スニール・ダット天国へ召される

SUNIL DUTT (1929-2005).jpg
 サンジャイ・ダットの父、インド映画史上に残る大女優であった故ナルギースの夫、1960年代を中心に一世を風靡したスター俳優にして現職のスポーツ及び青年育成大臣のスニール・ダットが、本日5月25日午前3時ごろ、ムンバイの自宅で心臓発作により亡くなった。享年75才、6月6日に誕生日を迎える直前であった。
 1929年、現在のパキスタンのパンジャーブ生まれ。分離独立時にインドに移住し、ムンバイのジャイ・ヒンド・カレッジで学ぶ。ラジオ番組のパーソナリティ兼インタビュアーの仕事を始めたことをきっかけに銀幕の世界に足を踏み入れた。俳優として代表的な出演作には「ミラーン」「ハムラーズ」「マザー・インディア」「メヘルバーン」「グムラーハ」などがある。
 1984年に国民会議派に加入、21年間の政治家生活の間、5回連続で国会議員に当選を果たし、昨年より初めて中央政府大臣職に就くなど、政界でのキャリアも華々しい。
 1981年に「ロッキー」に出演以降、アクション派俳優としての階段を登りつつあった息子サンジャイ・ダットが、80年代後半から90年代前半にかけて自ら引き起こしたドラッグ問題、武器不法所持等々のスキャンダルから立ち直ることができたのは、この偉大な父あってのことであろう。
 近年そのサンジャイと「ムンナー・バーイー M.B.B.S.」で共演すれば「国会会期中にサボッてロケに行くなんて」との声が上がり、昨年12月の津波災害の直後に被災地を視察、「サッカーで気晴らしをすれば」との発言が物議を醸すなど、とかく世間の耳目を集める人物であった。
 本日、遺体が荼毘に付されるのを前にムンバイのサンタクルーズの葬祭場には、政界の大物たちや映画界の大スターたちをはじめ様々な人々が弔問に訪れているようである。
 故人のご冥福をお祈りします。
Parliamentarian Sunil Dutt is dead (Economic Times)

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