エスブラネード・マンション

今はさらにひどいことになり、内部が大きく崩落しているようだ。

英領時代のWatson’s Hotel。ターター財閥の創始者、ジャムシェトジー・ターターが利用を断られたため、現地資本つまり自らの力で高級ホテルを建てる決意をした(その結果がタージマハルホテルの創業)という逸話の舞台。

ボンベイ随一のホテルとして隆盛を誇ったWatson’sがインド独立運動の高まり、そして独立とともに没落し、ホテルを廃業してオフィスビル「エスプラネード・マンション」に転業するも朽ち果てていき、タージマハルホテルは現在に至るまで、インドの第一級の高級ホテルとして輝いているのとは対照的だ。

エスプラネード・マンションは一度だけ入ったことがあるが、なぜか法律事務所がたくさん入居していた。エントランスからレセプションがあったと思われる場所までの階段は見事なものだが、崩壊して使えなくなっている部分もあり、大きな建物なのにセキュリティースタッフも配備されておらず、ちょっと怖い感じがした。

ムンバイの超一等地にあるのに活用されないこと、いやそれより前にボンベイ最初期の鉄骨造の建築とのことで、歴史的な価値も大きいはずなのに、このような状態で放置されてきたことはたいへん残念である。

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