美しすぎる大臣の訪印

7/27にインドのクリシュナ外相と会談したパーキスターン外相ヒナー・ラッバーニー・カル氏

今年2月に『美しすぎる大臣?』として取り上げたヒナー・ラッバーニー・カル氏。ちょうどその時に同国の内閣改造時にパーキスターンの外務副大臣に相当する職に抜擢されており、ひょっとしたら将来大化けするかも?と思ったのだが、意外にもその日は早くやってきた。

しばらく空席になっていた外務大臣の職に任命されたのが7月19日。翌日20日には就任の宣誓を行なっている。同国初の女性の外務大臣であるとともに、34歳と最年少での就任だ。パーキスターンのリベラルな顔として、今後しばらく目にする機会が多いことだろう。

就任直後に彼女はPTVの独占インタヴューに応じている。華やかな見た目に似合わず、落ち着いた低い声と自身に満ちた口調でシャープに応対している。演説もかなり上手いのではないかと思われる。

PPP Hina Rabbani Khar Sworn In As Foreign Minister

7月27日にデリーに到着し、45歳年上のインドのS.M.クリシュナ外相と会談。その後マンモーハン・スィン首相、ソーニアー・ガーンディー国民会議派総裁、BJPの重鎮L.K.アードヴァーニー、スシマー・スワラージ等とも会談している。

また在デリーのパーキスターン・ハイコミッション(大使館に相当)では、インドのカシミール地方で分離活動をしている指導者たちとも面会をしている。

今回のパーキスターン外相のインド訪問において、特に大きな成果があったわけではなく、かといって何か深刻な摩擦が発生したということもない。両国側とも粛々と日程をこなして、7月29日にはパーキスターンの指導者が訪印する際のお決まりのコースのひとつになっているアジメールのダルガーに参詣した後にパーキスターンに帰国している。

インドのメディアでは、印パ外相会談について、あるいはインドの他の指導者等との会談についての報道はもとより、スタイリッシュで若くて美しく、身分の高いパーキスターン人としてセレブ的な扱いもしていたのがとりわけ新鮮であった。日刊紙を複数購入して関係記事目にしてみると、彼女の『美』に関するものがずいぶん多い。インターネット上にもそうした調子の記事等がいくつも出ている。ヒナー・ラッバーニー・カル氏には、『重厚なオジサン政治家』にはあり得ない、グラビア的な輝きとヴィジュアルな魅力がある。

Hina Rabbani Khar’s date with India (NDTV Photos)

彼女のファッションについての話題も沢山見受けられた。日刊紙上では、イギリスのケンブリッジ公爵夫人キャサリン(ウィリアム王子夫人)よりもセンスが上、などと書いている記事も見かけた。

Hina Rabbani Khar fashion statement

Meet Pak’s youngest and stylist foreign minister, Hina Rabbani Khar

年齢的にも閣僚クラスとしては異例の抜擢であり、インド側としても彼女が突然、今年2月にパーキスターンの外務副大臣相当職にされてからようやく、『ヒナーってどんな人?』と云々されるようになった。これまで全くノーマークの人物である。

これまでにない若い世代の大臣であることによるしがらみの無さ、類まれな美貌とファッションセンスと相まって、インドでは好意的に迎えられるとともに、隣国との間の友好的なムードを醸し出す効果があったといえるだろう。

だが、出自が大地主層にして政治エリート家族の一員ということはあるものの、パーキスターン政界という、極めてマスキュリンな社会の中で若くしてめきめきと頭角を現してきたヒナー・ラッバーニー・カル氏は、ただのセレブではないし、無垢なお嬢様でもなければ、世間知らずのお姫様でもない。自分の父親かそれ以上の年齢の大物たちを相手に堂々と渡り合うことができる女傑なのだから、とりわけインドのメディアは鼻の下を伸ばしている場合ではない。

彼女の姿に、故ベーナズィール・ブットー氏の面影が見える気がするのは私だけではないだろう。今後の大きなポテンシャルを感じる。

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