ディーワーリーとラクシュミー

すでに多くのメディアで取り上げられているが、ラクシュミーという名の少女の話である。ビハール州のアラーリヤー地区で父シャンブーと母プーナムの間に、4本ずつの手足、結合した2対の脊髄、二人分の神経系統、ふたつの胃などを持って生まれた2歳の少女、ラクシュミー・タートマー。可愛らしく利発そうな表情をしたこの幼児は、これまで立ち上がることも歩くこともできなかった。
このような姿で生まれてきたのは、彼女が結合双生児であったためだが、本来この世に生を受けていたはずのもう一人は未発達のまま、彼女に身体の一部だけを残すことになってしまった。
生まれたときにその姿からラクシュミーと名づけられた彼女のことを、村ではまさにそのラクシュミー女神の化身と言う者があるいっぽう、奇異の目で見られるのみならず、見世物小屋の一座から身売りを持ちかけられるなどといったトラブルもあり、人目を避けるようにして暮らしてきた。
それでもまだ幸運が残されていたのは、彼女の存在がバンガロールのスパルシュ病院関係者の知るところとなったことに加えて、彼女の身体の組織がほぼ左右対称であること、本来彼女の身体であるべき部分に、当人に必要な臓器等が揃っていたことなどがあるという。
手術にかかる費用は病院持ちとのことだ。おそらく同病院の先端医療技術を世間に知らしめるためという目的もあるにせよ、この手術の実現は関係者たちの温かい善意と熱意あってのことであると信じることにしよう。家族に伴われてバンガロールにやってきたラクシュミーに対し、11月6日に36名の医師たちからなるチームによって、今月6日の朝8時半から翌7日の朝10時まで、実に丸一日以上に及ぶ大手術が行われた。
手術は無事成功、現在ラクシュミーは集中治療室に収容されているが経過は良好とのこと。退院後は普通の生活を営むことができる見込みだという。
おりしも世間はディーワーリーのお祝いの時期。ラクシュミー女神に因んで名づけられたこの少女とその家族に対し、同女神からの手厚いご加護がありますように!
Lakshmi stable after marathon surgery (Deccan Herald)

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