VISA ON ARRIVAL@MYANMAR

ミャンマーのヴィザに関するルールが一部改定されていることに、5月1日から変更されていたことに今更ながら気がついた。それはヤンゴン・マンダレー両空港における、ちゃんとした『オン・アライヴァル』ヴィザ導入である。
これまで、ミャンマーのヴィザは事前にわざわざ大使館に出向いて取得しなくてはならなかった。あるいは『アライヴァル・ヴィザ』なる制度があり、事前にミャンマー現地にあり、当局から取り扱いの指定を受けている旅行代理店を通じて申請、到着時に『ヴィザを受け取る』というものであった。後者については入国の1か月前くらいには申請しなくてはならなかった。時期によっては運用が停止されていることもあったし、団体客だけという時期もあった。
どちらにしても入国するに先立って準備をしなくてはならず、『ちょっと時間が出来たから旅行に出よう』と突然思い立ったり、滞在先(主にタイ)で、『ミャンマーに行こう!』と気が向いた翌日あたりに飛んだりするのはなかなか難しかった。そうでなくとも事前に大使館に二度も出向く(申請と受領とで)のは面倒である。
ASEANの大半の国々では日本を含めた多くの先進国の人々に対して、一定期間の観光目的での滞在についてはヴィザ免除ないしは入国地点で到着時にヴィザ取得が可能という措置を講じていることもあり、特に関心のある人でなければ、あまりミャンマーへ足が向かなかったのではないかと思う。
基本的には空路からの出入国(ごく一部例外的な部分もあるが)になること、まだミャンマーに乗り入れる航空会社が少ないこと、それも周辺国からのフライトしかないことなど、観光客誘致については障害となる部分は少なくないとはいえ、今後は隣国でフライト数が多く、チケット代金も低廉なタイを経由しての訪問が特に増えることだろう。
またインド滞在中でコールカーターからヤンゴンを往復するという利用もあるかと思う。ただしインドのヴィザに2ヵ月ルールが導入されたことがネックにはなる。マルチプル・エントリーのヴィザを所持していてもそのまま出国してしまうと2ヵ月間は入国できなくなってしまう。インドのヴィザ取得時に第三国とインド間で出入りする予約の入った航空券と旅程表などを提出することにより、それよりも短い期間でインドに戻ることは可能になるようだが。
ヤンゴンあるいはマンダレー到着時のミャンマーのヴィザ取得条件等については、Myanmar P.L.G. Travel & Tours Co. Ltd.のブログ『PING LONG 現地生情報』をご参照願いたい。
ヤンゴンで日付をまたいでの乗り換え需要もあるかといえば、そうではないようだ。現在までのところヤンゴン空港に離着陸しているナショナル・フラッグ・キャリアのMyanmar Airways International (MAI)のフライトは、バンコク以外にはクアラルンプルとシンガポール便のみと寂しい限り。
ずいぶん長きにわたり経済的に停滞している国への乗り入れ需要が少ないこともあるが、、欧米諸国等による経済制裁下にあるということも大きい。特にアメリカの場合、ミャンマー製品を自国に輸入することさえ禁じており、例えば旅行者が現地で購入した民芸品のような他愛のないものであっても、米国内に郵送することは不可となっているようだ。
ミャンマー政府は、とうの昔にビルマ式社会主義という国家理念に基づく計画経済を放棄して市場主義経済化を推進、様々な分野における民営化を積極的に実施してきたのだが、この国にとって欧米という大きなマーケットが存在せず、それら先進国からの直接投資を得る機会もまず無いといった、政治的・人為的な要因で浮上の機会を失っているという側面もある。
そうした中でミャンマーと積極的に経済交流を深めている中国は独り勝ち状態で存在感を高めているというのは皮肉である。
さて、この新しいアライヴァル・ヴィザの制度が今後安定して運用されることを期待するが、今後この国を訪れる人々の数がどのように推移するのかについても注目していきたい。
※彼方のインド 4は後日掲載します。

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