KKHの湖

中国の援助により1966年に着工し、20年後の1986年に全線開通したパーキスターン北部から中国新疆ウイグル自治区へと抜ける国道35号線、通称カラコルム・ハイウェイ(KKH)は、厳しい地理条件のところを通っているため、しばしば崖崩れや落石で不通となるが、今回はこれまでになく深刻である。中パの間の陸路交通手段の途絶以上に現地の多くの方々の人命や財産にかかわる大きなトラブルが発生しているからだ。
フンザ地区で今年1月に発生した大規模な崖崩れが発生。その際にふたつの村とそこに暮らしていた人々が犠牲となっているが、岩石や土砂がダムを形成し、川が堰き止められたことにより湖が出来上がってしまい、周辺地域の他の村落等が水没するなどの影響を及ぼしている。カラコルム・ハイウェイもこの部分で交通が途絶している。
Update: Pakistan’s Karakoram Highway Blocked by Major Landslide (Matador Trips)
現在、湖はコンスタントに成長しているおり、近々決壊することが予想されるなど、非常に危険な状態にあるそうだ。そういう事態となれば、大量の水が土砂とともに鉄砲水のように下流地域の村々を襲うことになるからだ。
パーキスターンで観光ガイドをされている方のブログ『フェイサル・シャーのパキスタン便り』でもその模様を取り上げており、「5月から雪解け水が増えるから6月から8月までフンザ河の流れがとても激しくなり・・・」とあるように、ますます拡大する湖を前に緊迫した状況がうかがえる。
今後の進展が気になるところである。
The water bomb (DAWN.COM)

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