インドもの続々 ロンリープラネットのガイドブック

India, Northeast India, South India, Bhutan
いまや旅行ガイドブックの老舗となっているロンリープラネット社だが、いわゆるバックパッカーの先駆けであったトニー・ウィーラーとその妻モーリーンがアジア横断旅行後、1973年にオーストラリアにて創業。当時はオーストラリアやイギリスなどからアジア方面に出かけるヒッピー旅行者や安旅行者などの読者を相手にしたベンチャー企業であり、今日のように世界中の書店にLPのロゴが入ったシリーズもの旅行案内書を大量に供給するまでになるとは想像できなかったことだろう。
ガイドブック『India』の初版は1981年発行で、今年9月に出たものは12版目となる。さっそくこれを手に入れてパラパラめくってみた。いつもどおりシンプルなレイアウトで写真類が少ない分、情報がギュッと濃縮されている。従来の版が全部で1120ページであったのに対して、今度は1236ページと着実に増えている。ただし紙厚が変わったのか重ねてみると、わずかながら薄くなったように見える。(これまで私が使っていたものが繰り返しめくっていたおかげで背が広がってしまったのかもしれない)


だが携帯性を考えてもう少しダイエットして欲しいと個人的には感じる。だがそれは多くの人々に支持される理由のひとつである情報量の豊富さと表裏一体であるのでそうもいかないのだろうか。版が改まるごと分厚く重くなっていくのが宿命なのか。旅行ガイドブックとしてはすでにヘビー級になっているので、根本的に考え直すべきときに来ているはずだ。
さて、コンテンツのほうは、諸々の料金関係、新興の格安航空会社の関係等々、旅行事情に変化があった部分に対応したり、今回新しく取り上げられたエリアがあったりといった部分を除き、いつもの改訂時と同じく大きな変化はないようだ。相変わらずパンジャーブに関する記述はごく薄い。確かにパンジャーブの主だった観光地は現在のパーキスターン側にあるとはいえ、インド側ではアムリトサル以外にはたいして観るべきところがないように見えてしまうのはちょっと残念である。また今回は北東地域の記事が増えているのではないかと予想したが、前版とたいして変わらないようだ。
だががっかりする必要はない。実は今年10月に『Northeast India』というタイトルで北東インドの案内書が発売されているのだ。このガイドブックについては、また後日取り上げてみたい。これから乾季というタイミングの良さもあり、これを手にしてアッサム、メガーラヤ、トリプラーといったパーミット不要の地域に出かける人々が増えることだろう。これまで広く紹介されていたインドとはまた違った魅力を見つけて欲しいものだ。
なお今年の9月には『South India』も版が改まっている。続いて『North India』もじきに新しくなって出てきてもおかしくない。また2002年に第4版が出てからそのままになっている『Trekking in the Indian Himalaya』もそろそろかもしれない。蛇足ながら、近隣国のものとしては、なかなか訪れる機会がないところではあるが『Bhutan』も今年4月に第4版が発売されている。ロンリープラネットのガイドブック、目下インドものが出版ラッシュだ。
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Lonely Planet India
ISBN-10: 1741043085
ISBN-13: 978-1741043082
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Lonely Planet Northeast India
ISBN-10: 1741790956
ISBN-13: 978-1741790955
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Lonely Planet South India
ISBN-10: 1741047048
ISBN-13: 978-1741047042
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Lonely Planet Bhutan
ISBN-10: 1740595297
ISBN-13: 978-1740595292
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