ペンタックスQマウントの超広角ズーム 「PENTAX-08 WIDE ZOOM」

今年7月にペンタックスのQ7を購入してから、とても気に入って愛用している。旅行先にも日常生活でも常にカメラを携帯しているのだが、写真を仕事にしているわけではないので、それを持ち歩くのが苦になるようでは困る。かといって、撮影すること自体を楽しむことができないような「押すだけカメラ」なら要らない。

近年、携帯電話の写真画質が向上してきたことから、安手のデジカメが市場に居所を失ってきており、デジタル一眼ブームも一服したことにより、「高級コンパクトデジカメ」のジャンルが充実してきているのは嬉しい。

コンパクトデジカメの常として、レンズの焦点域に限りがあること、あまり広角から望遠までと撮影域を欲張ったモデルは画質やレンズのF値等で不利になってしまう。そんなわけで、コンパクトデジカメながらも一眼並みに幅広く使いまわせるものとなると、レンズ交換式という方向が導き出されることになるのは、最初から誰もが判っていた。

そういう流れの中で、コンパクトデジカメとデジタル一眼の中間の需要を埋めるものとして、ミラーレス一眼が出てきたわけだが、これとて趣味で写真を楽しんでいる者が、常日頃からカバンの中に放り込んでおくにはかなり辛い。いくつかの交換レンズも一緒にとなると、写真が仕事ではないのでそれこそ不可能である。

そんなところで、2011年8月にペンタックスQマウント機の初代モデルが出た際には、「まさにこういうカメラが欲しかった」と心躍ったものだ。この大きさであれば、複数の交換レンズとともにカバンに忍ばせておいても苦にならないからだ。当時はまだ初物であったこと、今でも決して豊富といえないレンズのバリエーションの関係もあり購入は見送った。

その後、昨年10月に後継モデルのQ10が発売となった際にも、かなり心動かされるものがあったが、他に物入りがあったため買うことはなかったのだが、今年7月にセンサーサイズがやや大型化して焦点域がより広角側に寄った形でQ7が出てきたことから、ようやく手に入れた次第である。

さて、このQマウントシリーズのレンズのラインナップは、このモデルの登場により8本目ということになるのだが、数千円から1万円弱程度の「トイレンズ」を除き、1万数千円台から2万円強といった程度という手軽な価格帯であったため、超広角ズームの発表がなされた際には、超広角というやや特殊なレンズであることを考慮しても、やはり廉価であることを期待していた。

そして出てきた価格は45,000円前後であったことから、ちょっと迷うものがあった。ネットでの前評判もやはり価格について「高い」というものが多かった。それでもこれを購入したのは、現在私はペンタックスQ7をメインに利用していること、後ろに引けない場面や建物内等のスペースが限られたところなどで、有効に使えるレンズが欲しかったからに他ならない。

店頭で、このレンズを装着したデモ機の液晶画面を覗いてみて、35mm換算で17.5mmの画角で写りこむ範囲の広さ、その割には歪みが想像以上に少なく調整されていること、撮影してみても周辺部の流れがこれまたよく抑えられていることなどが一目で判ったので、即購入することとなった。他のQマウントレンズよりも割高なのは超広角レンズであるがゆえに当然そうなるのだが、この価格に見合った性能を有しているようなので納得である。今後もっと使い倒して、他の機会に感想を述べたいと思う。

あくまでもQ7を持っている方に限定(QやQ10の場合は広角端が21mm相当になるので「超広角」としてのインパクトがあまりない)ということになるのだが、このレンズの使い勝手は実に「買い」であり、入手して決して後悔することはないだろう。この類のレンズは通常ならばかなり大きくなるのだが、軽さと小ささを身上とするQマウントレンズだけに、わずか75g。決して邪魔にもならない。

そんなわけで、買ったばかりのこのレンズで、東京のお茶の水にあるニコライ堂を試し撮りしてみた。

ここ数日間は、ペンタックスのQ7で、こればかり常用することになりそうだ。

 

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