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カテゴリー: life

  • 『FOR HIRE』 for sale

    インドの旧型タクシー・メーターが『楽天市場』で売りに出ているのを見かけた。『FOR HIRE』の日焼けした文字、幾度も塗り重ねてきた思われるペイントの具合といい、いかにも『インドで長年頑張ってきた!』という雰囲気が味わい深い。
    価格は7万円とのことで私にはチト手が出ないし、そもそも今どきのクルマにこのメーターが装着できるのかどうかわからないのだが、助手席側の窓から手を回して『ガチャコン!』とレバーを倒して出発するとけっこう気分かもしれない。ビニールでカバーした料金換算表があれば、一日の終わりに『おお、今日は×××ルピー分走ったな』なんて悦に入る向きもあるだろうか。
    タクシーやオートに電子メーターが導入されてから『走行距離のみでなく、混雑などで余計にかかる時間への課金という概念が初めて実現された』と思っていた。でも実は旧式のアナログメーターにも一応『時間に対するチャージ』の初歩的な概念はすでに折り込んであったのだそうだ。裏面下部のネジを巻くことによって可能となるとのことだが、時間による最初の課金がなされるまで1時間以上かかるとのこと。クルマが増えて都市部の渋滞が日常茶飯となった今の時代にはとても合わないが。
    しかしながらこのタクシー・メーター、クラシカルなスタイル、重厚な質感、職人さんたちによるハンドメイドな仕上げといい、実用の域を超えて愛用されそうなムードがある。使い込んだメーターもいいのだが、個人的にはツルツル、ピカピカの新品同様のこうした金属メーターがどこかで手に入らないものかと思っている。具体的な用途があるわけではないのだが、部屋の片隅にでもチョコンと飾っておきたいのだ。

  • 郵政公社からインドな記念切手発売

    記念切手
    先日、YOMIURI ONLINEの記事で知ったのだが、このほど郵政公社がインドにちなんだ記念切手を発行する。
    図柄は10種類で、タージ・マハル、ラクダとタージ・マハル、ベンガルトラ、インドクジャク、サーンチー仏教遺跡、サーンチー仏教遺跡の女神像、細密画、更紗 、バラタナティヤム、カタカリが用意されている。各々額面は80円。
    上記の10枚で1シートになっているが、バラで一枚からでも購入可能だ。この特殊切手は『日印交流年』の記念事業の一環として5月23日(水)に発売される。
    インドの友人・知人に郵便を出すときなんかにいいかもしれない。『プライベートで切手貼って手紙を出すなんて近頃ないなあ』なんていう方も、これを機会に肉筆で便りをしたためてみるのもいいかと思う。
    インドの遺産 切手に(YOMIURI ONLINE)
    特殊切手「2007年日印交流年」の発行(郵政公社)

  • 国ってなんだろう?

    アッサム、メガーラヤ、トリプラー各州を訪れてみて、インド北東部とバングラーデーシュは、別々の国であるがゆえに不利や不便を蒙っている部分がとても多いように思われる。それらは通商や水利などを含む経済活動や国土の開発全般にかかわることでもある。これらの地域がふたつの違う国家に属することから、住民たちが勝手に越境して移住すれば『不法移民』ということになる。もちろんこの隣国は近代史の中で、しかるべき経緯があって出来上がった国である。かつてアッサム州の大半もデルタ地帯に広がるこの国の前身である東パーキスターンになりかけた歴史を持つが、結局これがインドの一州として現在に至っていることもまたひとつの必然である。
    時の為政者たちの綱引きによって画定された国境により、人々が暮らす土地はそれぞれの国家に従属することになる。そしてこれらを操るそれぞれの政府が人々のアイデンテイティ、思想、歴史観を規定するものとなるため、ひとつながりの地域がふたつの国に分かれて以降、地域文化や伝統のありかたにも大きな影響を与えることもあれば、隣国に対するスタンスが政争の具となり、相互に反発や敵対感情を生むこともある。これがかつてのパンジャーブ州や現在のJ&K州の不安定さにも如実に示されるとおり、地域の政情を不安定なものとすることもしばしば見られる。
    そうした視点で見れば、北ベンガルのごく細い回廊部でかろうじて『本土』と接する北東諸州は、バングラーデーシュ、中国、ミャンマーといった諸手を挙げて友好的とはいえない国々に囲まれている地理条件を思えば、非常に不利であることは言うまでもない。
    また人々の生活レベルではどうだろうか。もともと『本土』とはかなり違った風土や文化を持つ地域であり、とりわけ本土のマジョリティとは信条、民族、伝統どこを見ても自分たちは異なると自覚している人々が、すぐ目の前にある『隣国』よりも自分たちのほうが『インドとは違う』ことに理不尽さを感じることもあるかと思う。自分たちが国境向こう側に比較してよっぽど高度に発展していて経済的にも優位であったりしなければ、国への帰属意識よりも『占領されている』という感情が先に立ってもおかしくないだろう。インドという国への参加意識をなかなか持ちにくいのではないかと想像する。
    こちら側がインドに属していること、そこに国境線があり向こうには別の国が厳然と存在していることは歴史による必然であるから、その是非について云々するつもりはない。だが人々の営みはともかく、雨雲はその境目に関わりなく大地を潤し、生物たちもまた彼らの目には見えない結界に縛られることなく行き来している(動物たちには縄張りがあるとはいえ)ことを思えば、人間という生き物がいかに特異な存在であるかということを感じなくもない。

  • 懐かしのメロディーでホロリ

    まだ朝暗いうちから起き出してアガルタラのバススタンドへと向う。ここからニール・マハル行きのバスに乗るのだ。土地の人々は『ニール・モホル』と呼んでいるようだ。ベンガル風に読むとそういうことになるのだろう。ひた走るバスの中では昔のヒットソング(80年代末から90年代初めにかけて)が次から次へとかかっていた。
    QAYAMAT SE QAYAMAT TAK』から始まり、『SAAJAN』そして『PHOOL AUR KANTE』等々の懐かしい歌が続くと、もうメチャメチャに嬉しくなった。
    この頃のシネマソングは私の一方的な思い込みかもしれないが、メロディーも歌詞もロマンチックかつ叙情的、純粋かつ哀しみに満ちていて大好きなのだ。もちろんこれらが流行っていた時期の私自身の思い出が沢山詰まっていることもあって胸がキュンと鳴る。
    qayamat se qayamat tak saajan phool aur kaante
    Aai Mere Humsafar』でジンときて、『Bahut Pyar Karte Hain
    や『Jeeyen to Jeeyen Kaise』でいつしか心の中にセピア色の風景が広がってくる。
    Mera Dil Bhi Kitna Paagal Hai』でシミジミした気分に。そして『Tu Shayar Hai』でしばし追憶の世界にどっぷり浸る。
    そして『Maine Pyar Tum Hi Se Kiya Hai』で再びハートがググッと熱くなり、若き日のサルマーン・カーンとバーギャーシュリー主演の『MAINE PYAR KIYA』の『Dil Diwaanaa』がかかると、ああもうダメだ。メランコリックに暴走する心がもはや自分自身ではどうにもならず、懐かしい想い出や普段すっかり忘れていた記憶やらが次々に頭に浮かんできて、年甲斐もなくジワ〜ッと涙してしまう。あぁ、歌っていいなあ・・・。乗り合いバスの中、大音響でいろんな曲が流れるサービス(?)っていいなあ。ついでにカラオケでも付いていればいいなぁ!などと、このときばかりは思った。
    ああ車内で思い切り歌いたい。もちろん他のお客たちに迷惑でなければ・・・であるが。
    maine pyar kiya

  • シローンのシェア・タクシー

    丘陵地の上に広がり、緩急さまざまな坂道が多いシローン。リクシャーやオートは見当たらないが、黒と黄色に塗り分けられたスズキのマルチを用いた小型タクシーが非常に多い。
    市内各地のタクシースタンドで客待ちしているもの以外にも、同じ方向に向う客を沿道で次々に拾っていくシェア・タクシーとして沢山走っている。ある程度決まったルートを巡回しているようだ。次から次へ、ブイブイとエンジンを唸らせながらやってくるタクシーを眺めていると、まるでカナブンが大群で押し寄せてきているかのようでもある。
    それらを待っている様子の人が道端で立っていると減速し、その者が大声で叫ぶ目的地を通るものであれば停車して拾っていく。ちょうどミニバスのような役割だろうか。街の地理をよく知らないと利用するのはちょっと難しそうだが、とても徒歩で回りきることのできない広大な高原の街にあって、とても便利な交通機関だろう。
    シローンのタクシー

  • 旅行は楽しい

    NHKの『ドキュメント72時間』というプログラムで『バックパッカーたちの東京』と題した番組をご覧になった方々もあると思う。昨年10月10日にオンエアされたものだが、2月27日に再放送されていた。
    日雇い労働者が多く滞在することで知られる東京の山谷界隈(台東区と荒川区にまたがる地域だが、現在『山谷』という地名があるわけではない)を訪れる外国人バックパッカーが増えているとのことだ。この地区を見物したりするわけではないし、日本の失業問題等に関心を寄せているわけでもなく理由は安価な簡易宿泊施設の存在だ。どこの国でも西欧人旅行者たちがよく手にしている『ロンリー・プラネット』のガイドブックに紹介されているため日本を旅行する彼らが滞在していることが、NHK取材班の目に止まったようだ。
    『寄せ場』『ドヤ街』になぜガイジンさんたちが?というスタンスから始まり、滞在先が山谷であることに深い意味を持たせようという試みに終始した挙句、結局は『自分探しの旅』『夢を探す旅』と結論付けて番組は終了してしまった。
    おそらくこの番組をプロデュースしたのは相当年配の方ないかと思うが、カルカッタのサダルストリートやデリーのパハルガンジあたりの旅行者ゾーンで昔から繰り広げられている光景と特に変わることはなく、ただその場所が日本であるというだけのことだ。
    アルバイト等で稼いだなけなしのお金を握り締めた庶民の若者たちが『資金はあまりないけど、行きたいところが沢山ある』から旅に出ているのだ。可能な限り滞在費を安く上げるというのは当然のことである。彼らがもし若くしてリッチなセレブだったりすれば、わざわざこんなところに泊まるはずもない。山谷に来るのは、物価の高い日本の首都東京にありながらもそこには安い宿があるからで、その地域にどうして低料金で利用できる簡易宿泊施設があるのかということは彼らの旅行や目的とは関係ない。

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  • 隣接州の禁酒解除でディーウ島凋落の危機?

    ディーウ島略図
    先日、禁酒州のグジャラート州では酒類に関する部分的な解禁が予定されていることを伝えたが、同州で近い将来アルコールが本格的に解禁となったらどうなるだろう。酒類販売のライセンス、バーの営業許可その他大きな利権が動くことになるだろうし、酒造会社の工場も各地に進出してくるかもしれない。合法化されると白昼堂々といろんな酒が購入できるようになり、バーの許可を得たレストランでは普通にビールなど楽しむことができるようになる。これまで酒をたしなむ習慣がなかった堅物も『さてどんなものだろう?』と手を伸ばしやすくなる。酒を取引することが『罪』でなくなると意識の上でもかなり大きな変化が起きるのではないだろうか。アルコール類がいとも簡単に入手できるようになると、若年層の飲酒も社会問題化するのではないかと予想している。とかくこの世の中、何ごとかが『解禁』されると大きな反動があることは珍しくない。
    だか州内はもとより、グジャラート州の禁酒政策により恩恵を蒙ってきた隣接する連邦直轄地ディーウの行方もちょっと気になっている。

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  • グジャラート州 酒類解禁への道 

    酒、酒、酒・・・
    禁酒州
    インド独立の父、ガーンディーを生んだグジャラート州といえば言わずと知れた禁酒州。1960年5月1日にそれ以前のボンベイ州から分離し新州が成立してから現在まで、酒類の販売、持ち込み、消費等が禁止されている。バスなどで入る際に州境の検問で警官たちが乗り込んで来て簡単な車内検査を行なうことがあるが、鉄道で出入りする際には特に何もないため、国外から来た旅行者などはここが禁酒であることを知らずにそのまま持ち込んでしまうこともあるだろう。外国人のカバンをひっくり返して細部まで調べるなんてことはないので持ち込もうと思えば簡単にできてしまうのだが、同州の法を犯すことになるという認識は必要である。飲酒をしようという場合、私自身特に手続きしたことはないのだが、正式には当局からリカー・パーミットを取得して定められた場所で飲むことになる。
    街中の風景に酒屋やバーが見当たらないのはやや寂しい。でも休暇で訪れているぶんには我慢できないこともないし、たまには肝臓にお休みをあげるのもいいではないかと思う。
    しかしこの地域に仕事その他で居住するとなると話は違ってくるだろう。おおっぴらに飲み会やパーティーを開くわけにはいかないので、『飲みニュケーション』文化圏の人々は困るだろう。自宅にストックして身内や親しい人たちと飲んでいる分には警察の厄介になることはまずないにしても、『酒=犯罪』に関わっていることに違いはない。何時捕まってしまっても文句は言えないというリスクを抱え込むことになる。

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  • NHK BS放送で海外製作のドキュメンタリー続々

    本日2月4日から『シリーズ 目覚めるインド』と題して、アメリカ、香港、イギリス、デンマーク、フランスといった国々で製作されたドキュメンタリー番組が放送される。先日NHK地上波でドキュメンタリー『インドの衝撃』が放送されたのに続き、近ごろ急にインド関係番組が増えてきているようである。放送予定は以下のとおり。
    …………………………………………………………………………
    2月4日(日)
    午後10:10〜午後11:00(50分) ノンストップ! インディアンドリーム
    午後11:10〜翌日午前0:00(50分) 密着 ボリウッドスターの日々
    2月5日(月)
    午後9:10〜午後10:00(50分) 潜入 新薬開発の舞台裏
    2月6日(火)
    午後9:10〜午後10:00(50分) 綿花地帯からの告発
    2月7日(水)
    午後9:10〜午後10:00(50分) ガンジーの“道”をたどる
    …………………………………………………………………………
    なお2月4日(日)にはBSハイビジョンでアジア自然紀行『ヒマラヤに吠(ほ)えるオオカミ〜インド・カシミール』という番組もオンエアーされる。 

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  • 『買う水』の価格が変わらない

    water 
     初めてインドを訪れたのは1987年だった。歴史的な建物ではなくとも、街中は何もかもが古ぼけくすんで見えて『ずいぶんレトロな国だなあ』と感じた。当時のインドに較べて少なくとも都市部では海外から輸入された電化製品や日用品等が多く店頭に並んでいたパキスタンに足を踏み入れると『消費生活の豊かさ』を思ったりもしたものである。
     もちろんそのころのインドにだってひととおりのモノは揃っていた。だがあまり購買意欲をそそるものではなかった。見た目からして貧弱でひどく型遅れで、事実すぐ壊れるからそのたびに修理することを前提として売られているのだと思った。電化製品、時計、履物類といった様々な『壊れモノ』を修理する職人たちが街中にあふれていることが、これらの製造者と修理人たちがどこか私たちの目の届かないところで固く手を結び合っているのに違いないと疑ったものである。
     もちろん今でもいろんな修理屋さんたちは健在だが、外資や地場資本等が同じ土俵でより良い商品をとしのぎを削るようになってから、街中で見かける品物の質は向上してきたことは間違いない。人々も次第に豊かになり、これまで一台の自転車に妻子を乗せて走っていた人がバイクに乗るようになり、一家総出で一台のバイクに鈴なりになっていた人々がクルマに乗るようになった。そして昔旧式の国産車やスズキ自動車との合弁で生産を始めていたマルチに乗っていた人々はいまや大型のRV車を乗り回すようになったのだろうか。

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  • 狂気が駆け抜ける!(2)

    犬の牙
     Wikipediaの狂犬病に関する記事にアクセスしてみた。狂犬病とはすべての哺乳類に感染する病気であり、発症後は躁と欝の状態を繰り返すらしい。また恐ろしいことに発病したら治療法がなく、症状が現れてから遅くとも一週間で前後でほぼ100パーセント死亡するという。なんでも2004年に発病しながらも自然治癒したという例がアメリカにあるそうだがこれはギネスブックに載ることになったというほど稀で幸運なケースであるそうだ。
     狂犬に噛まれた場合は予防注射をしていた場合は2回、そうでない場合は6回ワクチンを打つ必要があるという。また噛まれる場所により潜伏期間が違うらしい。体内に入ったウイルスが1日に数ミリから数十ミリ程度の速度で進み、神経系を介して脳神経組織に到達したときに発病するものであることから、要は咬まれる部位が脳に近いほど潜伏期間が短いということになり、二週間から数ヶ月という具合に大きな幅が出てくる。そのため脳にごく近い顔の部分を咬まれたりすると、ワクチンの接種を開始しても間に合わなくて発病というケースもあるらしい。だから『感染の可能性がある動物を抱え上げて遊んでやっている際にやられた』なんていう場合には、即座に病院に急行すべきである。
     咬まれるだけではなく、感染している動物の唾液が目や口などの粘膜に触れるだけでも感染し得るということにも注意が要るだろう。だから『犬が咬んできたけどズボンに穴が開いただけで済んだ』とか『上着だけ咬まれた』という場合であっても、その衣類の扱いには相応の注意を払ったほうがいいかもしれない。

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  • 狂気が駆け抜ける!(1)

    吠え立てる犬
     コルカタのパークストリートで、通りを行き交う人々の間を抜けて前方から物凄い勢いで犬が駆けてくる。何やら妙な唸り声も上げている。界隈で知り合ったインド人紳士と話をしながらマイダーン方面へと歩いていたのだが、これが私たちの足元をビュンと通過してびっくりした。さらに後方へと犬は一直線に駆け抜けていく。思わずふたりで顔を見合わせる。
    「うわっ!暴走車みたいな犬だな」
    「変な声出してるし」
     そこからしばらく進み、沿道のある店に差しかかり『私はここで用事がありますから』と言う紳士と別れる矢先だった。同じ犬が今度は後ろから疾走してきて再び私の足元をかすめてこの男性と衝突・・・するかに見えたその瞬間、彼の左足ふくらはぎに咬み付いた。
     懸命にその足を振り払うと犬はそのまま前方へと加速して走っていく。そしてやはり犬の進行方向にいた人が咬まれて悲鳴を上げている。
     紳士は咬まれた部位を気にしつつハンカチを取り出して拭いている。ズボンには犬の唾液がべったりと付いている。
    「医者に相談したほうが・・・」
    「どうかな?」

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