デリー発ラーホール行き列車でテロ

デリーからパーキスターンのラーホールに向うサムジョーター・エクスプレスは現在往復週二便運行されているが、日曜日にデリーを出発したこの列車が深夜前後にパーニーパト付近を通過中に二度爆発し炎上。乗客の7割以上がパーキスターン国籍の人々であったとされるが、現在までこの列車に乗り合わせていた人々のうち66名の死亡が確認されている。
タイミングからして、明らかにパーキスターン外相が今月20〜23日の予定でインドを訪れる直前を狙って印パの対話を妨害しようという、両国間の関係改善の流れに揺さぶりをかけようという試みなのだろう。犯行グループが所属すると思われる組織名がふたつばかり挙がっているものの、まだどちらからもテロ実行に関する声明は出ていない。いかなる主義・主張があろうとも、こうして人々を巻き添えにする暴力が正当化されることはないし、一般市民の共感を得ることはあり得ない。
それでも両国の人々にとって相手国への不信感を生じさせ、今後政府間の対話に大きな差し障りを生むことは確かだろう。まさにそれこそが犯人とその背景にあるものの目的であり、現在の両国の対話ムードに冷水を浴びせることができれば大成功といったところであろう。それにしても印パ分離以来すでに60年経とうかというこの時代になってもその悲劇を逆手にとってこうした事件が起きるのは実に悲しいことである。
どの国にあっても、私たち普通の市民にとって一番大切なことは世の中が平和であること、日々の暮らしが安全であることなのだ。血を流すような抗争、身内や自分自身が命を落とすかもしれないような争いなど誰が欲するものだろうか。不幸にもこの事件で犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、無辜の市民を犠牲にする暴力に対して大きな怒りを表明いたしたい。
Samjhauta Express blasts (The Times of India)

「デリー発ラーホール行き列車でテロ」への2件のフィードバック

  1. ogata様、先日はお目にかかれて大変光栄でした。今度是非改めてゆっくりとインドのお話しなど教えていただきたいです。こちらのコラム、いつも大変興味深く拝読しています。今回のテロは私も残念で悲しく思います。

  2. アジアハンター様
    これまでホームページやブログ等の記事を拝読させていただいていましたが、先日はひょんなことから実際にお会いできてとても嬉しかったです。こちらこそぜひいろいろと教えていただきたいことが沢山あります。今後ともぜひよろしくお願いいたします。

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