『FOR HIRE』 for sale

インドの旧型タクシー・メーターが『楽天市場』で売りに出ているのを見かけた。『FOR HIRE』の日焼けした文字、幾度も塗り重ねてきた思われるペイントの具合といい、いかにも『インドで長年頑張ってきた!』という雰囲気が味わい深い。
価格は7万円とのことで私にはチト手が出ないし、そもそも今どきのクルマにこのメーターが装着できるのかどうかわからないのだが、助手席側の窓から手を回して『ガチャコン!』とレバーを倒して出発するとけっこう気分かもしれない。ビニールでカバーした料金換算表があれば、一日の終わりに『おお、今日は×××ルピー分走ったな』なんて悦に入る向きもあるだろうか。
タクシーやオートに電子メーターが導入されてから『走行距離のみでなく、混雑などで余計にかかる時間への課金という概念が初めて実現された』と思っていた。でも実は旧式のアナログメーターにも一応『時間に対するチャージ』の初歩的な概念はすでに折り込んであったのだそうだ。裏面下部のネジを巻くことによって可能となるとのことだが、時間による最初の課金がなされるまで1時間以上かかるとのこと。クルマが増えて都市部の渋滞が日常茶飯となった今の時代にはとても合わないが。
しかしながらこのタクシー・メーター、クラシカルなスタイル、重厚な質感、職人さんたちによるハンドメイドな仕上げといい、実用の域を超えて愛用されそうなムードがある。使い込んだメーターもいいのだが、個人的にはツルツル、ピカピカの新品同様のこうした金属メーターがどこかで手に入らないものかと思っている。具体的な用途があるわけではないのだが、部屋の片隅にでもチョコンと飾っておきたいのだ。

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