バンディープルからドゥムレーに出て、ゴールカー行きのバスに乗り換える。所用時間は前者が30分、後者が1時間半程度。ゴールカーまでの最後のバスで乗り会わせた若い男性は、ヒンディーを話す人で、なかなかおしゃべりであった。決して上手ではないし、言い回しの間違い等も私さえ判るくらいだが、インドに暮らしたことがないというのに、これだけ話せるとはたいしたものだ。
さすがに山のほうに入ってくると、とりわけ女性であまり裕福ではなさそうな層では、ヒンディーを理解する人は多くないようだ。しかしながらインド国内のタミルナードゥやケーララに比べると驚くほど広く通用するといえる。
こちらが言うことはある程度理解しているようで、返事がネパール語で返ってくることはよくある。すると、こちらは知っている言葉を拾って、推測で理解したような、そうでもないような気分になる。
部屋に荷物を置いてから、昼食は宿の階下の食堂にて済ませる。ここの主人の娘たちはふたりとも美人だ。
宿階下の食堂では、一日中、ヒンディーのエンターテインメント番組かニュース番組を流しているようだが、それでヒンディーが普通に通じるかといえば、そうでもない。とはいえ、やはりある程度は理解しているから観ているのであり、返ってくるのがネパール語まじりだったりするが、一応のコミュニケーションはとれる。
ゴールカー・ダルバールはけっこう離れているとは聞いていたが、長い石段を30分ほど登った先にある。途中の斜面からはゴールカーの町の眺めが素晴らしい。
ゴールカー・ダルバールは、少しかしいでいたり、壁が湾曲していたりする部分もある。2015年の地震による被害だ。現在は修復作業が進行していて、建物内部を見学することは出来なくなっている。
先の大地震の震源地はここからすぐ近いところであったのだが、その割には町の様子からは被害の影響はほとんど見当たらない。
町中では、小さな寺をいくつか見物。そうこうしているうちに、午後4時を回ると、たいていの商店が扉を閉じる。どうやらこのあたりの「定時」は午後4時らしい。下のほうにあるバスの発着場では、もう少し遅くまで開いているのだろうか。最後のバスで乗り会わせた若い男性が言うには、午後3時までは、カトマンズに直行するバスが出ているとのことだ。
本日、夕食をしているとスペイン人男女ふたりずつのグループが食堂に入ってきて、少し話をしたのだが、スペインからの旅行者たちは感じの良い人たちが多い。彼らはバルセロナから来たとのこと。
昔は、旅行中のスペイン人といえば、英語がほとんどわからないひとが多かったように思うのだが、現在はそうでもないように感じる。とりわけ若い人たちは流暢な英語を話す人が少なくない。英語、英会話は、かつてよりも更に広く普及していると言えるのかもしれない。