上海経由デリー行き3

さて、いくら時間が空いているとはいえ、浦東空港でのチェックインに遅れてしまっては元も子もない。多少の時間の節約ということもあるが、せっかくこのあたりまで来たら、ぜひとも2003年12月に開業したリニアモーターカー(上海磁浮列車)にも乗ってみたいものだ、と欲張ってしまう。

地下鉄2号線車内

地下鉄2号線の龍陽路で下車、リニアに乗り換えてわずか一駅・・・というよりも、もともとこの一区間しかない。乗車券は50元と高価だが、当日出発する航空券を提示すると40元になる。

地下鉄2号線の龍陽路駅改札を出たところ
リニアモーターカーの駅への階段
シンプルな印象のプラットフォーム

ワクワクしながらプラットフォームに進んだが、意外なほどに乗客は少ない。地下鉄に較べてあまりに料金が高いこと、龍陽路からしか発着していないこともあり、利用客のほとんどは外国人、あるいは懐具合に余裕があるおのぼりさんといった具合。

リニアモーターカーが入ってきた!
あまり利用客は多くない感じ
まばらな乗客の中で目立つのはやはり西洋人

ドイツの技術を導入して導入され、当初は杭州その他への延伸の構想もあったようだが、現在はそうした話はトンと聞かない。いかに優れた技術であっても、収支が見合うものでなければ、拡張されることはあり得ないのはいずこも同じ。

車内はガラガラ

ガラガラの車内に乗り込むと間もなく発車した。さすがはリニア!と感心させてくれるのは、その加速力だ。車両内の電光掲示板に速度表示がなされるのだが、航空機に近い爆発的な勢いでスピードを上げていく。時速300kmを越えて、400km超になると、周囲の景色が流れる速度が速すぎて、気持ちが悪くなりそうだ。ちょうど録画番組を32倍速で早送りしているような・・・。

最高速度もさることながら猛烈な加速感に圧倒される。
最高時速431km到達!

現在開発中で、2027年に営業運転開始を目指す日本のリニアモーターカーは最高時速550kmとなる予定。ハード的には万全でも、乗車しているのは生身の人間であることから、やはりこの「車窓酔い」が問題となることと、私は予想する。

ちなみに、運行時の最高時速については、時間帯によって異なるそうだ。最高時速431kmを出すのは、午前は9時から午前10時45分、午後は3時から3時45分の間のみ。その他の時間帯の最高時速は301kmである。あまり実用的な路線ではなく、国威発揚のためのデモンストレーション的な路線ではあるものの、利用する外国人に「世界に先駆ける中国の偉大さ」を印象付けるべく、すべての時間帯で最高時速431kmをノルマとしてもらいたいものだ。

浦東空港駅到着
わずか7,8分という短い乗車時間がちょっと残念かもしれない。
浦東空港

乗車した龍陽路駅近くには、リニアモーターカーこと上海浮磁列車博物館がある。もう少し時間があれば訪れてみたいところだったが、またいつか機会があるだろう。それにしてもたかが飛行機の乗り換えで、ちょっとした市内観光も楽しめるとあれば、上海経由でデリーに向かうのも悪くないと思った。

〈完〉

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