苦手な和菓子

和菓子が苦手である。

甘いものは大好きなのだが、洋菓子やインド菓子にあるクリーミー感、ジューシー感がないから、という部分もあるが、「アンコ」がダメなのだ。なぜダメかと言えば、食感はやはり豆なので、レンズ豆やチャナ豆をすり潰したものと舌触りやベースにある匂いは似ている。それがおかずとして塩味がついているのではなくて「甘い」というのが、どうもいけない。

饅頭などに入っているアレが、塩味でバター風味でも利いていれば、それなりに旨そうな気がするが、そういうものは「博多通りもん」のようなごく一部の「和風テイストを取り入れた洋菓子」にしかない。あと、お汁粉、ぜんざいといったものも、これまたいけない。餅まで入るからには、きちんとした食事であるかのような佇まいながらも、おやつであるため、これまた甘い。インド料理のダル(レンズ豆)の汁をスパイスや塩ではなく、砂糖を放り込んで作ったかのようであり、なんというエキセントリックさか!その「合わない感覚」について、上手な例えは思いつかないが、「ワカメと大根の味噌汁が甘い甘いおやつになった」みたいな感じと言えば、気持ちが伝わるだろうか。

そんなわけで、どうも和菓子、とりわけアンコは苦手ながらも、いつだかもらった和菓子で秀逸なものがあった。東京都内のある和菓子屋のオリジナルとのことだが、「カフェオレ大福」なるものがあり、コーヒーペースト餡と生クリームがフィリングとして詰めてあり、お茶受けにサイコーなのだ。食感は和菓子よりも洋菓子に近い。あまりに素晴らしいため、自分でも幾度か買いに行ったことがある。こちらも和菓子というよりも先述の「博多通りもん」のように、軸足を洋菓子に非常に近いところに置いたコンセプトの菓子と言えるだろう。

先日、こんな変わり種大福が売られているのを見つけた。イチゴミルク大福、オレンジヨーグルト大福、マスカット大福、メロン大福etc.。もしかすると、「カフェオレ大福」に迫るヒット作ではないか?と買い込んでみたのだが、食してみると、フルーツ風味を付けたアンコの大福であった。

先に挙げたような稀有な例外はあっても、やはり和菓子、アンコを侮ってはならないことがよくわかった。これは切っても切れない仲のようで、アンコ抜きの大福なぞ、期待してはいけないものだったのである。

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