本国内で大々的に上映されていたものと切り口の違う作品を提示することの意味は大きい。
これを機に、さらに違った趣のインド映画、個人的にはとりわけボリウッド作品が紹介されるようになるといいと思う。さすがは製作本数世界一の映画大国だけあり、あまりお金がかかっていなくてもよく出来た秀作、ファンを熱狂させるヒーローやヒロインの出演はなくても、実力派の玄人俳優が見事に演じる渋い作品、挿入歌やダンスシーンなどはまったくなくてもシミジミと鑑賞できる映画というは多い。日本で公開されるインド映画のバリエーションを豊かなものとすることが、ファンの裾野を広げることにもつながるのではないかと思う。
また、ナマステ・ボリウッド主催のイベント情報も見逃せない。5月23日(土)には、ボリ祭2、続く5月24日(日)に「ボリウッド講座『想い出の小路』を語る」というイベントが予定されているとのことだ。詳しくはナマステ・ボリウッド#18あるいは同誌のサイトをご覧いただきたい。

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